おばぁちゃんのぜんざい食うべさ!
「おもちうにょ~ん。」
「にょ~ん♪」
「千春、ミオ行儀悪いよ。」
ぜんざいを食べながら頼子は突っ込みながらもお餅を伸ばしながら食べる。
「チーちゃんおかわりいるかい?」
「いるー!」
「おばーちゃんウチもー!」
「私もー!」
「はいはいいっぱいあるからね~♪」
文恵は大きな鍋に焼いた餅を入れ皆に配る。
「お母さんのぜんざい美味しい♪」
春恵もぜんざいを食べながら微笑む。
「チハルおねーちゃんきた~!ふみえおばーちゃんこんにちわ!」
「あら、ユラちゃんげんきだねぇ~、ぜんざいあるよ~♪」
「ぜんざい?」
「これだよ。」
お椀に入れたぜんざいを見せる文恵、ユラはクンクンと匂いを嗅ぐとニパッと笑みを浮かべる。
「あまいにおい!」
「うん、あまいよー。」
ユラにぜんざいを渡すとユラはてこてこと千春の横に座る。
「いただきます!」
ユラは箸でお餅を掬い上げると口に運ぶ。
「んー!!!!」
「美味しい?」
「ん!ん!」
「食べてから返事しな~?喉に詰まるよ?」
「・・・モグモグモグモグ。」
満足そうに頷くユラを見ながら千春もぜんざいを食べていると春恵が門の方を見る。
「あら、帰って来たみたい。」
春恵はそう呟くと門のある部屋へ移動し迎えに行った。
「もどりましたー。」
「石田!どうだった!?」
「平田ぁ~先生つけろぉ~・・・。」
「ありゃ、元気ないね。」
「・・・疲れたぁぁぁ。」
石田は項垂れながら呟く。
「アヤネちゃんおかえり~。」
「南ちゃんおっかえり~。」
「ただいまー、美味しそうなの食べてるわね。」
「おばーちゃんのぜんざいだよ!超美味しいよ!」
千春はぜんざいの椀を見せながら答える。
「先生達も食べるかい?」
「良いんですか?」
「沢山作ったからねぇ~♪」
大きな鍋にオタマを入れかき混ぜながら話す文恵。
「頂きます、ケンタさんも食べましょ?」
「あ、はい、頂きます。」
2人はソファーに促され座るとモリアンがぜんざいを運ぶ。
「いただきます♪」
「いただきます。」
2人はぜんざいを口に入れ顔を綻ばせる。
「美味しい♪」
「あー、甘いのが体にしみるぅ~。」
「・・・あれ?」
南はふと周りを見回すと首を傾げる。
「どうしたの?南せんせー。」
「ん、こういう美味しい物食べてる時って必ず居るじゃない?」
「・・・あ。」
「アイトネ様呼ばないの?」
『呼んでくれたぁ!!!』
南の言葉に被らせるようにアイトネが現れる。
『チハル!なんで呼んでくれないの!?』
「・・・おばぁちゃんと料理してて、嬉しくてわすれてた、ごめんにょ?」
『もう!そんな事言われたら怒れ無いじゃない!』
「怒ってるじゃーん・・・っていうかなんで南せんせーが名前呼んだら来たわけ?」
『・・・。』
「アイトネ様はい、ぜんざい。」
『ありがとう♪フミエ♪』
「ねぇ、なんで?」
『・・・んー!美味しそう!』
「あいとねさ~ん?」
『美味しい!』
「・・・まぁ南せんせーが聖女になっても困らないし仲間ふえるし~♪」
『アヤネじゃないわよ?』
「んじゃ誰?」
アイトネは餅を口に入れながらアヤネのお腹を見る。
「・・・は!?まだ生まれて無いのに!?」
『正確に言うと~スティカの魂に付けたのよモグモグモグモグ。』
「そうなんだ、それじゃ生まれる子は聖女?」
千春が問いかけるとアイトネはニコッと微笑む。
「また聖女増えるの?モグモグモグ。」
「らしいよーモグモグモグ。」
「今更じゃーんモグモグモグ。」
「あれかな、祝福付けたからモグモグモグ?」
JK達は話を聞きつつぜんざいを食べる。
「祝福かぁ、あれ?そう言えばチェラシーにも祝福付けてるよねアイトネ。」
マルグリットのお腹にいる子を思い出しながら問いかける。
『つけたわよ~。』
「もしかして・・・。」
『・・・モグモグモグモグモグモグ。』
「それお母様知ってる?」
『・・・モグモグモグモグモグモグ。』
「なーんで目逸らすかな?ん?」
「チハル、あんまりアイトネ様困らせないのっ。」
春恵は千春の頭にポンと手を置き話す。
「そだね、赤ちゃんの事祝福してくれたって事だし、うん、ありがとうアイトネ。」
『チハルのそう言う所大好き♪』
「はいはい。」
「アイトネ様、聖女ってそんなにいっぱい作って大丈夫なんです?」
頼子は不安気味に問いかける。
『問題無いわよ?聖女と言っても神託スキルMAXになっただけだし?』
「聖魔法使えるようになるじゃん。」
千春が突っ込む。
『教会にも使える子居るわよ?稀に最初から持つ子も居るし?』
「幽霊見えますよ?」
『幽霊見える人間もいっぱい居るわよ?』
「あ、そうなんだ。」
「そう言われると特別感無くなって来たなぁ。」
「いや、ココに居る半分以上は聖女だし、ついでに言うと2人女神だし。」
「そうだったわ、あそこで転がってるペットも土地神と神の御使いだし。」
JK達の呟きに千春がとどめを刺す。
「そっちの門の部屋は神域だし、外の神社も神域だよ。」
「やばー。」
「マジか、ヤバすぎワロた。」
千春が言うと青空と大愛が笑いながら答える、そして皆の視線は姫桜神社の方へ向く、そこにはぜんざいをおぼんに乗せお供えする文恵の姿が見えた。
「・・・来ると思う?」
「来るんじゃないかなぁ~?」
美桜と麗奈はジーーーーっと神社を見る、すると鳥居がうっすらと光り人影が見えた。
「文恵お供えありがとう♪」
「どうぞお納めください天照大御神様。」
「頂くわね♪」
神社の中にある卓袱台にぜんざいを置き食べ始める天照大御神。
「あー!!!ずるいー!!!アマ様!」
「うるさいわねぇウカちゃんも貰えば良いでしょ!」
「文恵!私も!」
「はい♪今お持ちしますね。」
ニコッと笑みを返し文恵は部屋に戻って来る。
「まだ沢山顕現されそうだねぇ。」
ニコニコと微笑みながら呟く文恵。
「おばぁちゃん驚かなくなったね~。」
淡々と対応する文恵に驚く千春。
「チーちゃんの周りを見たら慣れちゃったわよ♪」
文恵が鍋の所に行くと春恵が御椀を渡す。
「はいお母さん。」
「はい、ありがと。」
2人はいくつかの御椀にぜんざいを入れる、神社の方では既に四柱の女神がわちゃわちゃと話をしていた。
「賑やかだねぇ~。」
嬉しそうにお盆を手に取るとまた神社の方へ向かう文恵。
「おばぁちゃん手伝うよ!」
「チーちゃんはゆっくりしてなさい、お婆ちゃんのぜんざいを神様が美味しいと食べて下さるんだからお婆ちゃん嬉しいんだよ♪」
そう言うと神社へ向かう文恵。
「おばーちゃん日本の神に祝福されてそう~。」
ポツリと呟く美桜。
「たしかに~。」
麗奈も頷く。
「流石に・・・それはねぇ~。」
疑問気味な千春。
「アイトネ様、ふみえおばーちゃん祝福ついてません?」
コソコソと問いかける頼子。
『祝福じゃないけれど、加護は付いてるわよ~♪』
「「「「「「「おぉぉぉ。」」」」」」」
どよめくJK軍団、そして男神までが現れると餅だ酒だと叫びながら宴会が始まった。
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「やっぱり日本の神様ってさー。」
「うん、わかる、絶対そう。」
「こっち寛ぎ空間と思ってそう。」
「だよねぇ~。」
「神様って暇なん?」
「三が日終わったし。」
「暇そうだよね。」
「「「「聞こえてるわよぉ!」」」」
「「「聞こえてるぞぉ!」」」
「「「「「「「ごゆっくりどうぞー!」」」」」」」
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