第31話 鎚玲有の完堕ち2
「........................チカ。その女、だれなの」
「........................とうとうそいつをお持ち帰りしちゃったんだ......
ちーくんにお姫様抱っこされながら開け放たれた玄関に立っていたのは、目を見張るほどの美少女2人。
1人は、淡いピンクのブラウスに緑色のロングスカートを合わせた、ちっちゃくて可愛らしい黒髪ロングのおとなしそうな子。
もう1人は、ショート丈のシャツに膝まであるシースルーのカーディガンを羽織って下は短パンだけ、背はもう1人の子よりもうちょっと高い、活発そうな印象の子。
ちっちゃい方の子は私のこと知らないみたいだけど、もう1人の子は知ってるみたい。
けど私は2人とも知らない。見たこともない。
2人とも、ものすごく憎々しげに私のことを睨んでるし、『チカ』だとか『知火牙』だなんて、ちーくんのことを馴れ馴れしく呼んでる。
考えるまでもない。この子たちがさっきちーくんが言ってた幼馴染ちゃんたちでしょ。
とりあえず、見せつけてやる。
チュッ。
「お、玲有さんが初めて自分から俺の頬にキスしてくれたね。ありがと。お返しだよ」
チュッ。
ふふっ。どーよ。私とちーくんのこのラブラブっぷり。
お姫様抱っこでおでこにキスとか、こんないちゃいちゃしてるところ見せられたら、この子たちの心も折れたでしょ。
さっさと帰りなさい。私とちーくんはこれから夫婦の契りを交わすんだから。
「チカ。その子は
「ふぅ、知火牙。最近高校でその女とよく一緒に居るとは思ってたけど、ボクに黙ってここにつれてくるなんていい度胸だね? しかもほっぺにチューまでしてるし。その人、ボクが海に沈めちゃってもいいってことだよね?」
ふふっ、無様〜♡
まぁ、幼馴染は負けフラグって名言もあるものね。あなたたちはここで脱落。お疲れさまでした〜♪
「はいはい、2人とも落ち着いて。
また3人目って言った。違うでしょ、ちーくん。私だけが彼女でしょ。言い直せ。
「玲有さんはもうちょっと大人しくしててね〜」
あんっ。ナデナデされたら頭ふわふわしちゃう......。
「ボクがそんなこと許すと思ってるの?」
「藍朱は絶対に認めないからね。ついでに今ここで衣莉守ちゃんもろとも葬ってあげる」
ふーん。えらく好戦的な子たちじゃない。
こんな凶暴な子たち、やっぱりちーくんには相応しくないね。
私があの世に逝かせてあげる。
「ちーくん。おろして」
「んー、だめだよ。おろしたら玲有さん、暴れちゃうでしょ?」
「暴れない。この子たちを始末するだけ」
「それがダメなんだよ。ほら、おとなしくしてて」
チュッ。
またおでこにチューして黙らせるんだから......。ずるい。
「「............またチューした......」」
あははっ、悔しがりなさいこのメス猫ちゃんたち。
そろそろとどめを刺してあげる。
「はじめまして、私は鎚玲有よ。そしてさよなら。あなたたちの幸せは今日で終わりよ。今日からは私だけがちーくんの彼女だからね。あなたたちは、用済みなの。それに私、これからちーくんにヴァージンを捧げるの。早く消え失せてくれる?」
2人ともまーた目がキツくなった。
そんな下品な子は早くちーくんから離れて。ちーくんが汚れちゃう。
「昨日今日チカに会ったばっかりのバージン女があんまり藍朱にイキり散らかさない方が良いと思うよ? どうせすぐに捨てられちゃうんだから、あんまり調子に乗ると後で悲しいよ?」
「知火牙のことなーんにも知らない年増女はお呼びじゃないよ。知火牙はボクが幸せにするから先輩は永遠の処女でいたらいいんじゃないかな。それか、ボクがホームレスの汚いおじさんでも紹介してあげようか?」
ふーん、なかなか煽ってくるじゃない。
悔しくて悔しくて、暴言しか吐けなくなっちゃってるのかなー?
ダッサ。私は絶対こうはなりたくないな〜。
「はいはい、3人とも、あんまり喧嘩しないで。これから竿姉妹になるんだから、仲良くしてよ」
「「「誰のせいだと思ってるの!?」」」
「あはは、早速仲良しだね!」
「「「なかよしじゃない!」」」
*****
「「............あへぇ............」」
それからなんだかんだと暴れまわってみたけど、私たち3人はいとも簡単にちーくんに抑えられて、大人しくさせられた。
あまつさえ、「この2人と一緒に俺を支えてほしい、そうじゃなきゃ玲有さんとは一緒にいられない」とか言われて頭にきちゃって包丁で刺そうとしたけど、ちーくんの鋼みたいな肉体はそれを受け付けてはくれず、弾き飛ばされてしまったり。
ちーくんの口車は相変わらず冴えに冴え渡っていて、結局私は渋々、3人目の彼女になることを了承させられてた。
もちろんそんなの口だけ。この子たちが油断したらそのすきに排除してやる。ちーくんにさえバレなきゃ問題ないもんね。
ちーくんは終いには、「それじゃあ今日はまず玲有さんのハジメテをもらって、そのあとみんなでシよっか」とか言い出して、最低だった。
けど好きな気持ちが止められなくて、OKしてしまった私はもっと最悪だった。
それからは私のことを忌々しげに見つめる2人を尻目に、じっくりと3時間は高められて、痛みもそこまでない体験になった。
18歳の誕生日に、私は最愛の人の最愛の1人のポジションを手に入れて、なにか大事なものを失った。
ちーくんはこの2人だけじゃなく他にもたくさんの経験があるらしくて、そこで磨かれたらしいテクニックに、色んな感情が溢れて泣いてしまったりした。
けどまぁ、大好きな人と結ばれた幸せでどうでもよくなった。
私が果てたのを確認してから、ちーくんは他の2人ともおっぱじめたみたい。
私は、お腹に残る温かいちーくんの子種を感じながら感傷に浸っていられたのも束の間、すぐに始まったちーくんと彼女たちの交わりをただ呆然と見守るしかなかった。
さっきの私との優しいやりとりとは全然違う。野生の獣もかくやというほどの光景。
気づいたらすでに1時間半も経ってて、目の前には女の尊厳を全て捨て去った惨めなメス猫たち。
白目をむいて涎を垂らして足を閉じることもしない情けない姿。
確かにこの1時間半のちーくんの攻めはすごかったし、あれをしてもらってるのが私じゃないってことに物凄い悔しさを感じたけど、それでも私ならあんな無様な姿は晒さない。
って思ってた時期が私にもありました。
5時間後、上からも下からも、涙も涎も、大小どっちも部屋中に撒き散らしながら『3番目でいいから私を彼女にしてください』って懇願してる私がそこにいた。
あとから見せられた動画の中に映る私の姿は、尊厳という尊厳がぶっ壊された哀れなメスって感じだった。
それに、とんでもない映像を残されてしまったと思った。
特大の弱み。ちーくん以外には絶対に見られたくない映像。そんなものを、多分私の一番の敵である2人に握られてしまった事実。
それ以来、私もみんなの痴態を記録して、いつでもネットに流して社会的に終わらせてやる準備をしてる。
ま、ちーくんがそーいうの固く禁止してるし、お互いにお互いの弱みを握ってるって知ってるから、これを使うことは多分ないんだろうけどね。
こういうのは核と一緒。持ってるって事実が大事なんだ。
お互いに牽制し合うためにね。
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