第1章 御霊知火牙と4人の彼女
第3話 木曜日の模久藍朱
「ね〜チカ♡」
「ん? どうした?」
「んーん、なんでもなーい。呼んでみただけだよっ」
「ははっ、そっか。
「藍朱も。チカの全部が大好きだよ」
「よーしよしよし。ありがとね」
「うんっ」
あ゛〜幸せ♡
ヤることヤったあとのイチャイチャ時間。
今日も途中で何度か気を失っちゃったけど、最後はちゃんと2人で一緒に幸せになれたし。
心地いい疲労感と、満足感に満たされてベッドで2人並んでおしゃべりするこの瞬間。
この瞬間だけは、間違いなく藍朱がチカを独占してるってわかる。
この時間が永遠に続けばいいのになぁ。
他の豚女たちさえいなかったら、チカの時間は全部、私......
悲しいことに、今はこの最高に幸せな時間は基本、木曜日だけしか得られない。
月曜から水曜はあの子達の番だし、金曜日と土曜日はあの子達も一緒だから、藍朱だけをじっくり可愛がってもらえるわけじゃない。
あーあ、妬ましいなぁ。
藍朱は頭良くないから他の豚たちと違って高校卒業して大学は行かずに就職しちゃったから日中はお仕事しなきゃだし。
藍朱以外は夜だけじゃなくて日中にもチカと楽しい時間を過ごしてるんだと思ったら、憎くてしかたないよ。
......ってダメダメ。
せっかくチカと2人っきりのラブラブ時間なんだよ!
それに、藍朱は木曜日だから明日も明後日も連続でチカといられるんだしねっ。
もっとチカに構ってもらわないと!
「チカに可愛いって言われるだけでお腹の奥がキュンキュンしちゃうな〜。もっと言って?」
「いくらでも言うよ。可愛いよ、藍朱」
ふふふ、心が満たされてくよ〜。
愛情はいっぱい感じれたから、今度はちょっと意地悪したくなってきちゃった♡
「でもさぁ、そんなに可愛い幼馴染を、チカはどうしてあのとき振ったんですかね〜?」
「あ〜......その話は辞めようよ......」
ふふっ、チカってば、困ってる困ってる。
そんなしょんぼりした顔しちゃって。
追い打ちかけたくなるじゃん。
っていうか、適当に流そうとしてる? ちょっとムカつくなぁ〜。
「だーめ♡ あのときも、あの後も、藍朱は何度も何度も悲しい思いしたんだもんっ。チカにも苦しんでほし〜の! あんまり藍朱をないがしろにしてると..................ぶっころすよ?」
「......はーぁ。まぁ確かに、あのときは申し訳なかったとは思うよ。あの頃の俺はガキだったんだ。でも今はもう俺は藍朱のなんだから、いいじゃん。藍朱のこと、ほんとに大事だし、手放したくない」
..................チカは藍朱の......か。
チカの嘘つき。
他の3人にも同じこと言ってるくせに。
適当なことを言うチカには......首を絞めて、爪を立てて、こうっ、だよ。
「
「一番付き合いの長い幼馴染だしね。そういう意味で、一番大切だし、逃したくないよ」
う〜。やっぱ首を絞めようとしても、頸動脈に爪をたてても、びくともしない......。
あーぁ。チカがこんなに強くなっちゃう前にゲットできてたらな......。
今更言っても仕方ないけどさぁ。
それにしても......。一番長い付き合い............かぁ。それは嬉しいけど。
やっぱり『一番好きだ』とは言ってくれないよね。
「うぅ〜。チカのばかぁ。一番最初に出会った幼馴染と、後からしゃしゃってきたぽっと出の女の子を同列に扱うなんて〜。裸で抱き合ってる女に一番だって言わないなんて〜。このクズ〜!」
「ごめんな。俺はもっと漢らしくなりたいからさ。それが嫌なら、悲しいけど藍朱とはいられない、かもね」
うぅ......。チカだって、藍朱が傍からいなくなるなんてこと許す気まったくないくせに......。
そうやって藍朱の弱みとしてチラつかせるんだから、ホント質悪いよ。ゲスだよゲス。極みだよ。
けどなぁ。実際それ、藍朱に効果抜群なんだよねぇ。
「............それはイヤ。藍朱はチカのお嫁さんになるんだから」
「ふふ、藍朱はいい子だね。それこそ、俺たちが出会ったときから変わらない。いや、どんどんいい子になってく」
藍朱とチカが出会った頃から......か。
あれは幼稚園の年少さんのとき、だったなぁ。
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