プロステルのおともだち!
「流石王族のおっふろ~♪」
「あの!チハル様!」
「な~んですかぁ~?」
千春はシャンプーとリンス、コンディショナーの瓶を持ちラティスと浴室に入る。
「め・・・女神様とご一緒でも宜しかったのですか?!」
「気にしなくて良いよー、あっちじゃよく一緒に入ってるし、ほら、座ってねー。」
千春が言うと頼子と美桜がラティスの両腕を掴む。
「はい、それじゃ髪の毛きれ~~~~にしましょ~ね~♪」
「まずは汚れをおとしましょ~♪」
体にタオルを巻いた頼子と美桜はラティスの髪を洗い始めた。
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「どう?アイトネ。」
『聖女と言われているシュリンと言う子はモートに連れて行かせて良いわ。』
「そこまで!?」
『えぇ、魂が濁りすぎてるわ、教国のあの子達より酷いわね。』
「うわぁ、ちなみにどんな悪行してるの?」
『知りたい?』
「・・・アイトネがそう言う時って相当だよね?」
『えぇ、孤児を引き取り奴隷として売り、神の名を使って人を脅し、何も効果の無い護符を売りさばいて・・・。』
「もういいよ!おなかいっぱいだよ!」
『チハルはあの子と戦う気だったでしょ?』
「そのつもりだけど・・・ダメ?」
『止めた方が良いわ、チハルじゃ口で勝てないわよ。』
「はうっ!」
『私とモートが直接裁いてあげるわ♪』
「教会はどうするの?」
『そのままでいいわよ、あの神に祈りを捧げ心の安寧を受ける者が居るなら存在価値はあるでしょ?』
「心の広い女神さまだなぁ~。」
千春はアイトネと湯船に浸かりながら髪を洗っているラティスを見る。
「うん、アイトネがそう言うならそうなんだろうね。」
『♪』
「それじゃお願いします。」
『任せて頂戴♪問題が有る子はモートに連れて行ってもらうわ。』
「こっちにアイトネ教作る?」
『必要ないわねぇ~。』
「信仰増えるよ?」
『あっちだけで充分よ♪』
「よくわかんないけどわかった。」
クスクスと横で笑う春恵は千春の頭を撫でる。
「千春は気にせず王都で楽しんでらっしゃい。」
「・・・あ、そう言えば。」
「お父さんからの頼まれ事でしょ?」
「うん、忘れてたわ。」
「楽しみにしてたわよ~?」
「なんだっけ、固い金属。」
「チタンでしょ?」
「それ!何つくるんだろう。」
「色々考えてたわよ~。」
「パパさんズって何してんの?」
「ムカイ領を凄い速度で発展させてるわよ。」
「ヤバくない?」
「そこは大丈夫よ、生活を便利に!って言ってるし、そもそも危ない物は作ってないから。」
「ホントかなぁ。」
「・・・作っても自分達で遊ぶだけだから。」
「作ってんじゃん!」
春恵はフォローにならないフォローをし、千春は思わず叫ぶ。
「チハル~ラティスちゃんの髪終わったよー♪」
「おつかれ~♪ラティスちゃんどう?」
「指の通りが凄い滑らかです!」
「乾かすともっと驚くよん♪」
「楽しみです!」
「ラティスちゃんに魔導ドライヤーと、この試供品あげても良いよね。」
「いいんじゃない?ドライヤーは交易品で多分来るだろうし。」
「魔道具は何処まで流通させんの?」
「ジブラロールの王都で出回ってる物はOKじゃない?」
「それじゃ結構出回るね。」
千春と頼子の話に美桜が問いかける。
「誰が決めんの?そういうの。」
「商業ギルドのギルマスじゃん?」
「メイソンさんだと思うよ。」
「そっか、それじゃ問題無いなら石鹸なんかも試供品あげとくわ。」
頼子は影から石鹸を取り出すと、ラティスの侍女に渡す。
「これは体を洗う用の石鹸で、こっちが髪の毛の方です。」
「はい、有難うございます。」
「あと~・・・これは侍女さん達用の試供品ね。」
「!?」
「使い方分かります?」
頼子は試供品を沢山取り出すと侍女に渡す、侍女達は首をブンブンと振り頷く。
「これだけあれば1週間・・・1小月は持つと思うから。」
「有難うございます。」
嬉しそうに受け取るラティスの侍女達。
「大盤振る舞いだねヨリ。」
「チッチッチ、千春どん、侍女ちゃん達も立派な貴族令嬢だからね、上客候補よ?」
「ママさんズの受け売りじゃん?」
「まぁね!」
ケラケラと笑いながら答える頼子。
「で?ちょろっと聞こえたけど、教会と喧嘩すんのやめたの?」
「うん、アイトネが覗いたら相当ヤバい人らしくてさ。」
「あら~、で?」
「アイトネとモートさんが冥界旅行へお連れするそうなのだ。」
「・・・そこまでか。」
「そこまでらしい。」
呆れた様に言う頼子と、同じ様に呆れた様に答える千春。
「それじゃ明日の予定は?」
「最初の予定通り!パパさんズのお使いします!」
「メイン?」
「いや、サブ。」
「メインは?」
「買い漁り。」
「でーすーよーねー!」
「だってそもそもこの旅行、私達の卒業旅行だもん。」
千春が言うと横で美桜と麗奈がハッとした顔で千春を見る。
「そうじゃん!」
「そういえば!」
「あんたらも忘れてたんかい。」
美桜と麗奈の後ろから抱き着く青空が突っ込む。
「面倒事が無いなら明日は楽しもうぜ~♪」
大愛は大きな浴槽にプカプカ浮かびながら呟く。
「ダイア、そんな格好で・・・ラティスちゃんも居るんだよー?」
「はっ!そうだった!」
「ヒマリ、ラティス王妃様だよ?」
「そうだった!」
花音に言われ日葵もハッとした顔で答える、その姿を見て楽し気に笑う。
「構いません!ちゃんでお願い致します!」
「良いの?」
楽しそうに言うラティスに千春が問いかける。
「はい!チハル様も次期王妃とお聞きしております!立場は同じです!」
「ウチらはただのJKだよー?」
「じぇーけー?」
「うん、もうすぐ卒業だけどね。」
「貴族ですよね?」
「一応ね!」
「問題ありません!」
美桜にも笑みを浮かべながら力強く言うラティス。
「わたし・・・お友達居ないんです。」
「あ~・・・。」
「王妃あるある?」
「マルグリット様も居ないの?」
「ルクレツィアさん居るじゃん。」
麗奈達は先にアルデアと一緒に帰ったマルグリットを思い出す。
「お母様は友達いるよー。」
千春はお湯をぱちゃぱちゃとしながら答える。
「だれ?」
「いつも一緒にいるじゃん。」
「え?ルクレツィアさん?」
「んにゃ、エリーナさんとアルベルさん。」
「付き人じゃん?」
「うん、でも誰も居ない時部屋の鍵しめて一緒にお茶してるよ。」
「マ?」
「うん、最初は私も知らなかったけどね~。」
そう言うと千春はシャンプーを手にしたラティスの侍女を見る。
「侍女さんってラティスちゃんの付き人?」
「はい。」
「貴族なの?」
「はい。」
「ラティスちゃんとお友達になってくれる?」
「・・・それは。」
侍女はラティスを見ると、ラティスは侍女を見つめる。
「宜しいので?」
「いいの?」
ラティスは逆に問いかける。
「ラティス様がよろしければ・・・。」
「お願い!」
「はい。」
ニコッと微笑む侍女、ラティスは嬉しそうに千春達を見る。
「お友達ができましたわ!」
「あれ?私達も友達だよ?」
美桜はニッコニコでラティスを見る。
「うちらも遊びにくるからねー♪」
「ラティスちゃんも遊びに来たら良いじゃん。」
「いいね、フェアリーリングこっそり王宮に作っておこう、リリ、大丈夫だよね?」
「大丈夫よ~♪」
青空や大愛、麗奈も楽し気に計画を組む。
「そうだ!明日の王都探索も一緒に行かない?」
「え?!」
「王妃だからダメかな?」
「大丈夫じゃん?女神様が言えば。」
「それ脅しじゃん?」
「いやいや、最強の護衛が見てるって言えば王様もノ~とは言わないっしょ。」
「それにドラゴン達も護衛で居るじゃん?」
「うん、過剰に護衛いるからね。」
「よっしゃー!明日は王都探索だー!」
JK達は腕を掲げ叫ぶ、横で楽し気に見ていた千春はラティスと目が合うと一緒に腕を上げクスクスと笑い合った。
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