次はメラディオだぁ!
「お帰りなさい!ロイロ!ママドラさん!」
千春は手を振りながらロイロ達を迎える。
「チハル、ただいまじゃ。」
「チハルちゃん。」
ママドラはドラゴニュートの姿で千春に笑いかけながら近づくとそっと抱き寄せる。
「ま・・・ママドラさん!?」
「ロイロから聞いてるわ、悲しむ事は無いのよ。」
「・・・。」
「そうじゃぞ~、儂らに喧嘩を売ればどうなるか分かって仕掛けて来たんじゃ、今戻っておる兵士達を見たじゃろ、あ奴らはダフニーとサイマスが来た時点で直ぐに撤退行動したからのぅ。」
千春に優しく問いかけるロイロ。
「うん、ありがとう。」
「うむ、これからもこう言う事が有るじゃろうが、気にするなとは言わぬが気に病む事はない、儂らが盾に、そして剣になるだけじゃ。」
「んー・・・ありがと。」
「チハルちゃん!お腹空いたわ~♪」
「ママドラさん達のごはんも作ってますから!ロイロには12年のアレもあるからね。」
ママドラに抱き寄せられたまま千春は笑みを浮かべ2人に言う。
「チハル、ロイロちゃん達の食事終わったらメラディオ行くの?」
「うん、その予定。」
美桜に返事を返す千春。
「それじゃちょっとゆっくりさせて貰お、メラディオはアルデアが押さえてくれてるし。」
千春はアルデアを見るとアルデアは微笑み返す。
「アルデア疲れてる?」
「そうでも無いのだけど・・・ちょっと眷属沢山出し過ぎて疲れてるかも?」
「そっかぁ、回復魔法かける?」
「回復魔法よりアッチの方が効果あるのよ。」
「あー、1人で足りる?」
「もう少し欲しいかも?」
遠慮がちに言うアルデア。
「うちら全員から吸ったら良いじゃん?」
大愛は腕を捲り上げながら言う。
「ココじゃアレだしさっきの応接間借りようよ。」
「そうだね、みんな移動しよー!」
「はーい。」
「あいよー。」
「りょー。」
皆はゾロゾロと移動を始め、応接間に移動した。
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「アルデア様はヴァンパイアでしたのね。」
フルールはチラッとアルデアを見るとまた目を背ける。
「うん、そこにいるイーナちゃんはアルデアの分身なんだよ。」
「分身でなのです!」
「はいつぎー!レナヨロー。」
「ほいよ!アルデアちゃん幾らでものみなさ~い♪」
ソファーに座ると麗奈は腕を捲る、そしてアルデアはパクリと噛みつくとチューチューと血を吸う。
「ミオ回復するよー。」
頼子は覚えたての回復魔法を美桜に掛けると、美桜の腕に小さくついた歯形が消える。
「ヨリ様とソラ様も聖女様でらっしゃったのですね。」
「まぁ~・・・なっちゃったねぇ。」
「ミオももうすぐ聖女だけどね。」
2人は袖を戻す美桜を見る。
「いや!まだ大丈夫!」
「もう諦めな?」
「いや、聖魔法ブースト掛かってるカノンが先じゃん?」
「へ?私?」
「うん、カノン聖魔法ブースト掛かってるって言ってたじゃん。」
「まぁ別に聖女になっても良いけど。」
「ほれ、ミオ、心意気が違うよ?」
「来たばっかりで知らないから・・・カノンは。」
呆れる様に呟く美桜、そして皆の血を少しずつ貰ったアルデアはプハー!と元気よく立ち上がる。
「皆ありがとう。」
「元気でたー?」
「バッチリよ!」
「イーナも元気出たです!」
「良かったね。」
麗奈の横に座っていたイーナはニッコニコだ。
「それじゃメラディオに行きますかね~。」
椅子から立ち上がる千春、皆も立ち上がる。
「で?どうやって行くの?」
「・・・あ、また呼ばないと。」
食事が終わり一度帰ったアイトネを思い出す千春。
「はい!ジャンケン!」
「いや!今日は聖女が呼びなよ!」
「そうだ!チハル達が呼べよぉ!」
「え?私さっきモートさん呼んだし。」
しれっと言う千春。
「ヨリ!呼んで!」
「え~?ジャンケンで良いじゃん?」
「ソラ!大好き!だから呼んで!」
麗奈も青空の腕に抱き着き懇願する。
「私呼ぶよー。」
「ヤルなカノン。」
「さすが既に聖魔法持ってる人は違うぜ。」
「そこにシビレるあこがれるぅ!」
「憧れるならミオ呼びなよ。」
「だが断る!」
「アイトネさまー♪」
『はーい!もう準備出来たのー?』
「出来たよー、メラディオ国までお願いしていい?」
『もちろん♪』
「チハル!ちょっと待って!今リリ達がフェアリーリング作るって言ってる!」
「あ!そうだ!この国に作るって言ってたんだった!」
応接間から少し歩くと広い庭園が見える。
「侍女さん、ココにフェアリーリング作ってもいいですかね?」
「はい、聖女様、兵士がココ一帯を警備致しますので大丈夫で御座います。」
侍女はそう言うと頭を下げる。
「リリ、よろしくー。」
麗奈が言うと集まった妖精達は庭園を飛び回りリリは皆の魔力を貰ったのか一瞬で大きなフェアリーリングを作る。
「できたわ~♪」
「気合いれたねーリリ。」
「大きければ沢山連れて来れるでしょ?」
「そんなに沢山連れてこないと思うけどなぁ。」
リリと麗奈はそう言うと千春に声を掛ける。
「こっちオッケー!」
「はーい、それじゃアイトネお願い。」
『はーい、それじゃ行くわよー。』
沢山のドラゴン、そして精霊、妖精達に向かい手を振ると景色が変わる。
『はい!到着♪』
「ありがと、今日の夜はお疲れ様会やるからまた呼ぶね。」
『楽しみにしてるわね♪』
アイトネはニッコリ微笑むと姿を消した。
「アルデア様!」
大きな屋敷から熟年の男が出て来るとアルデアに声を掛けて来る。
「ルシちゃん、戻ったわ~♪」
「元気を取り戻されたようで何よりで御座います。」
頭を下げながらアルデアに話すルシと呼ばれた男性。
「ルシカム!」
「姫!ご無事でしたか!」
「えぇ、聖女様に助けて頂きました。」
横にはマトラとローチも立っている。
「さぁこちらへ!」
広い庭に大きいとはいえポツリと立つ屋敷に案内するルシカム。
「ルシカムさんって?」
「元宰相です。」
「あー、アルデアに言ってた人か。」
千春が問いかけるとフルールが答える。
「ここ広いね。」
「屋敷に対して庭広すぎじゃん。」
「庭というか空き地だね。」
「庭園ってわけじゃ無さそう。」
「野球とかサッカー出来るじゃん。」
「いや、誰がやんのよ。」
「・・・うちら?」
JK達は無駄に広い庭を見ながら付いて行く。
「・・・あ。」
千春が何かを思い出し声を上げる。
「どうしたん?千春。」
「いや・・・もしかしてなんだけどー。」
千春は言い辛そうにフルールへ問いかける。
「フルールちゃん、ココって・・・。」
「はい・・・城の跡地で御座います。」
「ごめぇぇぇん!」
大きな声で謝る千春。
「いえ!謝らないで下さいぃ!全て父上が悪いのですからっ!!!」
「でも!ごめぇぇぇん!!!!」
千春とフルールのやり取りを見ながら笑みを浮かべる面々、そして城を燃やして楽しんだママドラとロイロ、ドラゴン達は目を逸らしていた。
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