異世界で寛ぐ神々と通常運転JK!
「ただいまっ!」
「お帰り千春、あら?カグヤ様と一緒なの?」
「うん、送ってもらった~♪」
「おじゃましまーす。」
千春と迦具夜比売命は異世界に入ると春恵に話しかける。
「カグヤ様皆さんお待ちですよ。」
「あら、もう?」
迦具夜比売命はそう言うと応接室を通り庭に出る。
「はぁ~すご~い。」
「カグヤ!こっちこっち!」
神社の前に絨毯を敷き、座布団にちゃぶ台のようなテーブルを広げた所に座る宇迦之御魂が手を振る。
「・・・え?」
千春は見た事の無い人も居た為思わず声が出る。
「おかぁさん・・・だれ?アレ。」
「・・・かみさま。」
「・・・だろうね!で?誰が誰!?」
「恐れ多くて聞いてないのよ。」
「神様ぱわーで誰が誰ってわからないの?」
「あんな上位管理者なんて鑑定出来ないし思考も見えないわよ。」
「全員上位管理者なんだ・・・そっか・・・うん私は見なかった。」
ウンウンと頷きながら千春はソファーに座ると皆もソファーになだれ込む。
「うぁぁ!お腹苦しい!」
「ヤバかったわぁ。」
「ねぇ、外楽しそうなんだけど。」
チラリと窓の外を覗く花音。
「あ~・・・見た事無い人いるね。」
「人じゃ無いんだろうなぁ。」
美桜と麗奈は真顔で外を見ながら呟く。
「後で挨拶したらいいよ、そーれーよーりー!」
千春はそう言うとビェリーを見る、ビェリーは子供の姿になると影から買い物袋を次々と取り出した。
「これがヨリのばーい、これがミオー、これはダイアー。」
大きく「大入り」や「福袋」等書かれた紙袋を取り出すとテーブルに並べると皆は袋の中身を広げワイワイと騒ぎ始めた。
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「磐長姫様お久しぶりで御座います。」
「お久しぶりね迦具夜比売命。」
「カグヤで構いませんわ。」
「あら、私もイワで良いわよ♪」
「そんな恐れ多い。」
「おう、久しぶりだなカグヤ。」
「お久しぶりで御座います、須佐之男命様。」
「スサノオ、そんなに圧を掛ける物ではありませんよ。」
「かけてねぇよ、なぁアマテラス。」
「かけてるわよ、ツクヨミの爪の垢でも飲みなさいな。」
「はっ!ツクヨミ!爪の垢あるか!」
「ありませんよ、綺麗にしてますから。」
「姉様、どうですか?この世界。」
「素敵ね、この桜とっても綺麗、それにこの魔力は心地いいわ。」
木花咲耶姫の姉、磐長姫は目を細めながら大樹の桜を見つめる。
「酒は無いのか?」
須佐之男命はニヤリと笑みを浮かべながら天照大御神を見る。
「・・・まったく、ほんっとあなたはそればっかりね。」
「酒の嫌いな神はいねぇだろ。」
天照大御神に言われ須佐之男命はブツブツと呟いていると鳥居からもう一人現れた。
「皆様お集まりでしたか。」
「おう!天手力男命!」
「さて、皆揃いましたわね。」
天照大御神はそう言うと皆の前に立つ。
「アイちゃ~ん。」
『は~い。』
「おぉ、べっぴんさんだな!」
『あら、有難うございます♪」
「スサノオ、この方を怒らせたらいけませんよ?」
月読命はアイトネに頭を下げ須佐之男命に言う。
「分かってるよ、アマテラスの同郷か?」
「えぇ、そうよ、+々6^2♪<7\☆○の世界を管理しているアイトネよ。」
『アイトネと申しますわ♪アイちゃんって呼んでね♪』
重い空気を払拭するようにアイトネは軽く自己紹介をした。
「それで?例の餅やら何やらは?」
「それはあの子、日本の女子高生でこちらの扉の登録者、藤井千春ちゃんが持ってるわ。」
「へぇ・・・ん?あの娘・・・女神の愛し子じゃねぇか。」
「そうよ、だから手を付けちゃだめよ?」
「つけねぇよ、それにあの周りにいるヤツら・・・本当に土地神か?そこらの神よりヤバいぞ?」
「あぁ、特にあの奥に座っている龍神はヤバい、俺でも苦戦するな。」
天手力男命はのんびりとテーブルに居るロイロを見ながら呟く。
「今この世界を知っている管理者に集まってもらったのだけれど。」
天照大御神はそう言うと皆を見回す。
「居心地は良いが他神のテリトリーだ、来る時は制限を掛ける、これがルールだ。」
「えぇ、それさえ守ってくれれば問題無いわ、ね?アイちゃん。」
『いつでも遊びに来て良いわよ、そうそう、チハルの温泉旅館なんて最高だから是非遊びに行ってね♪』
「ほう?温泉が有るのか、いいな。」
「温泉ですか、良いですね。」
「俺も入りたいな。」
男神三柱は嬉しそうに話す。
「それであの新しい管理者はアイトネの眷属か?」
『眷属では無いわ、あの門を管理してもらってるけれど、バグの回収も出来るようになったわ。』
「へぇ~。」
感心しながら須佐之男命が春恵を見ていると、テクテクと千春が歩いてくる。
「こんにちわ!」
「お?」
「あ、あけましておめでとうございます?」
千春は首を傾げながら挨拶を言い直す。
「おう、おめでとう、お前が千春か。」
「はい!えっと、どちら様です?」
「俺は須佐之男命だ、聞いた事くらいあるだろ。」
「え?マ?」
「おう。」
「たしか・・・アマテラス様の・・・兄?弟?」
「お?それも知ってんのか?」
「なんとなく本で読んだので。」
「私は月読命と申します。」
須佐之男命と違い、落ち着いた雰囲気で微笑みながら話す月読命。
「えー!?」
千春は驚き声を上げる。
「ご・・・ごきょうだいで・・・ございますか?」
「はい、姉、兄等の差分は有りませんが同じくして生まれました。」
「おぉぉ・・・日本の三貴神がががが。」
嘘でしょっと呟きめまいすら感じた千春はもう一人の女性を見る。
「挨拶が遅れましたね、日本では磐長姫と呼ばれてるわ。」
「私のお姉さんよ♪」
木花咲耶姫は横でニコッと微笑みながら紹介する。
「ちょ・・・アイトネ、良いの?こんなに神様来ちゃって。」
『私は大丈夫よ、ルール的にも問題無いようにしてるから♪』
「なら・・・良いのかな?いや、ヤバい気もするんだけどなぁ・・・って神様!今日お正月なんですけどぉ!?神社ほったらかして良いんですか!?」
「構わねぇよ、俺達が出来る事は限られてるからな。」
フフンと鼻を鳴らしながら答える須佐之男命。
「アメノ様おひさしぶりです。」
空気になっていた天手力男命に声を掛ける千春。
「うむ、猿も元気そうだな。」
「はい!めっちゃ馴染んでますよ♪」
「はっはっは、たまに報告来てるよ。」
「あ、報告してるんですね・・・で?何してるんです?皆さん。」
千春はスサノオを見る。
「いやぁ・・・この前貰った餅が美味かったんでな?また食べに行きたいと言ったらコイツが連れて来てくれたんだよ。」
「何言ってんのよ、連れて行かないと暴れるって駄々こねたのは誰よ!」
切れ気味に突っ込む天照大御神。
「モチ・・・食べます?」
「食べるぞ!」
「私も頂きたいですね。」
「何が良いです?」
「何って・・・色々あるのか?」
「作れば。」
「ほおぅ?何でも良いぞ?」
「・・・スサノオ様?」
「ん?なんだ?」
「あのですねぇ、作る側からするとですね?「何でもいい」が一番困るんですよ?」
「お・・・おう。」
何かしらの圧を感じた須佐之男命は言葉に詰まる。
「な・に・が・食べたいですか?」
ニッコリ微笑みながら聞き直す千春。
「・・・きな粉餅。」
「私は雑煮が食べたいですね。」
「千春さん、私は餡団子が食べたいわ。」
「はーいそれじゃ作ってきますねー♪」
ニコッと微笑み返すと千春は厨房に走って行った。
「おい、アマテラス・・・あれ人間だよな?」
「えぇ肝が据わってるでしょう?」
「普通俺達みたら平伏すもんだぞ?」
「あそこにいる子達は誰も平伏さないわよ、慣れすぎちゃって。」
アマテラスはケラケラと笑いながら答えた。
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「神様がお餅ご所望なので作ってくんねー。」
千春は部屋に戻ると声を掛ける。
「お?!あれやっぱり神様だった?」
「うん、スサノオ様とツクヨミ様、あとあの女性はサクヤ様のお姉さんのイワナガヒメ様だってさ。」
「イワナガヒメ様は知らないけど・・・流石にスサノオとツクヨミは知ってるわ。」
「ほほー、チハル手伝うよ。」
「何作んの?」
「モチ!」
「モチでなにすんの?」
「きな粉餅と餡団子、あとは昨日作った汁で雑煮だよ。」
「んじゃきな粉作るわ!」
「餡団子任せろ!餡子包むの上手になったんだよ!うち!」
皆はそう言うとワイワイと厨房に向かいお餅料理を作り始めた。
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