メリーナパパママを治しに行くよ!

「「「「ヒール!」」」」

 頼子、麗奈、大愛、日葵はメリーナの母親と父親に回復魔法を掛ける。


「凄い・・・手が。」

「足が、足がもとに戻った・・・。」

 2人は自分の手足を見ると改めて娘のメリーナを抱きしめる。


「有難うございます、ありがとうございます。」

「お嬢さんありがとう、娘を連れ帰り私達の手足まで元に戻して頂けるとは。」

「いえいえ!成り行きとはいえユラの里の事ですから!」

「ユラ・・・ヴィユラですか!?」

「はい、今ジブラロールで私の妹をしてるんですよ♪」

 氏族長の家で待っているユラの事を思い出しながら微笑む千春。


「あの時・・・3人が消えヴィユラの両親は森で力尽きていました。」

「はい、聞いています。」

「ヴィユラはジブラロールで・・・生きていたんですね。」

 2人はメリーナを抱き締めながら話す。


「さて、それじゃ次は~。」

「ユラのパパママ?」

「いや、その前にジャシールの処理かな?」

「あー、エイダン王様が動いてるって言ってたね。」

「うん、私も手伝いたいからね。」

 そう言うと千春はメリーナに手を振り外に出る。


『それじゃ戻るわよ~♪』

「よろ~♪」

 アイトネが手を振ると氏族長の家の前に移動する面々そして同じくして春恵が現れ後ろには沢山のドラゴンと騎士団、そして。


「千春!」

「お父さん!なにしてんの?」

「エイダンさんに協力しようと思ってね。」

「何の?」

「ジャシール国を落とすんだよ。」

「マ?」

「うん、マだよ。」

「どうやって?」

「まずは国王を落とす、その後は・・・。」

 大樹はそう言うと説明を始めた。



-----------------------



「もうお城ぶっ壊したら?」

 話を聞いていた千春は面倒だなぁと思いながら呟く。


「いやいや、千春が助けたペンシエちゃんの保護してた貴族とか居るかもしれないよ?」

「あー、良い人だったねあの人。」

「うん、まずはそこの選別だね。」

「奴隷解放は?」

「その後になる、むやみに開放宣言をすれば奴隷にされた獣人や精霊族が暴れるかもしれない。」

「・・・そうかぁ、そりゃそうだよねぇ、今まで迫害されてたのに自由になったら仕返しするよねー。」

「それにね、仕返しを恐れて殺す者も出てくるかもしれない、この件は慎重に行かないとダメなんだよ。」

「そっか、王様を冥界送りにして解放したよー!じゃダメなんだ。」

「ダメではないけれど、それだと国が崩壊してしまう、ジブラロールの領地にするか、属国にするのか、独立国家として立ち上げ直すか、そこもこれから考える必要があるんだ。」

「・・・うん・・・ソウダネ。」

「チハル~考えるのやめたでしょ~。」

 千春の返事を聞いた美桜がジト目で千春を見る。


「うっ・・・私には無理。」

「ウチも無理だけどぉ~。」

「お父さん達に任せよう!」

「そうだね!うちらには無理だわ!」

「パパ、私達が手伝う事ある?」

 千春達が考える事を放棄すると麗奈は父啓治に問いかける。


「あぁ、まずはジャシール国の国王を落とす、それは確定なんだ、その後になるけれど皆の前に出る時に協力してくれれば大丈夫だよ。」

「危なくない?」

「それは大丈夫らしいよ?」

 啓治はそう言うとペット達を見る。


「まかせろ、誰一人指一本触らせねえよ。」

「僕も全開で結界張りますから!」

「わっちも怪しいヤツぁ全部影にぶち込んじゃる。」

「儂らがついておる、誰一人手を出せるヤツなんぞおらんじゃろ。」

 楽し気に言うペット達、そして同じく気合が入った者が居た。


「チハルちゃん達は私が守るわよ!」

「ルクレツィアさん・・・気合入りすぎてません?」

「入るに決まってるわ、あの糞ボケ国王をヤレるのよ?」

「ルク、落ち着きなさい。」

「メグ!落ち着いてるわよ!」

 マルグリットに言われるが、闘志をみなぎらせるルクレツィア、するとエイダンが話始める。


「ルクの気持ちは判る、あ奴は王になる前から気に入らぬヤツじゃったからな。」

「あ、知り合いなんですか?」

「知合いたくも無かったのぅ、冒険者時代にやり合っただけじゃが、あの時息の根を止めておくべきじゃったなぁ。」

「ほんっとそう!エイダンとゲルダムが止めなかったらトドメ刺せたんだから!」

「他国とは言え次期王を冒険者が殺せるわけにはいかんじゃろうが。」

「良く罪になりませんでしたね。」

「はぁ・・・儂がジブラロールの第一王子だと言わなければ皆クビが飛んでおるわ。」

 深い溜息を吐くエイダン、その苦労した様子を見て千春は苦笑いだ。


「それじゃいきなり王様の前に行きます?」

「いや、暗殺するつもりはない、正面から行く、無駄に死人を出す必要は無いが国が落ちる事を知らせる必要が有るからのぅ。」

「あー・・・やっぱり面倒なんですねぇ。」

「うむ、事が済めば連絡をする、それまでは待機してもらって構わぬよ。」

 エイダンはそう言うと立ち上がる。


「さて、それでは向かうとするか。」

「はっ!此方へ。」

 エーデルに言われ外に出るエイダン、竜騎士団や騎士団がずらりと並ぶ。


「向かって来る者に遠慮は要らぬ。」

 エイダンが言うとママドラが首を下ろす。


「さ、行きましょうか♪」

 楽し気に話しかけるママドラ。


「うむ。」

『それじゃジャシール国の前で良いのね?お城の前でも良いわよ?』

「見せつける為にもジャシール国を突き抜ける必要が有ります故。」

『おっけ~♪いくわよ~♪』

 そう言うとアイトネはいつもの様に皆を飛ばした。



-----------------------



「おかぁさ~ん。」

「なに?」

「私も行きたい。」

「なんで?」

「見学的な?」

「呼ばれたら行くでしょ?」

「そうだけどぉ、竜騎士団が国に突っ込む所見たい!」

「えぇ~?」

 春恵は千春の爛々とした目を見て溜息を吐く、すると頼子も声を上げる。


「ハルママ!私も見たい!ほら!空から見学するから!」

「ハル、俺達もついているんだ大丈夫だぞ。」

「ウチもエーデルさんが活躍する所見たい!」

「私もーホーキンさん活躍する所見たいなー、怪我したら助けれるし!」

「怪我しないっしょ、ホーキンさんレフトに騎乗してたじゃん。」

「うちも見たいな。」

 JK達はそう言うと春恵は大樹を見る、するとパパさんズも言い始めた。


「・・・俺も見たいな。」

「見たいよな。」

「でも俺達箒持ってねぇんだよ。」

「千春!ゴンドラ持ってきてない?」

「ゴンドラはビェリーが持ってるよ。」

「あるばーい。」

 ビェリーは影からゴンドラを取り出す。


「はいはい、それじゃロイロちゃんお願い出来る?」

 諦めた様に春恵はロイロに言う。


「任せるがいい。」

 ロイロはドラゴンになりゴンドラを掴む、パパさんズはゴンドラに乗り込み千春達は箒に跨る。


「それじゃお母様行って来ますね!」

「気を付けなさいね、空とは言え魔法や矢が飛んで来るかもしれないから。」

「はーい!」

「おねぇちゃんいってらっしゃい!」

「ユラ、イーレン、イーナ後で呼ぶらしいからゆっくりしてなねー。」

「「「はーい!」」」

 手を振る幼女達に千春達は手を振る、そして春恵は苦笑いしながら皆をジャシール国の大きな壁が見える所へ移動した、そして移動し直ぐに目に入ったのはママドラとドラゴン達が魔法を口から飛ばす所だった。



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『エイダン国王アレ壊す?』

「そうじゃな、逃げ遅れたヤツは運が無かったという事じゃ、やってくれ。」

 羽ばたきながらママドラは街を囲う壁と大きな門を目にする、そして門を見つめると魔力を込める。


『あなた達!派手に行くわよ!』

 ママドラが声を掛けると並んだドラゴンも魔力を溜める、そして放たれた魔力は門や壁を次々と破壊していく。


ドドオドドドオドドドドドドオオン!!!!!!


「こりゃ凄いのぅ。」

「陛下、兵士が逃げ惑っておりますが。」

「うむ、無視して良いじゃろ、地上に降りて街を通るぞ。」

「時間を与えて宜しいので?」

「逆じゃ、時間を与えておるのだ、儂らが城に辿り着いた時にあ奴がどう対応するかでこの国の未来が決まる。」

「はっ、それでは。」

 竜騎士団は騎士団を囲む様に、そして空にも竜騎士が数名飛びながらジブラロール軍はジャシール王都を突き進んだ。







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