サンゴ島の食材チェック!
「アイトネ。」
『なに?』
「要石のチェックとかしてんの?」
『たまにしてるわよ?』
「たまに?最後にやったのいつ?」
『んー3000年くらい前かな?』
「たまにすぎでしょ!」
『だってぇ~、1つ2つ壊れた所で言う程変化無いわよ?』
「サンゴ死んでるじゃん。」
千春は海を指差しながら飲むプリンをジュルジュル飲むアイトネを見る。
「定期的に見回るような眷属とか居ないのー?」
『チハルが死んだらルプが眷属になるわよ。』
「チョットマテ、アイトネ、俺に押し付けるのか?」
『まさか~、言ったじゃない、言う程変化は無いわ、それに壊れた所でマナの流れが少し変わるだけよ。』
「神の少しは生物にとって少しじゃねぇんだけどなぁ。」
呆れるように話すルプ。
「眷属くらい雇えば良かったのに。」
千春はジト目でアイトネを見ると、アイトネはピコン!と音が出るような顔で千春を見る。
『チハル♪』
「嫌だ!」
『・・・まだ何も言って無いじゃない。』
「嫌な予感しかしないからイヤだ!」
『え~?ハルには門の管理させてるし~。』
「モートさんは?」
『本職があるからこっちは片手間なのよ。』
「あっち本職なんだ。」
『そ、結構居るわよ?そういう管理者。』
「そうなの?」
『えぇ、他の管理者のお手伝いする者もいるし、多数のエリアを持つ者も居るわ。」
「へぇ~、日本は神様多いからそう言うのもあるのかなぁ。」
千春はルプを見るとルプが頷く。
「七福神を知ってるだろう?」
「うん、大黒様とか恵比須様だよね?」
「あぁ、皆外国の神だ。」
「え?!皆?」
「あぁ。」
「知らなかったわぁ~。」
千春はそう言うと賑やかな方を見る、長老達に拝まれているティスケリーだ。
「アイトネ、ティスケリーさん神様扱いされてるよ。」
『力のある者は人間でも神扱いされるわね。』
「神様じゃないよね?」
『管理者と言う扱いではないけれど、神として認定する事は出来るわよ。』
「?」
『この一帯の管理をさせる事が出来るの。』
「へぇ~、要石とか?」
『えぇ、あとはバグを見つけたら報告させたりね。』
「ほほぉ?」
『・・・分かって無いわよね。』
「てへっ♪」
『簡単に言うと、日本の土地神よ、ルプやビェリーがやってたでしょ?』
「あー!あー!厄抑えたりなんちゃらしたりって言ってたわ!」
「今はフリーだけどな。」
ニヤっと笑うルプ。
「アイトネ様!」
『なに?ティスちゃん。』
「アイトネ様が神様って言ってるのに聞いてくれないんですよ!」
『良いじゃない、昔からこの一帯はクジラを神聖視してるもの。』
「女神様が居る前でそんな事出来るわけないです!」
『別にいいわよ~♪私は世界の均衡を保つだけの管理者ですもの♪』
「・・・アイトネかっこよく言ってるけど細かい事は知らないよーって言ってるよねソレ。」
『本当の事だも~ん♪』
「だってさ、ティスケリーさん、いや、海神様。」
「チハルちゃんまで・・・。」
ガックリと肩を落とすティスケリー、しかし島の人間に強く言えないのか苦笑いする。
「チハル、今日はここに泊るのか?」
周りを探索していたエンハルトとエーデル、ホーキンが戻って来る。
「その予定だよ、ね?ティスケリーさん。」
「えぇ、ココは漁村だけれど、もう少し先に小さな町があるわ。」
「結構大きいの?この島。」
「チハルちゃんの飛行島が20個くらい入るわよ。」
「へぇ~!・・・良く分からない。」
『東京ドーム・・・。』
「アイトネ、その謎単位ほんっと分かんないから。」
言いかけたアイトネを止めると、長老が話しかける。
「女神様、そして眷属の皆様、この度は有難うございました。」
深々お辞儀をする長老。
『気にしなくて良いわ、海神ティスケリーにお礼を言いなさいな。』
「アイトネ様!?」
『あと~、今日泊る宿と、この島の特産か食材を奉納してくれると嬉しいわ♪』
「はい!是非ともご準備させて頂きます!」
ニッコニコで長老は返事をすると皆の所へ戻り指示を始めた。
「ちゃんと女神様認識してたじゃん・・・で、眷属って誰?」
『チハル達じゃない?』
「眷属じゃなぁぁい!」
『聖女でしょ?』
「聖女って女神の眷属なの?」
『さぁ?』
「ルプぅ~。」
「中らずと雖も遠からず。」
「さもありなんやね。」
横にいたビェリーも笑みを浮かべながら呟いた。
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「海神様、色々揃えております。」
長老と女性達が案内する家に向かう一行。
「チハルちゃん何つくるの?」
「食材見てから考える~。」
「見たら作れるの?」
「ちょっと味見するけど、まぁ~、何かしら作れるっしょ。」
「私達には最強の知恵袋があるからね!」
頼子は横を歩きながらスマホを掲げる。
「ググりゃどうにかなる!」
「ほんっとスマホ使えて良かったわ。」
「アイトネ様さまさまですなぁ。」
美桜達もウンウンと頷きながら付いて行くとテーブルに沢山の食材が置かれていた。
「・・・ほう、ほぼほぼ果物ですが。」
思わず突っ込む頼子。
「果物で料理?」
「デザートか。」
「ケーキとか?」
「てっきり魚とか肉が来ると思ったのにね。」
少し残念そうなJK達を横目に千春は果物を見て回る。
「うん、ラティ島の果物と似てるねー。」
「ラティ島?」
「さっき寄った島だよ。」
「勝手に名前付けてるし。」
「覚えやすいんだもん。」
いくつかの木の実を手にしながら千春が答える。
「パンに挟むかパンケーキ辺りで合わせるかな。」
「それならアリ!」
「あ、魚もある、これは柑橘系と一緒に煮込んでも良いかも。」
「美味しい?」
「美味しく無かったら作らないよ。」
「そりゃそうだ。」
「はーい!私パンケーキつくるー!」
麗奈が手を上げると美桜も手を上げる。
「ウチはクレープ焼く!」
「イイねクレープ!」
「生クリーム欲しくね?」
「生クリームはあるよー、サフィーあったよね?」
「はい、沢山ありますよ。」
「おっけ、それじゃ晩御飯はそんな感じで!」
千春が皆に言うと、皆は手を上げて返事を返す、その横でルプ達ペットがポツリと呟く。
「肉ねぇのか。」
「魚あるばい?」
「肉が良いですぅ。」
「ぱんけーき!うきっ!」
「甘い晩御飯楽しみぃ~♪」
「クゥクゥもぉ~♪」
サンジュ、リリ、クゥクゥは嬉しそうだが、ルプ達は不満げだ。
「しゃーない、肉も焼くか。」
クックックと笑いながら千春が呟くと長老が声を掛けて来る。
「肉も有ります、そちらの部屋で保管してありますので。」
「あ、有るんだ、見せて下さーい♪」
千春達は隣の部屋に移動する、そこには塊肉が吊り下げられていた。
「干し肉?」
「これベーコンじゃね?」
「っぽい!」
「燻製も有りそう、焦げた匂いするもん。」
「はい、燻製肉で御座います、使われますか?」
「はい!お願いします♪」
「これ何の肉なんですか?」
頼子が燻製肉の塊をのぞき込みながら問いかける。
「グォウトで御座います。」
「ぐぉぅと?」
「千春、ぐぉうとだよ。」
「そう言ったじゃん。」
千春はそう言うと肉に鑑定を掛ける。
「鑑定・・・ヤギだ!」
「へぇ!ヤギ居るんだココ!」
「はい、あの高い丘に沢山居ます、となり村では家畜として育てております。」
「おぉ、畜産までやってんだこの島、すげぇな。」
「だから燻製なんだ。」
燻製肉を手に取り千春が呟く。
「ヤギだから燻製なの?」
「うん、ヤギって臭味が強いらしくて、燻製だと緩和されるんだって。」
スマホでヤギ肉を検索しながら話す千春。
「それじゃコレは何か使うとして、ルプ達には魔国牛でも焼いたるかぁ。」
腕まくりをする千春、頼子達もエプロンを着け料理を始めた。
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