たくらむめんめん!

「まずはジブラロールの学園を見てみたいですね。」

「話だけじゃ分からりませんからねー。」

 石田は運転をしながら言葉を返す。


「朝ごはん・・・凄かったですね。」

「アレ全部藤井が教えたって、本当ですかね。」

「昨日の夕食も全部そうらしいですよ?」

「凄いな藤井。」

「両親の居ない生活が長かったと聞いてますから。」

「凄いなぁ、俺も1人暮らしは長いけれど・・・無理だなぁ。」

 先生2人は話をしながら学校へ向かう、いつもよりも早く学校に到着すると、いつものルーティンワークを始めた。



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「今週末から冬休みじゃん?」

「クリスマスイブイブだ~。」

「何する?」

「クリパは?」

「24でしょ?」

「23は?」

「プレゼントの仕上げしないと・・・昨日何もしてない!」

「そりゃ先生来てたしなぁ。」

 JK達は登校しながら話す。


「アヤネちゃん週末来るのかな?」

「来るって言ってたよ。」

「歓迎会は?」

「昨日のが歓迎会じゃないのか。」

「あれは異世界ご招待の食事会。」

 美桜の言葉に千春が答える。


「でも2人とも真面目だよねー、ちゃんとジブラロールの教育方針とか確認してたもんね。」

「ね、アイトネ様がOK出すわけだよ。」

「お願いした手前有難いけど~・・・お礼したいなぁ。」

「千春のお礼って食事?」

「うーん、それってなんか物足りなくない?」

「足りなくなくない、千春の食事は十分お礼になると思うよ。」

「うーーーーん。」

「家をプレゼントとかは?」

「あ、それお母様が準備するって。」

「マ?」

「マ、ついでに爵位はお父様が考えてるって、教育庁っぽいのがあるらしくて、そこに所属してもらいたいってさ。」

「へー、本格的だね。」

「お母様曰くだけど、私達の学力とか知識は凄いらしくてね。」

「・・・高校じゃ平均レベルだけどなぁ。」

「最近は平均より上じゃーい。」

「うんうん、ミオがんばってるよ。」

 麗奈は美桜の頭をナデナデしながら褒める。


「と!言う訳で!」

「どういう訳よ。」

「そう言う訳です、クリパ準備します!」

「おっけー、何する?」

「歓迎会&クリパにするからちょっと豪華にしたいな。」

「食事関係は千春に任せるとしてぇ、私はアリンさんとアレ準備するわ。」

「打ち上げ花火?」

「ピンポーン♪」

「ウチらなにする?」

「一発芸とか。」

「そんな持ちネタ無いわ。」

 皆は学校に向かいながら思案気になり黙る。


「・・・あ。」

「ん?何か思いついた?」

 日葵の声に反応する大愛。


「桜・・・咲かせてもらえるかな?」

「アイトネ様に言ったら咲くじゃん?」

「桜ぁ?咲かせてどうする・・・あ!」

 青空は日葵の考えに気付き声を上げる。


「よくね?」

「イイネ!」

「なになにー?」

「ほら、姫桜って別名あるじゃん。」

「は?何それ。」

 日葵の言葉に千春が反応する。


「恋の叶う姫桜だよ。」

「・・・あー、レナエ達が言ってたなぁ。」

「石田と南ちゃん良い感じじゃん?」

「一緒の部屋で寝れるくらいだし、付き合ってるんでしょ?」

「付き合ってるんじゃん?」

「・・・大人の恋愛にちょっかい掛けるのはなぁ。」

「えー、でも南ちゃんは積極的だったじゃん。」

「石田の背中押す感じ?」

「それそれ!」

「え~迷惑になんないかなぁ。」

 乗り気になれない千春は不安げに答える。


「ウチが石田に聞いてみよっか?」

「あー、それはアリかも。」

「石田がダメって言ったら違う計画で。」

「乗り気なら?」

「全力応援!」

「よし!それで行こう!」

「「「「「「おっけー!」」」」」」

 JK軍団はそう言うと元気に学校に向かった。



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「ふむ、それではケンタ殿とアヤネ嬢を学園に招待するのだな。」

 エイダンはマルグリットから昨夜の説明を確認する。


「えぇ、現状の教育現場を見てみたいと言ってたわ。」

「あちらの教育者の指導は有難い事だ、早速爵位も準備させておこう。」

「そうね、爵位が有れば反発する者も減るでしょうから。」

「領地はどうする?」

「それは止めておきましょうか、あちらの仕事を続けたいと言ってたもの。」

「屋敷は?」

「それは私が準備するわ。」

「・・・ところであの2人は、夫婦なのか?」

「お付き合いしてるらしいわよ?」

「ほほぉ?良い感じか?」

「えぇ、微笑ましい程に。」

「ふむ、是非ともジブラロールで婚姻を結んでもらいたいのぅ。」

「そうね、あちらの人が初めてこちらで婚姻を結ぶ、大きな進歩よね。」

「うむ、是非とも後押ししたいのぅ。」

 これからJK軍団の婚姻の儀を考えているエイダンとマルグリットは笑みを浮かべる。


「チハル達はその、2人の関係は知っておるのか?」

「勿論知っているわ、2人を揶揄う程に。」

「ふむ、一度チハル達にも話してみるか。」

「それは私に任せて頂戴、多分、いえ、必ず協力してくれると思うわよ。」

 マルグリットはそう言うと立ち上がる。


「ケンタ殿、アヤネ嬢にはこちらで楽しんでもらいたいからのぅ、今後のジブラロール、いやこの大陸の未来を握っているかもしれぬ2人じゃ、是非にでもこちらで幸せに暮らしてもらいたい。」

「分かってるわ、尽力を尽くすわよ♪」

 フフッと笑みを浮かべ手を振るマルグリットはエイダンの職務室を退室する。


「ルーカス、フォローを頼むぞ。」

「お任せください、学園長にも連絡を入れ準備させておきましょう。」

「うむ、仮に何かしら企む者が居れば遠慮は要らぬぞ。」

「はっ、お任せください。」

 ルーカスは姿勢を正すとお辞儀をする。


「さて、忙しくなりそうじゃなぁ。」

 千春案件の時とは違い、苦笑いではなく本当に楽しそうに呟くエイダンはチラリと王都を見る。


「また時代が変わりそうじゃ。」

 激変するジブラロールや周辺諸国の文化にワクワクしながらエイダンは仕事に戻った。






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