石田と南の初詣!
「餡子餅うめぇ~。」
「でっしょぉ、うちが作ったんよ。」
青空は大福を食べながら言うと大愛は踏ん反り返りながら自分も口にする。
「ウチはきな粉餅~♪」
「スサノオ様ご所望の餅だからね、美味しいよね。」
「ま、ウチが作ったんですけどね?」
キャッキャと餅を食べながら話す美桜。
「あれだけバイキングで食べたのにまだ食えるこの胃袋すげぇな。」
「まぁこんな時間だし、でも晩御飯は無理だな。」
「で?神様達帰ってくんの?」
「さぁ?温泉行ったから食事くらいして来るんじゃね?」
餅を食べ、酒だ酒だと言い始めた男神を引き連れ神様一同はアイトネが温泉旅館へ連れて行った。
「雑煮も美味しいね。」
「そりゃぁおばぁちゃんが作った出汁だもん。」
頼子の言葉にドヤ顔で答える千春。
「チハル!儂らも呑んでもいいんじゃよな?」
「ん、日も暮れたし良いよ。」
千春は日本酒を取り出すとテーブルに置く。
「ほう?これは何じゃ?」
「金粉だよ、お正月のお祝い仕様らしいよ。」
「目出度い時に飲む酒だ、俺も正月はお種婆さんがお神酒で持ってきた酒を呑んでたぞ。」
「そう言えばルプ、社の中で呑んでるおじさん達ってアレ良いの?」
「構わねぇな、祝い事の事でケチ付ける程細かい土地神じゃねぇからな。」
ケラケラと笑いながらルプは狼男の姿になり椅子に座る。
「ルプ様ぁ!」
「チッ・・・。」
「ルプ、舌打ちしない。」
「ルプ様お酒呑まれるんですか?お注ぎしますね!」
「ルク、別に酌しなくてもいいぞ?」
「いえ!私がお注ぎ致します!」
ルクレツィアは庭から声を掛けると一目散にルプの所まで飛んで来た。
「愛されてんねぇ~。」
「明日はエーデルさんと遊ぶんだ~♪」
「私もホーキンさんと遊ぶ~♪」
「え?何するの?」
「日本でデートだよ。」
「マジで?私もデートしたいな。」
「行けば良いじゃん。」
「そだね、家に行く予定だし誘ってみよっと。」
明日の予定を組み始めるJK軍団、正月に行くと楽しい所をスマホで検索し始める。
「私はあっちの神社にも挨拶しとこかな~。」
千春が呟くとルプが話しかけてくる。
「カラスの所か?」
「うん、去年までルプが居た訳じゃん?」
「そうだな。」
「カラスさんもお酒呑む?」
「飲むだろうなぁ。」
「んじゃお神酒有るし持って行くかな、ルプも行くっしょ?」
「・・・別に俺はよくねぇか?」
「いやいや、代わりにあそこに居てくれてるんだよ?」
「それを言うならビェリーだろ、俺はビェリーと変わったんだからな。」
「そう言えばわっちが拉致ってきたんやった・・・。」
ビェリーは子供の姿で酒の入ったグラスを持ったまま思いにふける。
「ビェリー、私も行くから一緒に行こうか。」
頼子はそう言うと、ビェリーも「しゃーないなー。」と呟き頷く。
「どうせなら千春も旦那連れてデートしたら?」
「ん、それも有りか。」
明日の話をしていると春恵が門の部屋から現れる。
「千春、先生達来たわよ。」
「ほほい!」
「こんばんは・・・何してるの?千春ちゃん。」
「モチ食べてましたー、南せんせも食べる?」
「美味しそう♪食べて良いの?」
「いいよー。」
「こんばんは。」
「石田!あけましておめでとうございます!」
「先生!あけましておめでとうございます!」
「石田!あけましておめでとうございます!」
「あけましておめでとうございます!」
「先生!あけましておめでとうございます!」
「先生!あけましておめでとうございます!」
「お!おう!おめでとう!」
美桜や麗奈、青空達までもが一斉に石田へ挨拶をする、そして。
「・・・なんだその手は。」
「お正月と言えばー!」
「いえばー!」
「聞きましたよ!チハルから!」
「ヨリも!」
「わかるっしょー?」
JK達は石田を囲み手を出す。
「・・・はぁ、はいはい、これだろ。」
小さなバッグからポチ袋を取り出すと、石田は皆にお年玉を渡す。
「ね?言った通りでしょ。」
クスクスと笑いながら石田を見る南。
「・・・藤井、向井。」
「なんですかぁ?」
「なーにー?」
「言うなよ。」
「いやぁぽろっとね?」
「まぁ言うよね。」
千春と頼子は悪気も無く答える。
「千春ちゃん、アレが神社?」
南は暗くなってきた外を見ながら呟く。
「うん。」
「凄いわね、あんな建物が短時間で建てれるのね。」
「建てたというか・・・神様が直々に作ったと言うか・・・一瞬で出来ました。」
「ソレ!神様がってどういう意味?」
「そのままですよ。」
「お参りしたら・・・アイトネ様が出て来るの?」
「んにゃ?日本の神様が出てきますよ。」
「「は?!」」
千春が答えると、南につられ石田も声を上げる。
「に・・・日本の?」
「因みに何処の・・・あ、そう言えばルプ君やビェリー君も日本の神だったな。」
美味しそうに酒を呑むペット達を見ながら石田が呟く。
「俺じゃねぇぞ?」
「わっちも違うばーい。」
「もちろん僕もちがいまーす。」
「うっきぃ~!」
「儂は・・・ただのドラゴンじゃぁ!」
「ロイロもう酔ってるのぉ~?」
「ミカ、お前も酔ってるのか?」
「酔って無いわよぉ~?ゼルももっと呑みなさぁい。」
「ミカ、お前もう水飲んでろ。」
ペット達はワイワイと答えながら酒盛りを続ける。
「アヤネちゃん、今なら神様出て来ないかもよ。」
「え?そうなの?」
「うん、今チハルの温泉にみんなで行ってるから。」
「ミオ、結構時間経ったしそろそろ戻って来るかもよ?」
南は財布を取り出しお札を一枚抜く。
「おぉ!?万札!?」
「え?お賽銭だよね?ソレ。」
「だって本当に神様出るかもしれないんでしょう?」
「まぁ・・・可能性は限りなく高いね。」
「それならそれなりの誠意は見せないとね♪」
南はそう言うと神社の方へ歩いて行く。
「アヤネさん、俺も行きます。」
石田も財布を取り出すと1万円札を取り出す。
「健太さんもソレでいくの?」
「えぇ、俺も色々と思う事が有りますし、神様なんて・・・と思いたい所ですが、実際居ますからね。」
石田はいつものんびりとほわほわ笑っているアイトネを思い出す。
「そう言えば私達賽銭箱にお金入れて無いよね。」
「それどころじゃ無かったじゃん。」
「だねぇ、いきなりあの神様出てくりゃビックリするわな。」
コソコソと話ししながら千春達は石田の後ろを付いて行く。
「お前達はお参りしたんだろう?」
「良いじゃん、ウチらもお賽銭投げるし。」
千春達は小銭を手に取り先生2人の後ろで話す、そして神社の前に行くと千春は頭を二度下げ、パンパンと手を叩き目を瞑る。
(アイトネー。)
((はぁ~い♪どうしたのぉ~?))
(先生達来た。)
((おっけ~♪))
千春がアイトネに合図をしていると、石田と南、そして頼子達もお賽銭を投げる。
「・・・。」
「・・・。」
「「「「「「「・・・。」」」」」」」
「初々しいわねぇ。」
「ほんと、2人で同じお願い事なんて素敵ね。」
「私達が何もしなくても幸せそう。」
「「!?」」
神社から声が聞こえ石田と南は顔をガバッと上げる。
「本当に出た!」
「か・・・神様ですか?!」
「余は天照大御神じゃ。」
「宇迦之御魂じゃ。」
「迦具夜比売命で御座いますわ。」
「木花咲耶姫よ♪」
「磐長姫と申す。」
「・・・アマテラスさまぁ・・・浴衣で言われても威厳ないですよ?」
先ほどまで寛いでいたのか、日本の女神達は全員浴衣姿だった。
「ちょっと・・・千春ちゃん・・・アマテラス様ってあのアマテラス様?!」
「はい、あのアマテラス様ですよ。」
「藤井!?本当なのか?!嘘じゃなく?!」
「本当ですよー。」
千春が言うと2人は土下座した。
「おぉ・・・これが大人の反応。」
「神様見たら普通こうなんじゃない?」
「え?うちらやってなくね?」
「今更じゃん?」
「だよねぇ、普通にカフェでも会うし、なんならアマテラス様学校来たし。」
「たーしーかーにー。」
平伏す大人二人を見ながらJK軍団は好き放題話す。
「んで、なんでそんな話し方してるんです?」
千春は天照大御神に向かって話しかける。
「ほら、威厳をね?」
「その恰好で?」
「だってぇ、アイちゃんが急に来たっていうからぁ・・・ね?♪」
「神様が可愛く言ってもなぁ。」
アハハハと空笑いしながら千春は先生2人を見る。
「南せんせ、石田せんせも立って立って。」
「あ、あぁ、えっと・・・どうしたらいいんだ?」
「いや、普通にお参りして部屋戻るよ?おせち食べるっしょ?」
「そのつもりだったが・・・良いのか?」
チラッと目線を女神達に移し答える。
「アマテラス様、スサノオ様は?」
「まだあっちで呑んでるわ、お前達だけで充分だろうって来なかったわ。」
「充分って言うか過分なんだよなぁ。」
「それじゃ戻るわね~♪」
「ばいば~い♪」
「石田君、南さん、あなた達は幸せになるわよぉ~♪」
「姉さんが言うから間違いないわょ~♪」
女神達は手を振り姿を消した。
「心臓止まるかと思った。」
「私もです。」
「ねぇチハル、サクヤ様が姉さんが言うなら~って言ってたけど。」
「あ、さっき調べたんだけどイワナガ姫様って縁切りと縁結びの神様らしいんだわ。」
「縁切りも?」
「らしいよ、あと延命長寿。」
「へぇ~すっごいご利益ありそう。」
「そんな神様居たら・・・またこの姫桜に人が来そう。」
「あ、ヤバいな、内緒にしておかないとだわ。」
ポカンと神社を見る先生2人の手を引き、JK達は話しながら部屋に戻った。
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