ペンシエママを治しに行くよ!
「国王陛下!準備が整いました!」
第一騎士団団長のエーデルは騎士を並べ報告する。
「急な招集すまんな。」
「いえ!問題御座いません!」
エイダンはそう言うと騎士団を見渡す。
「うむ、第二騎士団、第三騎士団からも出したのか。」
「はっ!第一騎士団の獣人騎士だけでは少ないかと。」
「よし。」
騎士団は竜騎士団と一緒に並ぶそして。
「エイダン国王♪私も行くわよ。」
「ママドラ殿も?」
「えぇ、陛下の騎乗は私じゃないとね♪」
パチリとウインクするドラゴニュート姿のママドラは楽し気に答える。
「儂が行くのが良く分かったのぅ。」
「彼女に聞いたのよ。」
そう言うとママドラの後ろから現れたのはルクレツィアだ。
「エイダン、あの時の事をまだ考えているんでしょう?」
微笑みながらルクレツィアはエイダンを見る。
「あぁ、あの時・・・あの国を止める事は出来なかった、そしてあの子達を救えなかった。」
「しょうがないわよ、あの国は獣人を家畜・・・いえ、ゴミとか思って無いもの。」
「あぁ、儂らは冒険者じゃったからのぅ、ルクは我慢しなかったがな。」
「あら?メグもよ?」
「・・・今日は遠慮なく暴れても良いぞ。」
「あの国を奪うの?」
「うむ、距離は在るが隣国だ、それにメラディオや旧帝国も問題無い、やるなら今じゃ。」
ルクレツィアは楽し気に話すと周りを見渡す。
「・・・これで落とせない方がオカシイわよね。」
「ママドラ殿1人で充分なんじゃがなぁ。」
「でも必要なんでしょ?」
「うむ、過剰と言われても構わん、圧倒的武力を見せて黙らせる。」
エイダンはそう言うとパパさんズの所へ移動する。
「待たせた、こちらの準備は出来たぞタイキ。」
「いえ、こちらも良い具合に話が終わりました。」
「それで?計画はどのような?」
「エイダンさんは王を引きずり下ろすだけで大丈夫です、竜騎士団や騎士団は城を包囲ですね、まぁ~この面子に攻撃してくるバカは居ないでしょうが。」
並ぶ竜騎士を見て思わず笑みを浮かべるパパさんズ。
「あとは事が済んだ後だな。」
「今日全て終わらせる必要は無い、王が没し、ジブラロールの配下に入る、まずはその周知だ。」
「混乱する前にユラちゃん達を表に出すんだな。」
「そこはあの魔道具とハルに手伝ってもらうから。」
そう言うと大樹は立ち上がる。
「それじゃ行こう。」
大樹は春恵を見るとニッコリ微笑む、そして皆は庭に出ると、ユラの里へ飛んだ。
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「えぇぇ・・・そう言う事になったんですか?」
「そう言う事。」
千春達は帰って来るなりマルグリットから説明を聞き驚く。
「ユラ達全員聖女って内緒に・・・。」
「する予定だったわ、でも事が事ですもの、遅かれ早かれ皆に伝える事よ。」
「ま、ウチらも全員聖女になったしいんじゃね?」
美桜は楽し気に新聖女の4人を見る。
「なったものはしゃーないんじゃー!」
「ヨリ1人で回復してるのを見続けるのは無理だったわ!」
「確かに、助けられるならもうイイやってなったわ。」
大愛と日葵はユラ、イーレン、イーナと話をしているペンシエ、メリーナを見る。
「この子達を親に渡しに行きます?」
千春は氏族長のトゥルソを見ながら言う。
「少し離れております、馬車を準備しましょう。」
「あ、それは大丈夫ですよ私達飛んで行けるんで。」
「子供達は俺達が運べば良いだろ。」
「儂が運んでも良いぞ?」
『あら、私が連れて行ってあげるわよ、場所はもう分かってるし♪』
「いいの?」
『いいわよ~♪』
「あー、その目は報酬楽しみにしてるって感じだなぁ。」
『・・・ソンナコトナイトオモウワヨォ?』
「はいはい、久しぶりにパフェでも作りますかねぇ~。」
そう言うと千春は子供達を見る。
「辛かっただろうからなぁ、美味しい物食べさせてあげたいんだよね。」
ペンシエとメリーナを見る千春。
「ペンシエちゃん、メリーナちゃん、お父さんとお母さんの所行こうか。」
「うん。」
「はい!」
2人は嬉しそうに声を上げる。
「あ!」
「どした?ヨリ。」
「いや、確か両親って怪我してんだよね?」
「そうだったわ!」
「見せても大丈夫なの?」
「・・・トゥルソさんどうなんです?」
「皆も会いたいと思いますので大丈夫だと。」
「了解、それじゃアイトネお願いしていい?」
『おっけー!それじゃ行くわよー!』
アイトネはそう言うと誰が行く等も決めてないのに人を飛ばす。
「うぉぅ!」
『到着!』
「アイトネ、準備くらいさせてよぉ。」
千春は文句を言いつつも感謝しながら周りを見る。
「家だ。」
「あの家かな?」
ユラ達と手を繋いでいたペンシエは家を見ると駆け出す。
「ペンシエちゃん!」
イーレンは声を上げるが一目散に家の前に行くと扉を開くペンシエ。
「おとーさん!おかーさん!」
「シエ!?」
「おかーさん!!!」
ペンシエは母親を見つけると抱き着く。
「シエ!!シエ!!!本当にシエなのね!!!」
「おがーざーん!!!」
もう離さないと言わないくらいにペンシエは母親に抱き着く、母親も頭を撫でながら名前を呼び続ける。
「おかーさん・・・手。」
ペンシエは母親の左手が無い事に気付く。
「怪我しちゃったのよ。」
笑みを浮かべる母親は優しくペンシエに言う、すると扉から千春達が顔を出す。
「こんにちわ~。」
「ペンシエちゃんお母さんに会えて良かったね。」
千春と美桜は嬉しそうに声を掛ける。
「貴女達は・・・。」
「ペンシエちゃん救出部隊です!」
「です!」
「シエを助けて頂いたのですか?!」
「はい♪」
「それとお母さんの手を治しに来ました!」
美桜はニコニコと笑みを浮かべながら答える。
「無理なんです・・・私の手は肘から先が有りません、上級ポーションでも厳しいと思います。」
「大丈夫ですよー、欠損部位復活は経験済なので♪」
千春はそう言うとアイトネを見る。
「とっておきで!」
『♪』
千春の思考を読んだのかアイトネは手を振るとJK達に光りに包まれる。
「おぉ!また来た!」
「みんなでやればイケるね!」
「ペンシエちゃんのお母さんは私達がやるわ、麗奈達はメリーナちゃんの方お願い。」
「おっけ。」
「ミオ、ソラ、カノン、良い?」
「うぃっ!」
「まかせろ~。」
「生えろで良いんだっけ?」
「そんな感じでOK。」
千春はそう言うと母親の前に行く。
「それでは、回復魔法を掛けますので。」
千春が言うとペンシエは母親の横に座る、母親は半信半疑だが真剣な眼差しの千春達を見つめる、そして腕を出した。
「いっせ~の!」
「「「「ヒール!」」」」
掛け声を合わせると皆は魔法を発動させる、すると母親の腕は盛り上がるように肉が付いて行くそして。
「腕が・・・。」
「はい!大成功!」
「次!次行くよ!」
「MP大丈夫そ?」
「うん、全然余裕、でもアレ飲んどこう。」
千春達はワイワイと話ながらアイテムボックスと影から取り出したペットボトルをグビグビと飲む。
「っぷはぁ!」
「これ味付けした?」
「したよ、世界樹の実絞って入れてる。」
「なにそれ最強ドリンクじゃん。」
「チハル!メリーナちゃんの家行くよー!」
「ほーい!それじゃペンシエちゃん、お母さんとゆっくりしててね!」
千春はそう言うと家を飛び出した。
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