帰ってパフェでも作ろうか!
「千春、皆は一度戻ってなさい。」
大樹はそう言うとロイロに地上へ降りるよう指示する。
「なんで?」
「国を落とすと言う事は・・・色々あるんだよ。」
「そうだな、子供達は一度戻った方が良いだろう。」
大樹の言葉に勇も頷く。
「ハル、終わったら連絡するから子供達を頼んだ。」
「分かったわ、千春戻るわよ。」
「はーい、みんな戻るってー。」
「うぃーっす。」
「りょ~♪」
JK達が言うと春恵は手を振る、そしてロイロとパパさんズを残し皆は里へ戻った。
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「ただいまー!」
「おかえりチハル。」
「おねぇちゃんおかえりなさい!」
「チハルおねえさまおかえりなさい!」
「おかえりなさいなのです!」
マルグリットと幼女達が千春達を迎える。
「どうだった?」
「ちょっとだけ兵士さん達が居ましたけどすぐ撤退して、お城までノンストップでした。」
「そう、タイキさん達は?」
「ロイロと残りました、国を落とすと言う事は色々あるとかなんとか。」
「そうね。」
ニッコリ微笑みマルグリットは頷く。
「お父さん達すぐ帰って来るのかな。」
「時間が掛かると思うわよ。」
「やっぱりそうなんです?」
「えぇ、エイダンが向かった時点で色々な処理が有るもの。」
「大変なんですね~。」
「国を落とす事を考えると物凄く楽な物よ、戦闘も無く城まで向かって王を捕まえたんですもの。」
「お母様良く分かりますね。」
「アルデアが教えてくれたもの。」
マルグリットはアルデアを見ると、アルデアはニコッと微笑む。
「今ジャシールの貴族を集めてるわね。」
「流石諜報のプロですにゃぁ。」
千春は腕を組み考え始める。
「う~ん・・・。」
「どうしたん千春。」
「ん~、どうしよっかなって。」
「何が?」
「お父様もユラのパパママに挨拶したいって言ってたし、帰って来るまでどうしようかなぁ~って。」
「暫く帰って来ない感じなのかな?」
頼子はそう言うとアルデアを見る。
「そうね、今日は無理かもしれないわよ。」
「えぇ~!?マジでー!?」
「一度帰る?」
「そうだね、日を改めるかなぁ、色々ありすぎたもんね。」
「ユラちゃん、もう少し後でも大丈夫かな?」
「うん!だいじょうぶ!」
ユラはマルグリットの腕に抱き着きながら返事をした。
「・・・そうだ!」
千春は手をポンと打つと春恵を見る。
「おかぁさん!ペンシエちゃんとメリーナちゃん連れてきたいんだけど!」
「呼ぶの?」
「うん!お母様!あの2人と親御さん王宮に招待して良いですか?!」
「良いわよ?」
「やった!」
嬉しそうにガッツポーズをする千春にJK達が話しかける。
「なに?さっき言ってた美味しい物食べさせたいってやつ?」
「言ってたね。」
「美味しい物かー、こっちの国の食事ってやっぱりアレなのかな?」
「食材の味が良く分かる塩味料理じゃね?」
頼子達の言葉にウンウンと頷く千春、そして春恵にお願いしペンシエとメリーナの家へ飛んで行った。
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「ただいま!」
「おかえり~千春。」
「ペンシエちゃんとメリーナちゃんつれてきた~♪」
両手に幼女を連れ嬉しそうに言う千春。
「リリが外にフェアリーリング作ってるからいつでも戻れるよん。」
麗奈はサムズアップしながら千春に伝えると皆はゾロゾロとフェアリーリングに入る。
「氏族長さん、また来ますんで!」
「チハル王女殿下、マルグリット王妃殿下、有難うございました。」
深々とお辞儀をしながら礼を言うトゥルソ氏族長。
「ユラの里ですもの、何か有れば直ぐに駆け付けますわ。」
「フェアリーリングも有りますからいつでも来れますし!ご飯食べたらまた戻ってきますから♪」
ペンシエとメリーナ、そして2人の親もフェアリーリングに入る。
「リリ!いいよー♪」
「いっくわよー♪」
「そーれ!」
リリとルル、ポポとクゥクゥの妖精4人はフェアリーリングを光らせるとジブラロールへ飛んだ。
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「うわぁ!すごぉい!」
目を見開き驚くペンシエ、メリーナも同じく驚きながら頷く。
「凄い木・・・。」
ペンシエの母親は大きな桜を見ながら呟く。
「本当に凄い。」
メリーナの父親は口をポカンと開けたまま桜を見上げる。
「それじゃこっちに来てくださいねー♪」
千春はペンシエ、メリーナ家族を部屋に招き入れるとアイテムボックスからエプロンを取り出す。
「チハル何を作るの?」
アルデアはマルグリットと一緒にソファーに座ると問いかける。
「えべれすとパフェだよ♪」
「えべれすと?」
「そ、えべれすと。」
「なにそれ。」
「えっとねー、あっちにある大きな山。」
ざっくりと説明する千春。
「アレじゃん?マンガであったパフェ?」
「ソレ!」
美桜の問いかけに嬉し気に答える千春。
「面白そう♪」
「私も作る♪」
「うちも~♪」
「みんなで作ろう!」
JK達もエプロンを着けると厨房へ入る。
「さて、大量の生クリームとアイスクリーム、あとはお菓子と果物だね。」
千春のアイテムボックスと頼子の影収納から次々と材料を取り出していく。
「・・・思ったより少ないかな?」
ストックしてある生クリームを見て呟く千春。
「王宮の厨房にあるんじゃね?」
「お菓子も足りなくない?」
「ちょっと足んないかもね。」
「はーい!お菓子買って来まーす!」
「それじゃ私はルノアーさんの所行ってくるわ。」
「私もお菓子班!ヨリ行こう!」
「おっけー、千春は生クリームヨロ!」
「チハル、うちも手伝うわ。」
「あ!ヨリ!アイスも買って来て!」
「チョコ?バニラ?どれくらい?」
「色々!大量に!」
「了解っ!」
美桜と頼子はそう言うと日本に戻り買い物へ、千春と大愛はルノアーの元へ向かう。
「私は果物でも取りに行くかな。」
「何処に行くの?」
「ん、妖精の森。」
当たり前の様に言う麗奈。
「おぉ~私も行くわ。」
「私も行きたい!」
「手伝うよ!」
青空、日葵、花音も手を上げる、そして4人はリリと一緒に妖精の森へ向かった。
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「あっちはどんな感じかしら。」
マルグリットはアルデアに問いかける。
「今広間で貴族達に話をしているわ。」
「荒れてない?」
「荒れるわけ無いわ、ドラゴンが周りを囲んでいるのよ?」
クスクス笑うアルデア、そして。
「ジャシール王が連れて来られたわ。」
「タイキさん達は?」
「別の部屋で待ってるわね。」
そしてアルデアは部屋の状況を話しながら言葉を止めた。
「・・・。」
「・・・。」
マルグリットは今から起こるだろう事柄を思案しながらアルデアの言葉を待つ。
「終わったわ。」
「そう、貴族達はどう?」
「喜ぶ者、顔面蒼白な者、色々ねぇ~、1つ言える事はあの国王は王の器では無かったって事ね。」
アルデアは部屋に転がる王の首を見ながら呟く、そしてエイダンを見る。
「エイダン陛下、流石ね貴族に掛ける圧が凄いわ。」
「でしょう?私が惚れた男ですもの。」
「普段の陛下を見てる私としては、こんな格好良い陛下は新鮮だわ。」
「ギャップが良いでしょ。」
「そうね。」
クスクスと笑う2人。
「ハルさん大丈夫?」
春恵は遠見で同じく見ていた、そして口を押え泣きそうだ。
「異世界なのね・・・。」
「えぇ、この世界のルールなのよ。」
「ハルさんの国だと人を殺す事なんて無いのよね。」
「無いわ・・・。」
「冒険者をしていると盗賊や悪漢を切り捨てる事もあるわ。」
寂し気に答えるマルグリット。
「もう大丈夫よ。」
気を取り直した春恵は笑みを浮かべ答える。
「チハル達にはこの経緯は言わないでおきましょうね。」
アルデアはマルグリットに言うと、マルグリットも頷き話す。
「あの子達にこんな血生臭い事言えないわ、出来れば・・・いえ、関わらせてはダメね。」
「そうしてもらえると有難いわ。」
マルグリットとアルデアは春恵を見ながら頷いた。
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