第2話 みんな勘違いしてたんだ?
「危ない日のゴムにはいつも穴を開けてました......。それで、破けてるのがちーくんにバレないようにするために、ゴムの中のやつを飲んで誤魔化してました。それともらった避妊薬は適当なサプリとすり替えて飲んだふりしてました......。あとたまにちーくんに睡眠薬盛って、寝てる間に......生で襲ってました............」
「......っ! ふざけんなよ! ボクたちはみんな安全日以外はちゃんとゴムありでしてるし、薬もちゃんと飲んでルール守って我慢してたってのに! 何勝手なことしてんだよ!」
おっと、
また口をはさむのかい? 今はそういう時間じゃないよ。
「衣莉守?」
「うっ......ごめん............」
うんうん、頭なでながら名前呼んだだけで大人しくなってくれる。衣莉守は賢くて可愛いね。
......ま、とりあえず
他の男に抱かれたりしたわけじゃなさそうだし、玲有さんを手放さなくて良さそう。
それにひとまずはお仕置きもしなくてよさそうで一安心だ......けど。
「なんでそんなことを?」
「........................だって............私、どうしてもちーくんのお嫁さんになりたかったんだもん......」
「そんなの<藍朱/ボク/あたし>だってそうだよ......」
話繋がってる?
なんでみんな悔しがってるの?
「最初に赤ちゃん産んだら、ちーくんと結婚できるでしょ? 今避妊やめたら、一番に産めると思って。だから......」
「え、なにそれ? 俺、そんなこと言ってないよね?」
「「「「........................え?」」」」
みんな、なに驚いてんだ?
そんな話したことないでしょ?
あー、もしかして。何か誤解してた感じかな。
「たしか、『一番配偶者に相応しい子』に嫁になってもらおうと思ってる、ってのは伝えたと思うけど、妊娠したからって結婚するとは言ってないよね?」
「「「「......っっっっ!?」」」」
「え......じゃあ私、赤ちゃん産んでもお嫁さんになれないってこと......?」
「んー、まぁねぇ。もちろんなってもらうかもしれないけど、まだわからないよね。俺が一生養って幸せにしてみせるってのは絶対に確かだけど、お嫁さんになってもらうかお妾さんになってもらうかってのは、わかんないよ。ホントは全員と結婚したいんだけどさ。この国じゃあそれはできないからね。でも......みんなが俺以外の男に見初められて嫁いでいくなんて許されない! だから結婚は1人だけしてもらう。それ以外のみんなはお妾さんとして養う。そういう約束だろ?」
「そ......それはそう、だけど......」
「うん。わかってくれたならよかった。それを聞いた上で、その子を産むかどうかは
玲有さんのお胎も人生も、俺が占有したって証にもなるし。
俺との子どもを欲しがってくれるってことは、また1つ、漢らしさが磨かれた証左っぽいし。
「ち、ちーくんが産んでほしいなら産む! 私、絶対産むよ!」
「そう? それは嬉しいな」
「えへへ、そっか。ちーくん、私が妊娠して嬉しいんだ。赤ちゃん産んだら嬉しいんだ! ぐへへへへへ」
機嫌がよくてだらしない顔してる玲有さんも可愛いねぇ。
年上の可愛い瞬間ってまじでたまらないな。
やっぱこの人も、死んでも俺以外のものにはさせられない。
「みんなも。俺は絶対みんなを逃さないけど、孕んだからって結婚するかはわかんないからね。いつかは絶対孕ませるけどさ。今はまだみんなが妊娠して子どもが生まれても育てるのも大変だし、みんなとイチャイチャする時間短くなっちゃうしね。今のうちに、妊娠しない程度にたくさんイチャイチャしよう! 俺以外のとこには、絶対いかせないよ」
みんなプルプル震えて、どした?
「「「「このクズ! ヒトデナシ!!!!」」」」
「............なら、みんな俺から離れるの?」
「「「「それはイヤ!!!! クズでも好き!!!」」」」
「うん、みんなもいつも通り異常で可愛くて綺麗で嬉しいよ。それにしても、俺が言うのもなんだけど、みんなも大概おかしいよね。普通、自分が一番に愛されてるわけじゃないってなったら、100年の恋も冷めるもんじゃない?」
普通はそういうもんじゃないの?
自分だけ愛してもらえないなら、そんな相手には気持ちが続かないもんだと思う。
少なくとも俺はそうだし、浮気が許せない理由はそういう根源的な感情じゃないのかな?
「ほんと、チカが言っていいセリフじゃないよね、それ」
「でも、少なくともボクには関係ない話かな。だってどうせ
「ま、他の子たちは頭がおかしいだけかもしれないけど、私は違うよね。子種を貰った私が一番愛されてるし、運命の赤い鎖で結ばれてるのは誰が見ても明らかだしね」
「何言ってんの。種はみんな安全な日には注いでもらってるから。クスリ飲まずにズルしただけでしょ。知火牙くん、心配してくれるのは嬉しいけど、大丈夫だよ! 知火牙くんがみんなに配慮して、敢えて口にしないだけだってのはわかってるからさ。公私ともに一番一緒にいるあたしが一番愛されてるってこと」
ははっ、みんないい子ばっかだなぁ。みんな志が高くて嬉しい限り!
全員、俺の一番大事な人の1人なんだから。
「ふーん、そんなもんかぁ。なんにしても、俺にとってはありがたい話だね」
彼女たちのおかげで俺の『漢らしさの極み』への道は順調に進んでる。
美女を何人も囲って、全員幸せにできてこそ、真の漢ってもんだ。
少なくともこの4人だけは、一生絶対何があっても逃さない。
愛する彼女たちが離れていくなんて、許せるはずもない。彼女たちを幸せにできるのは俺だけだ。俺はそれが現実になるように努力を続けないといけない。
あとはみんなが仲良くしてくれたらいいんだけどなぁ。
*****
「ふー、
「あの泥棒猫め......。ボクの
「あーあ、赤ちゃんできたらちーくんのお嫁さんになれると思ったのになぁ......。あの子たち、すっごい怒ってたなぁ。ぷくく、無様♡ 堕ろさせてやるってギラギラしてたよねぇ。でも、ちーくんの最初の子どもは絶対私が産んでみせる! そんで私が素敵な奥さんになれるんだってこと見せつけて、お嫁さんにしてもらうんだ! 今一番リードしてるのは私だぞ!」
「あの小娘どもめ......。しかも
「「「「けど、いい加減他の子たちが邪魔だなぁ。他の子に手を出したって知られたら怒られて捨てられちゃうし......。うん、近いうちに......」」」」
「チカにバレないように、藍朱がみんなを消しちゃうもん! まずは外堀から埋めていかないとね」
「知火牙にバレないように、ボクが他の女をぶっ転がしてやる! 肉体的にも、社会的にも」
「ちーくんにバレないように、私が他の雌豚どもを駆逐してやる! まずは私以外、子どもを産めない身体にしてやるっ」
「知火牙くんにバレないように、あたしがみんなを地獄に堕としちゃえばいいんだよね。今のうちにあの子たちを沈めるお風呂屋さんかなにか調べとかないと」
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