異世界女性事情!

「ただいまぁ~。」

 学校が終わり千春はいつもの様に着替え応接室に入ると、ママさんズが揃っていた。


「お帰り千春ちゃん。」

「ただいまでーす・・・どうしたんですか?」

「開発していたアレが出来たから持ってきたのよ。」

 頼子の母智美はそう言うとテーブルの物を見せる。


「おぉー!吸収素材出来たんですか?」

「出来なかったわ。」

「あ、ダメでした?」

「旦那曰くアクリル酸がこちらでは厳しいらしいの。」

「苛性ソーダは出来たのにね。」

「しょうがないわよ、素材が手に入らないらしいから。」

「そのうち見つかるかもね。」

「見つかれば画期的よね。」

 ママさんズはそう言うとテーブルの物を手に取る。


「それじゃ、何で吸収するんですか?」

「ウフフ、これよ!」

 智美はそう言うと細かく砕いた粉を見せる。


「千春ちゃんの養殖場から手に入れたスライム!」

「・・・またスライム君か、便利だなぁ。」

「ほんっと、それにこのスライムでパッチテストしたんだけど誰一人アレルギー反応出なかったわ。」

「万能過ぎじゃないですかスライム君。」

「えぇ、パッチテストしたら肌ツヤツヤになって喜ばれちゃったもの。」

「・・・そう言えばそう言う効能あったなぁスライム君。」

 千春はソファーに座り、その物を手に取る。


「これが出来たって事は・・・紙おむつも出来そうです?」

「勿論よ、はいコレ。」

 アイテムボックスの魔道具から取り出されたのは布製だが取り外しできる部位にスライムパックが付けられていた。


「それじゃお母様に紙おむつプレゼントしなくて良いかな。」

「そうね、早速使ってもらえるわ。」

 千春とママさんズが話しているとLIMEが鳴る、千春は日本に戻り頼子達を迎え入れる。


「ただいまー!お母さん達なにしてんの?」

「これ持ってきたのよ。」

「おおー!出来てるー!」

「ホントだ!すごー!」

「助かるわー。」

 JK達はワイワイとママさんズを囲む。


「あ、私いま生理中だから使っても良いかな。」

 青空はそう言うとソレを手に取る。


「ソラちゃん、このパックの所をこれに・・・。」

 青空の母、碧が使い方を説明する。


「へぇ、こっちだけ使い捨てなんだ。」

「そうなの、コスト的にもココだけ交換した方が簡単なのよ。」

 熱が出た時におでこにピタッと貼る物の様なパックをペタリと貼り付ける。


「ねぇママ、こっちの人って今までどうしてたの?」

 麗奈は麗子に問いかける。


「ぼろ布を当てたり、ほぐした枯草だったり、綿を詰めたりしてるわ。」

「衛生的に悪そうだね。」

「えぇ、でもこちらではそれが当たり前なのよ。」

「そっかぁ、これ量産出来そうなの?」

「このパックを量産すれば良いから、あとは素材ね。」

「何使ってるの?ポリマー?」

「それは無理なんだって、だからスライム使ってるわ。」

「出たよ!スライム!」

「万能過ぎじゃんアレ。」

「でもソレ考えると養殖場拡張しないとじゃん?」

「そうなんだよねぇ。」

「でも金額高くならないの?」

 JK達はママさんズに問いかける。


「ソレなんだけど、今精霊喰いじゃない、草を食べるスライムを育成してるのよ。」

 美桜の母、美咲が答える。


「草食べるスライム?」

「そ、このスライムでも吸水効果は十分、それに食べるわけじゃないし、美容効果は必要ないでしょ?」

「スライム便利だなー。」

 美咲の説明に美桜が呟く。


「スライム確保出来てるんですか?」

「出来てるわ、養殖場も小さいけれどテスト稼働中ね。」

「お母さん何処に作ったの?」

「ムカイ領よ。」

「知らなかったわ。」

「言って無いもの、色々やってるから全部説明したら大変な事になるわよ?」

「そりゃそうだ、お父さん達色々やってるみたいだし。」

 パパさんズの開発を思い出しながら美桜は苦笑いで答える。


「付けてきましたー!」

 青空はピョンピョンと飛び跳ねながら部屋に戻って来る。


「どう?付け心地は。」

「ちょっと違和感ありますけど慣れたら別に問題無いかな?」

「吸水ポリマーほど吸水力は無いから気付いたら交換してね。」

「はーい。」

 青空と碧が話していると、智美が侍女達に声を掛ける。


「サフィーちゃん、侍女達で月経の子居る?」

「どうでしょうか、確認しましょうか?」

「お願いして良いかしら。」

「はい。」

 サフィーナは魔導通信機で確認をする、すると数人の侍女が集まる。


「トモミ様集めました。」

 サフィーナが言うと3人の侍女が横に並ぶ、ドロテ、クラミナ、ジエルの3人だ。


「ドロテちゃん達今何か付けてる?」

「はい、あて布を。」

「私もです。」

「私も同じです。」

「それじゃちょっとテストに手伝ってもらって良い?」

「「「はい!」」」

 3人が返事をすると千春が立ち上がる。


「それじゃ3人は一度お風呂入ろうか。」

「「「え?」」」

「いや、一度綺麗にした方が良いっしょ。」

「そうですね、ドロテ、クラミナ、ジエル、流してきなさいな。」

「サフィー、面倒だから私のお風呂使って良いよ。」

「良いんですか?」

「いいよー。」

「それでは皆いらっしゃい。」

 サフィーナに連れられ千春の風呂に連れていかれる3人、ママさんズは3人に渡す生理用品を準備する。


「こっちのパンツじゃぴったり合わないわよね。」

「生理の時はショーツで良いじゃない?」

「こっちの腰ベルトタイプにする?」

「そうね、選んでもらうのも良いんじゃないかしら?」

「ダイア、ショーツの予備無い?」

「あるよ?新品がいいよね?」

 大愛はそう言うと影からクルクルと丸められたショーツと取り出す。


「どれがいい?」

「ダイア、こんなパンツつけてんの?」

 青空は1つ手に取ると広げる。


「・・・可愛いな。」

 クマさん柄の可愛いショーツを見て呟く青空。


「こっちも可愛いよ。」

 大愛はそう言うと紺色のショーツを手に取り広げる。


「ほら!」

「攻めてんなぁ。」

「レースがちょっと多いだけだよ。」

「ウチもそろそろ買い換えたいなぁ。」

「買いに行く?」

「何処に?」

「ファッションセンター行くかい?」

「シアムラ?」

「ういっ!」

「えぇ~、可愛いのある?」

「あるある。」

 JK達が話をしていると智美が皆に声を掛ける。


「千春ちゃん、ちょっと多めにショーツ買って来てもらえるかしら?」

「ショーツをです?」

「えぇ、これからショーツの方も作っていくつもりだけれど、取り敢えず侍女ちゃん達に生理用品のテストしてもらおうと思ってるから。」

「了解!それじゃ買いに行きますかー!」

「ヨリちゃん、ペイ送っておくから沢山お願いね。」

「はーい、どんなのでも良いの?」

「出来ればサニタリーショーツの方が良いわ。」

「そりゃそうだ。」

 頼子はそう言うと立ち上がる。


「それじゃジブラロールの!未来の女性達の為に行きますか!」

「「「「「「おー!」」」」」」

「でもウチは可愛いの買う~♪」

「あ、私も~。」

「上下セットで欲しいよね。」

「わかる!」

「それなー。」

「私は別に・・・。」

 千春はポツリと呟くと自分の胸を触る。


「・・・女児用あるんじゃね?」

「女児用言うなぁぁ!!!!!」

 ゲラゲラと騒がしくJK達は門を通り消えていく、そしてママさんズは侍女達に使い方の説明を行った。








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