おかえり飛空島!
『マスター通信範囲内ニ入リマシタ。』
「うわぁ!ビックリしたぁ!!!!」
「お?ロボ君?千春。」
頼子と千春がお茶をしていると通信機の玉から声が聞こえ千春が驚く。
「飛空島が帰って来たって。」
「お~♪お土産あるかな。」
「あっちこっちの国で買い物お願いしてたからね。」
千春は立ち上がり箒を取り出すと、頼子も杖を取り出す。
「サフィー、飛空島に行くよー?」
「はい、ナッテリー、エンハルト殿下に連絡を。」
「はい。」
サフィーナは指示をすると同じく杖を取り出す。
「サリナ、モリアン、ワークスさんは護衛を。」
「了解しました。」
「はーい♪」
「はい。」
「ルプ~行く~?」
「あぁ。」
「ビェリーおいでー。」
「ほいほ~い。」
ビェリーは頼子の頭にピョンと飛び乗り、ルプは千春の横に立つ。
「それじゃシュッパーツ!」
千春は庭に出ると地面を蹴り飛空島へ向かった。
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「ロボ君、チハルちゃんに連絡した?」
『ハイ、今連絡致シマシタ。』
青い肌、一つ目の女性が問いかけるとロボ君が頷く。
「テールカちゃんありがとうね♪」
「そんな、私も楽しかったわヒナ。」
「いやぁ~沢山の国!沢山の不思議な物!いろんな種族!楽しかったわぁ!」
数週間の旅を終え、日葵の姉陽菜はニッコニコで答える。
「何処が楽しかった?」
「全部!」
「あははは。」
「でもやっぱり魔国と海洋国家フリエンツかしらね。」
「人間の方が少ない国だったものね。」
「えぇ、それに皆良い人ばっかりだったわ。」
「それはチハルの飛空島で来たからよ。」
「そうなの?」
「えぇ、この島の住人に手を出せばドラゴンと神の神罰が待ってるもの。」
呆れた様に呟くテールカ。
「お土産も沢山ね。」
「えぇ、この品以外にも交易商人達の品もあるから、また潤うわぁ~♪」
「テールカちゃんお金使う事あるの?」
「・・・無いわね。」
「この島の管理で物凄くお金貰ってるんでしょ?」
「貰ってるわねぇ、でも、ほんと使い道無いのよね。」
「贅沢な悩みね。」
2人は仲の良い姉妹の様に微笑み合う。
『ロボくーん、直接上から行くよー。』
『ハイ、指令室デオ待チシテオリマス。』
「チハルちゃん来るって?」
『ハイ。』
「アレ見たら驚くでしょうね。」
テールカは時間停止した扉を見て呟く。
「あの部屋ってアイテムボックスみたいな魔法なのかしら?」
「違うわ、コレは私が眠っていたシステムを応用した保管魔術よ。」
「凄いわね。」
「えぇ、私が2万年寝てた魔術ですもの。」
「2万3000年でしょ?」
「誤差でしょ。」
「誤差かなぁ?」
また2人は目が合いクスクスと笑う。
「きたよー!」
「きたー!」
千春と頼子は扉を開けると声を掛ける。
「いらっしゃいチハルちゃん、ヨリちゃん。」
「やほーチハルちゃん、ヨリちゃん。」
「おかえりー、ヒナねーちゃん。」
「ただいま♪」
「ヒナねーちゃん楽しかったー?」
「すっっっっっっごい!楽しかった!」
思わずガッツポーズで答える陽菜。
「チハルちゃん、頼まれていた品はソコの部屋に保管してるわ、今解除するわね。」
テールカは台座の石を触ると扉が光る。
「さんきゅー♪お金足りた?」
「使って無いわよ。」
「へ?なんて?」
「使ってないわ。」
「え!?なんで!?」
「献上品ですって。」
「他国の香辛料、魔国の魔国牛、フリエンツでも真珠や魚介類ぜ~~~~~んぶ無料だったわよ。」
テールカが言うと陽菜も同じく説明する。
「えぇ~悪いなぁ。」
「良いじゃない、他の国も儲かってるって言ってたわよ。」
「あ~、うん、まぁそうらしいけど・・・。」
「貰っておけば?千春。」
「・・・そだね!あざます!」
千春は気を取り直し部屋に入ると、山積みにされた荷を見る。
「あ、これ1人じゃ無理だ、サフィー。」
「はーい。」
千春はサフィーを呼ぶと2人でアイテムボックスに入れる。
「ヨリ、ビェリー、こっちの食品じゃ無いの保管お願い。」
「あいよー。」
「了解ばーい。」
4人でサクサクと積み荷を片付けると、千春はテールカと所に戻り椅子に座る。
「ふぅ!仕事したぜー!」
「収納しただけでしょう。」
「まぁね!」
呆れるテールカにドヤ顔で答える千春。
「で?旅は順調?」
「えぇ、いつも通りのルートを問題無く。」
「テールカ、アレは問題無いって言うの?」
陽菜がポツリと呟く。
「アレ?・・・あ!」
テールカはふと思い出し声を上げる。
「何があったの?」
「んー、途中で護衛のドラゴンが声を掛けて来たのよ。」
「へぇ~なんて?」
「別種族のドラゴンが居るって、敵意は無かったみたい、ドラゴン同士で少し話をしてたわ。」
「おぉ~、どこら辺?」
「フリエンツを過ぎた所ね。」
「へぇ~方角的には西かな?」
「そうね。」
「西かぁ・・・あ、サフィー、西にもドラゴン居るって言ってたよね。」
「えぇ、ハース領から南周りに大陸を進むと大きな湖があって、その先にドラゴンの里が有るわ。」
「そこのドラゴンかな。」
「多分そうだと思うわよ?南のドラゴンはママドラの里でしょう?」
千春とサフィーナが話をしていると扉が開く。
「チハル。」
「ロイロ来たの?」
「うむ、護衛のドラゴンから報告が有ったからのぅ。」
ロイロはそう答えると真面目な顔で千春を見る。
「どうしたの?」
「うむぅ・・・詳しくは聞いておらぬが、そ奴が母に報告をしに行ったのじゃが。」
「じゃが?」
「どうも母の知っておる種族に会ったらしくてのぅ。」
「へぇ~、ドラゴン同士だし、知り合いくらい居るっしょ。」
「うむ・・・。」
少し困り気味に答えるロイロ。
「どうしたの?ロイロがそんな顔するの珍しい。」
「うむぅ、それがのぅ。」
「それがどうしたーん。」
「どうも・・・父の里の者らしいのじゃ。」
「へぇ~・・・パパドラ!?」
「うむ。」
頷くロイロに頼子が話す。
「ママがいりゃパパもいるっしょ。」
「そりゃそうだ、そのドラゴンがパパドラなの?」
「いや、里の若い者らしい。」
「パパドラかぁ・・・会って見たいな。」
ポツリと呟く千春。
「会ってどうするんじゃ。」
「いや、いつもお世話になってます~って。」
「そんな必要無いわ。」
「なんで?」
「儂も会った事が無い。」
「え!?そうなの!?」
「うむ。」
「どんな報告したか聞いてる?」
「ある程度はな、母の里のドラゴンが減っている事に気づいたらしくてのぅ、行先を聞いたらしい。」
「へぇ~、ジブラロールって言ったのかな?」
「とある国としか言って居らぬが・・・この飛空島を見て噂を聞けばすぐ分かるじゃろ。」
「そっか、それじゃパパドラさん遊びに来るのかな。」
「来たら面倒じゃなぁ。」
「なんで?」
「母も最初言っておったじゃろう?人間はドラゴンを討伐しに来ると。」
「・・・勇者やら賢者やら来てたって言ってたね。」
「うむ、父も同じじゃろう。」
「って事は人間嫌い?」
「かもしれぬ、母に聞けば判るじゃろうが。」
「うーん、こっちに来て暴れられても困るなぁ。」
千春は腕を組みながらう~んと唸る。
「先手打てば良いじゃねぇか。」
ルプがニヤリと笑いながら千春に言う。
「先手?」
「あぁ、場所は判ってんだろう?」
「西の大きな湖だよね。」
「行けば良いじゃねぇか、見てみたいんだろう?」
「危なくない?」
「そこはいつもの最強護衛連れて行けば良い。」
「あ、アイトネ?」
『呼んだ~?』
「呼んでないけど呼んだー、アイトネ、西のドラゴンの里に行ったら危ない?」
『どうかしら?族長の○%×$☆♭#▲!は比較的おとなしい子だけれど。』
「なんて?」
『チハルに分かるように言うならヴレェーンァーンツね。』
「うん、言い難いね、ママドラも分からない名前だったもんね。」
『ママドラはグルァロゥロルよ。』
「ドラゴンの名前わけわからん。」
「アイトネ様、パパドラの所に行けます?」
『行きたいの?』
「「いきたーい!」」
千春と頼子は楽し気に手を上げる、そして千春はアイテムボックスを開く。
「アイトネさま、いいもの仕入れてるんですょぉ~♪」
千春はアイテムボックスから新作コンビニスイーツ、苺フェアで買ったイチゴジェラートやイチゴポップコーン、苺のフロマージュとコンビニスイーツを並べて行く。
『いつ行く!?』
「一回戻ってハルトに言わないとだし、他の皆も行くかもだし。」
「ママドラさんにも一応言っておいた方が良いよね?」
「そだねー。」
「チハルちゃん!私も行きたいよ!?」
「ヒナねーちゃんも?」
「ドラゴンの里とか胸アツじゃん!」
「あ~、ネタには良いかもだね。」
「それじゃ一回帰るかな、テールカ、王宮来るっしょ。」
「へ?」
「お帰りの会やらないとね。」
「別に良いわよ。」
「いやいや、私の買い物・・・頂き物だけどお礼しないとね!」
千春はそう言うとテールカの手を握る。
『それじゃ王宮ね!』
アイトネは有無を言わさず皆を王宮に飛ばした。
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