第21話 模久藍朱が病み落ちしたきっかけ2
「俺、
やった......。やったやったやったやったやったやったぁ!?
え、うそ。これ現実!? 本当なの!?
チカが藍朱のこと、好きって!?
嘘嘘嘘嘘嘘うそうそうそうそっ!
だめっ、ニヤケちゃう......。
ごめんね、
でもまだ安心はできない。チカはたくさんの女の子をたぶらかすような悪い子になっちゃったんだもんね。
さっきまでは藍朱とお付き合いしてくれれば御の字だって思ってたけど、チカも藍朱のこと好きで離したくないって思ってくれてるってことなら、ここで下手にでるのはダメだ。
ちゃんと立場をわからせてあげないと。藍朱がチカのご主人さまだってね!
「チカ、藍朱のこと、ほしいの?」
「うん。他の男になんて、渡したくない。なぜか急に2人が部室に来なくなって......2週間くらいしたころかな。気づいたんだ。それで、告おうと思って準備してたんだ。まさか、俺が藍朱にふさわしい漢らしい人間になれるように......最低限の準備を整えてる間に、先を越されるなんて思ってなくてさ」
嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい。
チカが藍朱のために頑張ってくれてた。チカが藍朱のことを思って悶々としてくれてた。チカがチカがチカがチカが!
......ふぅ。落ち着け藍朱。ちゃんとマウントポジションを取るんだ。
「ふぅん、そっか。でも藍朱、告白断られたときのことは、かなりショックだったんだよね。トラウマになってるかも。またチカに振られちゃうんじゃないかって」
「うっ。それは......ごめん。あのころの俺はまだ、女の子と付き合うことが漢らしく幸せにするために必要なことだってわかってなかったんだ......」
あはっ。チカ、苦しそうな顔してる。
自分が漢らしくないことしたって思って後悔してるんだろうなぁ。
可愛いなぁ。
こんな可愛くてかっこいい人が今日から藍朱の彼氏。
藍朱の自由にできるんだ!
でも藍朱、たくさん悲しい思いをしたんだから、チカにも苦しんでもらわないと、バランス悪いよね?
「そうだろうね。だってチカが藍朱たちのこと振ったとき、『俺は漢らしさを極めないといけない。付き合うってよくわからないし、そういうことに時間を使ってる場合じゃないと思うんだ。だから、ごめん』って言ったんだよ?」
「......よく覚えてるね」
「そりゃあね。すっごく悔しかったし悲しかったもん。だから、もう先輩たちをお客さんにシないで?」
「あー......知ってたんだ」
「知ってたよ。2ヶ月くらい前からね。ちなみに衣莉守ちゃんも知ってるから。先輩たちに依頼されて、藍朱たちが帰ったあと、部室とかホテルでえっちシてるって。膜破るの、上手なんだってね? ハジメテでも気持ちよすぎてリピートしたくなっちゃうって、評判だよ。女の子は噂好きだからね。口止めなんて意味ないんだよ?」
申し訳無さそうな顔......。そっか、チカ、自分が悪いことしたって、わかってるんだね?
もっと苦しんで。もっと後悔して!
藍朱が知ってることでも、チカに反省してもらうためにはチカ自身の口から言ってもらわないといけないこともあるよね?
「それで、何人とシたの?」
「............10人を超えたくらいからは数えてない」
「最低だね。チカが犯したのは多分、24人だよ。チャラ男で有名な
「そうなんだ......。よく知ってるね」
あはっ、チカまた後悔してる苦しそうな顔してる。
藍朱がいつまでもチカの告白に前向きな返事をしないから、不安なんだね?
四罪くんの名前をだしたら余計に苦しそうな顔して。嫉妬してるんだね?
あぁ、可愛いなぁ。もっと苦しめ。藍朱を蔑ろにしてきたこと、たくさん後悔しろ。藍朱に服従したい気持ちをいっぱい募らせろ。
「............わかった。あの先輩たちとはもうシない。これまでのことも反省してる。だからどうか、俺の彼女になってくれないか?」
えへへ、よかったぁ。
これでチカは藍朱だけのもの、だよっ。
「わかった。藍朱、チカの彼女になるね」
ガラガラバンッ!
教室のドアがすごい勢いで!? 急になに!?
「待って
............ごめんね、衣莉守ちゃん。
チカはもう藍朱のだよ。先に勇気を出した藍朱の勝ち。今更そんなこと言ったって、ぜーんぶ、む・だ♡
「あぁ、衣莉守、ちょうどよかった。後で衣莉守のとこにも行こうと思ってたんだ。衣莉守も、俺の彼女になってくれるか?」
「「..................へ?」」
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