キャンプと言ったらカレーだね!
「ただいまー!」
「たっだいまぁ~♪」
「おかえりー♪」
「あったー?」
「あったよーん。」
大愛はフェアリーリングでムカイ領に行き、父親の誠からアウトドア用品を貰いに行っていた、そして影収納から沢山の物を取り出す。
「こっちがテントで、こっちは寝袋、これはランタンでー。」
「沢山あるね。」
「このランタン魔道具なんだって。」
「ガソリンじゃないの?」
「うん、普通に出回ってるらしいよ?」
「へー。」
「あと、お父さんから言われたんだけど、明るいランタンは少し遠くに、近くはうす暗くした方が虫が飛んでこないんだって。」
「へー、そうなんだ。」
大愛の説明を聞く千春と頼子、すると青空達がワラワラと集まる。
「テント建てたい!」
「わたしもー!」
「んじゃソラとヒマリはテントおねがーい。」
「へぇ~、寝袋こんな風になってるんだ。」
「カノンは寝袋はじめて?」
「うん、キャンプには行った事あるけどコテージだったから。」
「それはキャンプなのか?」
「キャンプってお父さん言ってたけど・・・違うかも?」
花音と大愛は道具を整理し、美桜と麗奈は楽し気にランタンに明かりを入れる。
「おぉー、火の魔法なんだコレ。」
「結構明るいね。」
「外に設置・・・何処に置く?」
「この棒を立てて引っかけたら良いらしいよ。」
「おっけー。」
初めての設営準備を楽し気に行うJK達。
「チハル様、こ・・・これは?」
「テントですよ。」
「野営用の家ですか?」
初めて見るテントに目をキラキラさせる。
「これは・・・何という素材で?」
「これ?なんだろ、ダイア知ってる?」
「しらなーい、ビニールじゃないの?」
「だそうです。」
「・・・初めて聞きました、何かの革なのでしょうか?」
「え~っと、多分そうです!よく知らないですけど♪」
適当に答える千春、すると林の方から護衛冒険者3人とルプ達が帰って来る。
「お嬢さん!大物が取れたよ!」
「凄かったなぁ、俺もこんな魔獣が欲しいぜ。」
「魔獣は喋らないぞ?」
「魔獣じゃないばーい、一応聖獣ばい?」
いつものサイズでノシノシ歩くルプと、戦闘モード九尾のコン、そして一人だけ子供姿のビェリー、冒険者3人はその横を歩いて来る。
「何獲れた?」
「兎が5羽、カラフルな鳥が4羽、あとは猪が1頭だな。」
ルプが答えるとビェリーが影から獲物を取り出す。
「おぉー、それじゃ友人さん達解体お願いします!」
「おう、任せてくれ!」
「それくらいやらないと俺達の立場が無いからな。」
「俺は鳥と兎をやるから猪は任せた。」
冒険者3人はそう言うと獲物の解体を始めた。
「私も手伝いますね。」
サリナがそう言うとナッテリーも一緒に解体を手伝う。
「サフィー、そっちはどう?」
「野菜も溶けてきました。」
「いいかんじ~♪」
「チハル!チキンカレーで!」
「チキンじゃないけど鳥あるしそうしよっか。」
美桜に言われ頷く千春、横ではモリアンがゴールデンなカレーを箱から取り出し、ルーを入れていた。
「チハルおねーちゃん!さらだできた!」
「ユラちゃん!まだぷちとまといれてないよ!」
「あ!わすれてた!」
「イーナはこーんがいっぱい食べたいのです!」
幼女3人はサラダの準備をしながらテーブルに並べる。
「良い香りですなぁ。」
「はい、ジブラロールで最近流行り出した料理なんですよー。」
「この複雑な、しかし食欲をそそる香ばしいと言うかなんとも言えないこの香り、素晴らしいです!」
商人のコンゴは千春達が作る料理、そして収納魔法、キャンプ用品のすべてをキラキラした目で見ていた。
「プロステル王国か港町ルジイタで交易始まりますから、多分広がりますよコレ。」
「それは素晴らしいですね。」
「コンゴさんってプロステルにお店あるんですか?」
「はい、小さな店ですが持っております。」
ニコッと笑みを返すコンゴ。
「まさか行先が一緒だとは思いませんでしたもんねー。」
「はい、ロンガー国へこの品を届ける仕事を受けて良かったです。」
「荷物って何なんですか?・・・あ、聞いたらダメだったりします?」
「いえ、大丈夫ですよ、あれは陶磁器という土を焼いて作るカップやお皿、ポットです。」
「へぇ~、陶磁器かぁ、割れてませんでした?」
「はい、ちゃんと確認しました、一つ一つ包装しておりましのたで。」
「そりゃよかったー♪」
「えぇ、どれも手の込んだ職人の品ですから。」
コンゴの言葉にピクリと反応するサフィーナ。
「・・・。」
「どうしたの?サフィー。」
思わずコンゴの積み荷を凝視していたサフィーナに千春が声を掛ける。
「いえ・・・少し興味が有ったので。」
「お茶入れるの好きだもんねー、カップとかも好きだった?」
「・・・はい。」
「コンゴさん!」
「どうされました?」
「その食器とかカップ見たり出来ます?!」
「はい、出来ますよ、どの様な品を?」
「サフィー、どれみたい?」
「出来ればセットになった物が・・・。」
「有ります?」
「勿論です。」
「チハルー!肉出来たってー!」
「はいはーい!サフィー、ご飯食べてた後でイイ?」
「はい♪」
「コンゴさんそれじゃ後でお願いします!」
「わかりました、それでは私はこちらのお役に立てそうにないので準備しておきますね。」
コンゴはそう言うと馬車の方へ向かった。
「だいぶ日が暮れて来たねぇ~。」
赤く染まっていた青空が半分夜になる、太陽は既に見えず暗闇が周りを包んでいく。
「ロイロー、結界はー?」
「もう掛けておるぞぉ~。」
「さんきゅー!」
「ヨリー、お風呂出来たばーい。」
「さんきゅービェリー、それじゃお湯沸かすかー、お風呂担当だれー?」
「はーい!私とカノン!」
日葵は手を上げながら花音とビェリーが作った風呂場へ向かう、日葵は水魔法で露天風呂のような風呂に水を、花音は火魔法を水の中に落としていき風呂を沸かす。
「すげぇ。」
冒険者の1人が2人を見て驚き声を上げる。
「ヒマリお嬢さん・・・何者ですか?」
「え?私?ヒーラー軍団その7です。」
「カノンお嬢さんは?」
「その8ですよ。」
「・・・1は?」
「「チハル。」」
「リーダーって事ですかね?」
「え~っと・・・まぁそうかな?」
「そうじゃん?」
風呂を沸かし終わった日葵と花音は冒険者と話す。
「いやいやいや!ヒーラー軍団って他の魔法も凄いよ!?」
「凄いの?」
「凄いです!この量の水を詠唱無しで簡単に出すとか、凄いよ!?」
「それにあの火魔法、色がおかしい、青い火とか、普通赤いよな。」
冒険者3人はウンウンおかしい、と頷きながら話す。
「色々やってるから魔力上がったのかなー。」
「いやぁこの前聞いた話じゃ聖女補正で上がってるらしいよ?」
「え?マジで?それ聞いてないわ。」
2人の会話に目を見開く冒険者3人は声を上げる。
「せ!聖女様!?」
「せい・・・じょ・・・だと?え?」
「せせせせせいじょさまぁぁぁ!?」
大声で叫ぶ冒険者。
「どうした!ギャット!」
「コンゴさん!お嬢たち!聖女様らしいっす!」
「え?キンキ!本当なのか?」
「はい!今話してました!」
「トーグも聞いたのか?!」
「はい!マジで言ってました!」
「・・・ヒマリお嬢様、その話は本当で?」
「・・・えっと・・・チハルー!」
「なーにー。」
「聖女の事言ってよかったのー!?」
「いいよー、どうせ後でアイトネ呼ぶしー。」
『呼んだー?』
「まだー、あ!アイトネ、福神漬け持ってない?」
『あるわよ~♪』
「あるんかーい、ラッキョウは無いよね?」
『あるわよ?』
「・・・なんで?」
『さっきハルに買ってきてもらったから♪』
「見てたんかー!それに食べる気満々じゃん!」
千春とアイトネが話していると、コンゴは日葵の方へ壊れたロボットの様に首を動かす。
「・・・ひ・・・ひ・・・ひまり・・・さま?」
「はい。」
「あ・・・あの方は・・・急に現れましたが・・・。」
「女神アイトネ様ですよー。」
「めめめめめめがみぃさまぁぁ!?・・・・」
「めめめめめめががががががみさまぁ!?・・・・」
コンゴと冒険者キンキはそう言うとパタリと倒れる。
「あ、倒れた。」
「ギャットさん大丈夫?」
「・・・なななななんとかかかかか。」
「トーグさんも生きてるね。」
「・・・生きてます、死にそうですけど。」
「大丈夫、死んでも直ぐに蘇生すれば生き返るから。」
「心臓止まったくらいならワンチャンイケるよね。」
日葵と花音は2人に言う、するとまた人が増える。
「あ!あ!また増えた!」
「あの人誰ですか!?」
ギャットとトーグが指差す方にはユラに呼ばれたモートが居た。
「あの人も神様だよ。」
「冥界の神様だよー、こっちって死神って居るのかな?」
「さぁ?」
2人が説明をする、するとギャットとトーグはポテンと倒れる。
「チハルー、4人死んだ。」
「殺すな殺すな。」
「息あるー?」
「うん、それは大丈夫ー。」
「んじゃご飯出来るまでほっとこー。」
「うぃーっす。」
その後アイトネチェックが入り安全な人間と太鼓判を押されたが、食事の準備が出来るまで1時間ほど放置されたのであった。
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