石田家結婚準備に大忙し!
「有難うございますアイトネ様。」
南はお腹を優しく触りながらアイトネにお礼を言う。
「不思議な気分だね、生まれる前に話せるなんて。」
石田は食事が終わり、約束をした南とスティカ、石田は3人で話をした、そしてアイトネがスティカを光の玉にすると南のお腹へ消えて行った。
「パパになるのかぁ・・・。」
「石田がパパだってwww」
「石田ぁ~パパになれるのぉ~?」
美桜と大愛はニヤニヤと笑みを浮かべながら石田をつつく。
「なれるに決まってるだろう!あ!それどころじゃない!色々準備しないと!」
立ち上がる石田を皆は見上げる。
「何の準備?」
南は首を傾げながら話しかける。
「アヤネちゃん、結婚式とかじゃん?」
「そだよー、お腹大きくなる前にやんないとウエディングドレス着れないよ?」
「ドレスなん?てっきり姫桜神社で白無垢かと思ったよ。」
JK達が話していると石田が叫ぶ。
「ちがーう!服とかベビーカーとか!あ!チャイルドシート買わないと!」
「ちょっと!ケンタさん気が早いわよ!」
「でも準備は早い方が。」
「はーやーすーぎ!その前に義父様と義母様に報告しないとダメでしょう?」
「・・・そ、そうでした。」
叱られる石田に思わず微笑む南。
「こっちでも色々準備はしないとダメだけれど・・・まずは日本でやる事をしておきましょう。」
「そうですね。」
2人が話ていると千春がピコン♪と音が鳴るような笑みを浮かべる。
「お母様に報告しないとだ!」
「「え?」」
千春の言葉に思わず問いかける2人。
「何を?」
「藤井、何を報告するんだ?」
「え?妊娠報告と結婚の準備だよ?」
何を当たり前の事をと言わんばかりに呆れた顔で千春は2人を見る。
「結婚式は日本でやるわよ?」
「一応姫桜神社でも挨拶はするぞ?」
「あまーい!あんみつに蜂蜜と練乳かけるくらい甘ーい!お母様がそれで済ませるわけ無いですよ。」
そう言うと千春は立ち上がる。
「それじゃお家拝見は終わりましたので帰ります!サフィーお母様の所に行こ!」
「そうですね。」
「ハルトも行くっしょ?」
「あぁ、他にも報告しないといけないからな。」
「そうなの?」
「場合によってはチハル達の協力が必要になるかもしれない。」
「・・・ん?もしかして幽霊関係。」
「そうだ。」
「おっけ!それじゃ帰ろう、ヨリどうする?」
「ん、2人の邪魔しちゃダメだろうし一緒に帰るよ。」
「ウチもー!石田がんばれー!」
「南ちゃんもう1人の体じゃないんだから大事にしてよ♪」
美桜と麗奈も立ち上がる。
「うちらもけーりますか。」
「そだねー♪」
「私はブルーワグに行ってくるわ。」
「おっけーヒマリ、それじゃもどろっ!」
JK達はそう言うと石田、南に手を振り屋敷から出る、そして王城へ向かって飛んで帰った。
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「・・・もしもし。」
『はい、谷口です。』
「石田ですが。」
『おぉ石田君、あけましておめでとう。』
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願い致します。」
石田は電話口で新年のあいさつを交わす。
「教頭、実は折り入ってお話がありまして。」
『ん?改まってどうしたんだい?』
「えー・・・その、じつは・・・南先生とお付き合いさせて頂いておりまして。」
『ほほぉ、あの噂は本当だったのか、それで?』
「はい、この度婚約をさせて頂いたのですが、そのぉ・・・妊娠しまして。」
『おぉ!おめでとう!それは目出度いな!』
「有難うございます、その、これから両親に報告をするのですが、結婚式の予定も組む事になるかと。」
『そうだね、しかしご両親も喜ぶだろう。』
「はい、それで・・・その、ご迷惑でなければ仲人の方をお願いする事は出来ますでしょうか。」
『はっはっは!喜んで受けさせていただくよ。』
「有難うございます、後日ご挨拶に伺いますのでまたご連絡させて頂きます。」
『わかった、こちらも準備しておくから、焦って事を進めると上手くいかないからね、落ち着いて動くんだよ。』
「有難うございます。」
電話を切る石田は溜息を吐く。
「はぁぁぁ緊張したぁぁぁ。」
「教頭先生大丈夫そう?」
「うん、逆に喜んでくれてたよ。」
「あら、嬉しい♪」
南はニコッと微笑む。
「さて、次はうちの両親か。」
「私の所は後でも良いから、あ、どうせなら行く?」
「そうだね、うちの両親は会ったばかりだし、こういう事は直接話した方がいいよね。」
2人は次に行う事をメモしながら話す、そしてあれやこれやとやる事が増えて行く度に石田は溜息が増える、しかし顔は嬉しそうだった。
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「あら~♪おめでたいわねぇ~♪」
マルグリットは自分の事の様に喜ぶ。
「はい、魂の子もとてもいい子でした、アイトネが祝福を掛けてくれていたので安心です。」
「フフッ、この子と同じ歳になるわねぇ~。」
大きくなったお腹を優しく触るマルグリット。
「そろそろですか?」
「そうね、触ってみる?」
「良いんですか?」
「えぇ、今起きてるのかしら、蹴ってるわよ。」
マルグリットは千春の手を取るとお腹に手を当てる。
ぽこん
「動いた!」
「えぇ、物凄く元気なの、やんちゃな子になりそうねぇ~♪」
嬉しそうに呟くマルグリット、千春は嬉しくなり一緒に微笑む。
「名前は決まったんですか?」
「えぇ、チェラシーよ。」
「かわいい!」
「おかあさまただいまかえりましたー!おねぇちゃんただいまぁ!」
千春とマルグリットが話をしているとユラが部屋に入って来る。
「おかえりユラ♪」
「おかえり~元気だね~。」
ユラはテテテテ!と千春に駆け寄ると抱き着く。
「ちぇらしーただいまー!」
ユラはそっとマルグリットのお腹を触るとユラの手がぽこんと蹴られる。
「おかえりって言ってるわよ♪」
「んふふ♪」
嬉しそうにマルグリットを見るユラ。
「チェラシーって誰が考えたんですか?」
「エイダンよ、ものすっっっっっっごく考えたみたい。」
クスクスと笑いながら話すマルグリット。
「何かから取ったんですかね。」
「チェラシーって言葉はね、古語で『祝福』って意味なの。」
「へー!」
「あとね・・・チハルの『チ』ユラの『ラ』が入ってるの。」
「あ、ほんとだ。」
「聖女2人の名前が入って、アイトネ様の祝福が付いた子、そして名前が祝福、これで幸せにならないはずがないって、エイダンが決めたのよ。」
「お父様・・・気合入れたなぁ。」
アハハハと笑いながら答える千春。
「私も気に入ってるわよ♪」
「ですよね~♪」
マルグリット、千春、ユラはクスクスと笑いながらお腹を触る。
「エリーナ、セバスを呼んで頂戴♪」
「はい。」
「それじゃイシダ卿の結婚式の準備を進めましょう。」
「そうですね、私も色々考えてます。」
「あら?何をするの?」
「向こうでは結婚式はケーキ入刀って言うお約束が有るんです、2人でケーキを切るんですよ。」
「そうなの?」
「はい、結婚して初めての共同作業?とかなんとか。」
「ケーキ作るの?」
「はい!気合入れて作ります!今作ってもアイテムボックスに入れてたらいつでも出せますし♪」
「チハル。」
「はい?」
「あの木の実は使わない事。」
「うっ・・・。」
「入れるつもりだった?」
「・・・はい、縁起良さそうなので。」
「そうねぇ、世界樹の実ですものねぇ、縁起は良さそうね。」
「でしょ?」
「・・・ん~、今回は許してあげる。」
「やった♪」
「でも内緒よ?」
「はーい♪」
「おかあさま、ちぇらしーがまたけった!」
「あら、本当、チェラシーも仲間に入れてーって言ってるのかしら?」
3人、いや、4人はのんびりと話しをしながら楽しく時間を過ごした。
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