えべれすとパフェを食す!
「大量!」
「大収穫!」
「いやぁ楽しかった。」
「なんかデカい果物多すぎ。」
麗奈達は妖精の森から戻るとワイワイと騒ぎながら部屋に入る。
「おかえり~♪良いの採れた?」
「めっちゃ採れたよー。」
麗奈はそう言うと影から果物を取り出した。
「チハルの方はどう?」
「今器に盛りつけてる所だよ。」
「おぉ~それじゃ早速果物も盛り付けましょ~♪」
麗奈達はそう言うと果物を手に取り厨房に入ると、そこには大きな器にモリモリに盛られたパフェがそびえ立っていた。
「何これ。」
「パフェですが何か?」
「チハルどん・・・限度って言葉知ってるかい?」
「・・・反省はしてない!」
「無い胸張ってどうすんのよ。」
「うるちゃい!」
青空の突っ込みに文句を言う千春、麗奈はケラケラ笑いながら果物をナイフで切っていく。
「ウチはお菓子盛り付け~♪」
美桜は箱からお菓子を取り出すと大きなパフェにぶっ刺していく。
「ミオ~、見た目考えてよ~?」
「ヒマリ、こういうのは直感なのよ。」
「いや、適当にぶっ刺してるだけじゃん!?」
ポッチーをブスブスと刺す美桜に日葵はジト目で突っ込む。
「チハルこの器何処から持ってきたの?」
「コレ?リサイクルショップで売ってたのよ。」
「コレ?」
花音はお皿を見ながら問いかける、お皿は軽く千春の頭がすっぽり入る程のサイズだ、例えるならバケツと変わらない大きさだった。
「最初見た時はさ、何に使うんだこんなデカい皿って思ったんだけど・・・某女神ならこのくらい食べるなと思って買いました!」
「へぇ~高そう。」
「そう思うじゃん?」
「うん。」
「500円!」
「やっす!」
「で、何個作るつもりなのさ。」
エベレストパフェの土台の奥には同じ物が1つあり、その奥ではナッテリーとモリアンがもう1つ作っていた。
「こっちが私達用で、こっちはおこちゃまと家族用。」
「これは?」
「・・・女神用。」
「まさかのお一人用だった!」
「まだ作るけどね、ペット用もいるでしょ。」
同じでは無いが、同じくらいの皿がまだ並べられ次の盛り付けを待っている。
「うん、私らも手伝おう。」
花音はそう言うとエプロンを着ける、青空と日葵も同じ様にエプロンを着けるとパフェを作り始めた。
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「おかーさんコレおいしい!」
ペンシエは狐耳をピコピコと動かしながら満面の笑みでビスケットを齧る。
「お・・・王妃様宜しかったのですか?」
「えぇ大丈夫よ♪」
「私達も御一緒でも・・・。」
「えぇ♪食事は楽しく、ジブラロールのルールよ♪」
そんなルールは無いが、マルグリットは嬉しそうに話す。
「私達は獣人なのですが、ここは王宮で御座いますよね?」
「えぇ、ジブラロール王国の城内、チハルの宮よ、それにこの国では人間、獣人、精霊族、その他種族も自由に生活しているわ。」
当たり前の様に答えるマルグリット、その言葉を聞きペンシエの母とメリーナの両親は驚く。
「素敵な国です・・・。」
ペンシエの母は呟く。
「そう言えば名前を言って無かったわね、私はマルグリット・アル・ジブラロールよ。」
「申し訳ありません!私はペンシエの母、ノーチェと申します!」
「私はメリーナの母、トリカーナと申します。」
「父のルーセンと申します。」
深々とお辞儀をしながら親達は頭を下げる。
「頭を上げて頂戴、ユラのお友達の親御さんでしょう?」
「はい、ヴィユラ、ユラは良くうちの子と遊んでいました。」
「私の子、メリーナとも良く遊んでいました。」
「それがこんな事になるなんて思ってもみませんでした。」
行方不明になった事を思い出し親達はうつむく。
「ユラは今ジブラロールの第二王女として生活してるわ。」
「え!?」
「どういう事ですか?」
「チハル・・・ノーチェさんの回復した子が居たでしょう?」
「はい、4人の少女達が回復してくれました。」
「その子がユラを妹にしたのよ。」
「チハル様は王女殿下でいらしたのですね。」
厨房から聞こえる楽し気な声を耳にしながら呟くノーチェ。
「里から一番近い国、ジャシールでは獣人に人権など有りません。」
ポツリと呟くトリカーナ。
「それももう大丈夫よ、ジャシールは今終わったわ。」
軽く答えるマルグリットはお茶を啜る。
「そうね、今ジャシールの貴族の数名が神モート様の審判で冥界に落ちたわ、モート様がお許しになった者、ジャッジされなかった者はエイダンの指示でこれからジブラロールの法で動き始めるわ。」
アルデアは虚空を見つめながら呟く。
「ジャシールはジブラロールの管轄になるわこれから里に奴隷狩りをする者も居なくなるわよ。」
驚く親達、良く分からず楽し気にお菓子を食べる幼女5人。
「おまたせー!」
千春が声を掛けると侍女達がカートに乗せたパフェを運ぶ。
「うあぁ!おねぇちゃん凄い!」
「チハルお姉様すごいです!」
「すごいのですー!」
「?」
「?」
ユラ、イーレン、イーナは大喜びで、ペンシエとメリーナは色とりどりのパフェを見て首を傾げる。
「ユラちゃんこれなーに?」
「ぱふぇだよ!」
「ぱふぇ?」
「あのね!あのね!あまくてつめたくてふわふわでとろとろなの!」
「ユラちゃんおちついて!」
イーレンは苦笑いでユラを窘める。
「ペンシエちゃん、メリーナちゃん、沢山食べてね♪」
千春は子供達の前にエベレストパフェを置くと、大きなスプーンと取り皿を並べる。
「出来れば上の方から取ってね、下から掘っちゃうと崩れちゃうかもだからね♪」
「「「はーい!」」」
ユラ達は元気よく手を上げ、ペンシエとメリーナはキョトンとした顔で頷く。
「シエちゃん、リーナちゃんユラがとってあげるね!」
ユラはテーブルの前に立つと自分の背丈ほどの高さにスプーンを突き刺す。
「ユラちゃん!お皿わたしがもつよ!」
イーレンはユラから皿を受け取ると、ユラは両手でアイスクリームと生クリームを掬い皿によそう。
「イーナもお菓子を乗せるのです!」
器用にお菓子を掬い上げお皿にトッピングするイーナ。
「はい!ペンシエちゃん♪」
イーレンはお皿をペンシエの前に置くと、次はメリーナの皿を手に取る、ユラはそれを確認すると再度クリームを掬い上げる、そしてイーナは同じ様にお菓子をトッピングする。
「あまいにおい。」
鼻をピクピクとさせ、狐耳も同じくピクピクさせながら呟くペンシエ。
「はい!メリーナちゃん!」
「ありがとう。」
「レンちゃん!ユラのお皿もとって!」
「はーい!」
ユラは皆のお皿へモリモリにプチパフェを作り上げるとやり切った感を出しながら座る。
「チハルおねぇちゃんもうたべていい?」
「いいよ~♪」
「シエちゃん、リーナちゃん、手をあわせて。」
「こう?」
「こう?」
「うん、それで、たべる時は『いただきます』って言うの。」
「いただきます?」
「いただきます?」
「うん!」
ユラがそう言うとイーレン、イーナも手を合わせる。
「「「いただきます!」」」
「「いただきます。」」
幼女達は挨拶するとスプーンでパフェを取り口に入れる。
「んー!」
「んー!」
「んー!」
「!?」
「!?」
両手でほっぺをプルプルしながら嬉しそうにする3人、そしてペンシエとメリーナは目を見開き驚く。
「おいしー!」
「あまーい!」
「こっちはあいすくりーむだよ!」
ユラはイチゴ味のアイスクリームを指差すと、ペンシエはそっとスプーンで掬う、そして口に入れる。
「つめたい!」
「おいしいね!」
満面の笑みになるペンシエとメリーナ、その姿を見るJK軍団。
「うん、やっぱり幼女は笑顔が一番だ。」
「ほんと、メリーナちゃんの絶望した顔なんてもう思い出したくないわ。」
「そんな酷かった?」
「もう、過去一酷かった。」
「うん、ほんとソレな、でも良かったよ、美味しそうに食べてくれて。」
JK達はウンウンと頷きながら呟く。
「チハルさーん!次持って行きまーす!」
「はいはーい!次はお母様達の所ねー!」
「了解でぃーす!」
モリアンは倒さない様にそ~~~っとカートを押しながらパフェを運ぶ、そして親達とマルグリット、アルデアの所に運ぶ。
「凄いわね。」
アルデアは思わず声を上げる。
「チハル様、アイトネ様の分もご用意出来ましたが。」
「ほいほい!アイトネー!」
『はぁ~い!あなたのアイトネよ~♪』
「いや、私のじゃないから、見てたよね?」
『もちろん!』
ニッコニコのアイトネは両手を握りながらフリフリと踊る。
「アイトネ、今日はありがとうね。」
『♪』
千春が言うと頼子達もアイトネを見ながら頷く、アイトネはニコッと笑みを皆に飛ばすとササっと席につき、取り皿を持たず直接パフェを食べ始めた。
「・・・そのまま行くのね。」
「1人で食べる気満々だねぇ。」
「流石暴食の女神。」
頼子は思わず呟くが、アイトネは気にせずバクバクと口に入れる。
「あ、それ初めて聞いた。」
「初めて言ったもん。」
「ウチらの分も出来てるよー!」
「おっとぉ!私達も食べよう!」
「たべよたべよ!」
JK達はそう言うと自分達のテーブルに大きなパフェを置く、そして声を揃えて挨拶をした。
「「「「「「「いただきまーす!」」」」」」」」」
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