別腹までも腹いっぱい!
「とうちゃーく!」
「食べるぞぉ!」
「やっぱケーキだよね~♪」
「ユラはぷりん!」
「私もぷりん食べたいです!」
「イーナはしゅーくりーむなのです!」
「みんな一杯たべな~。」
千春は受付に行くと名前を言う、店員は微笑みながら席に案内する。
「予約いれといてよかったわ・・・ん?」
千春はふと窓際を見ると見知った顔が並んでいた。
「・・・モリー。」
「え?モリーちゃん?」
「うん、ほら。」
千春は指を差すと、黙々とケーキを頬張るモリアンが見えた。
「ホントだ・・・サフィーちゃんも居る。」
「げぇ!ママだ!」
「ヒナねーちゃんも居るし!」
「・・・おかぁさん、アイトネも。」
千春は目を逸らし見なかったことにしようと歩き始めると声が掛かる。
「千春♪」
「・・・おかぁさん何やってんの。」
「ケーキ食べてるんだけど。」
「見たらわかるよ!」
「お母さん達まで。」
「良いじゃない、話聞いたら食べたくなったんだもん。」
「いつからいるの?」
「11時からだからあと30分で終わりよ。」
「ココ90分だったね。」
「普通90分ギリギリまで居ないけどね。」
「無限に食べれる人が2人いるから。」
千春は満面の笑みでケーキを食べるアイトネと春恵を見る。
「それじゃ私達あっちで食べてるから。」
千春はそう言うと皆を連れ席に座る、そしてすぐに皆は立ち上がる。
「さぁ!90分1本勝負!」
「ぉぅ!元は取るよ!」
「いや無理っしょミオ。」
「いやいや、レナどん、止まったらそこで負けなんだよ。」
「私勝たなくて良いから。」
皆はそう言うと皿を手に取り、食べたい物を次々と乗せていった。
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「もうむり。」
「ぎぶあーっぷ。」
「あいすくりーむおいしい♪」
「ユラちゃんちょこかけると固まっておいしいね!」
「うん!」
「イーナのちょこも固まって美味しいのです!」
キャッキャとアイスを食べる幼女組を見ながらJK軍団は微笑む。
「千春もう帰るんだよね。」
「うん、用事終わったし。」
「もう私動けない。」
「私もー。」
大愛と花音がお腹を摩りながら呟く。
「ウチも・・・これバス乗ったらヤバいかもしんない。」
「ミオ、元取れた?」
「・・・多分・・・とった・・・と、思いたい。」
ちびちびとドリンクを口にしながら答える美桜。
「うーん、帰りがダルいなぁ。」
千春がそう言うと麗奈が呟く。
「リリ、フェアリーリング・・・無理だよね。」
姿を消しつつ果物を食べているリリに問いかける。
「むーりー。」
「うん、知ってた。」
ガックリ項垂れる麗奈、千春はそれを聞いてハッと顔を上げる。
「ルプ、鳥居ワープ使えない?」
『使えるぞ。』
「一番近いのは?」
『ん~・・・知っている所なら宇迦之御魂様の神社だが、少し距離あるな。』
「知らない所は使えない?」
『使えない事は無いが、俺の権限では勝手に使えないぞ。』
「誰の権限なら?」
『その祀っている神かその眷属だな。』
「うぅ~ん、タクシー使うかぁ。」
千春は諦めつつ呟くと頼子も頷く。
「石田にお年玉貰ったし余裕あるよ。」
「は?なんで石田に貰ってんの?」
「え?ずるい!」
美桜と青空が頼子を見る。
「南ちゃんと実家に挨拶行ってたの見つけてさ、ねだったらくれたwww。」
「マジか、ウチもその場に居たかった。」
「石田今日あっち来るよ。」
「マ?!ワンチャンイケるか?」
「破産するよ?」
「人の財布事情なんぞ知らぬわぁ!」
美桜は立ち上がり、貰う気満々で叫ぶ。
「あら、何叫んでるの?」
「ほぇ?」
後ろを見ると女性が微笑みながら立っていた。
「え~~~~っと・・・もしかしなくても・・・カグヤ様?」
「え?!カグヤ様?」
千春は後ろから聞こえた声の方を見ると、フォーマルな服装で佇む迦具夜比売命が居た。
「カグヤ様なにしてるんですか?」
「え?ケーキ食べてたんだけど、ミオちゃんの声が聞こえたから。」
「・・・そんな大きな声でした?」
「私には大きな声だったわよ、コンちゃんが結界かけてるから他の人には聞こえてないと思うけれど。」
「え?コン、結界かけてたの?」
「・・・もぐもぐ♪」
コンは果物をモグモグしながら頷く。
「それで?何叫んでたの?」
「石田が、あ、学校の先生なんですけどチハルとヨリにお年玉くれたらしくてー、ウチもらってなーいって・・・話してました。」
「ウフフ、そんな事で叫んでたの?」
本当に面白かったのかクスクスと笑いながら言う迦具夜比売命。
「カグヤ様、カグヤ様の権限で使える鳥居ワープありませんか?」
「鳥居ワープ?・・・あぁゲートね、有るわよ?」
「使って良いですか!?」
「良いわよ♪私もあっちに行く予定だったから。」
「へ?」
「神社作ったんでしょ?ウカさん。」
「はい・・・作られました。」
「食事は終わったの?」
「はい、終わって苦しくて・・・。」
千春がそう言うとJK軍団は頷く。
「カグヤ様は食べ終わったんですか?」
「えぇ、一通り食べたから。」
「一通り!?」
「やっぱ神様ズルいわぁ。」
「一通り食べたら胃袋破裂するわ。」
「そんなに食べたらお店潰れちゃうんじゃないですか?」
心配そうに言う日葵に迦具夜比売命はニコッと笑い答える。
「ここってウカさんの経営なのよ。」
「「「「「「「えー!!!!!」」」」」」」
「ほら、あの店員、人じゃないでしょ?」
迦具夜比売命の見ている人物を皆は見る。
「いや、人間じゃん。」
「どう見ても普通の女性だよね。」
「分かんないよ。」
「ルプ分かる?」
『あぁ人ではないな、俺達が居るのもバレてるぞ。』
『はい、僕も目が合いましたから。』
『わっちも目あったばい、笑われたばってんが。』
「人じゃないって神様?」
『いや、千春の分かるように言うと妖怪だな。』
「マ!?」
「ココ・・・神様経営の妖怪のお店だったのか・・・。」
「ちなみにあの人・・・人じゃないのか、妖怪さんってなんて妖怪?」
千春はこそっとルプに問いかける。
『二口女って知ってるか?』
「うん、頭の後ろにもう一個口がある・・・。」
『ソレだ。』
「ひぃっ。」
『何驚いてんだ?あっちで異形は幾らでも見てんだろ。』
「・・・そういや見てたわ。」
ルプと千春が話しているとユラ、イーレン、イーナが手を合わせる。
「「「ごちそうさまでした!」」」
「よし、それじゃ帰ろうか。」
「だねー。」
「カグヤ様、鳥居ワープ・・・ゲートって遠いんですか?」
「ん~ん、そこに有るわよ。」
迦具夜比売命はそう言うと店の奥を指差す。
「・・・近すぎた。」
「次からココまで秒で来れるんじゃね?」
「ワンチャン予約もウカ様経由したら余裕じゃね?」
美桜はそう言うと迦具夜比売命を見る、迦具夜比売命はニコッと微笑み頷く。
「それじゃ案内するからついて来てね。」
「はーい。」
皆はそう言うと立ち上がる、そして迦具夜比売命の後ろを付いて行く。
「staffonlyってかいてますけど~。」
青空は扉に書かれた文字を読みながら扉を抜けると廊下を歩く、そして勝手口のような扉を通ると。
「裏庭に鳥居あるし!」
「ほんとだ、お狐様ある!」
「コン、ココ知ってた?」
「いえ、初めて見ました。」
「コンも知らない所かぁ。」
「それじゃゲート開くわね♪」
迦具夜比売命はそう言うと鳥居を見る、そして。
「はい、千春ちゃんの家に繋げたから通って良いわよ♪」
「有難うございます!」
「あざまーす!」
「はぁあぁ!たすかるぅ!」
「マジで今バスのったら吐くわ。」
「バスのってリバースってか?」
「ソラ・・・シャレにならないし面白くない。」
「・・・ブフッwww。」
「あ、ダイアにウケてる。」
相変わらず騒がしいJK達を見て迦具夜比売命は微笑む、そして皆は藤井家に直通で帰った。
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