メラディオのえらい人達、は置いといて王都行く!

「それでは改めて。」

 JK軍団とエンハルト達、そしてアルデアが座ると元宰相のルシカムが自己紹介を始める、そして数人の貴族も自己紹介を行った。


「もうクアータスからの侵略は無いと?」

「えぇ、ルシカム、もう無いわ、逆に同盟を改めて申し込まれたわ。」

「そうですか。」

 ルシカムは心配そうに呟きアルデアを見る。


「すべて本当よ、チハル達が全て解決したわ。」

 アルデアはJK軍団を見ながら微笑む。


「では、フルール・ディ・メラディオ王女殿下、いえ、女王殿下、これからの問題を・・・。」

 貴族の1人がそう話始めると、裏でクアータスと繋がっていた者や王を暗殺した者等の話が始まった。



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「ふぁぁぁ。」

 ルプは暇そうに大あくびをする。


「失礼しました!ルプ様!」

「あぁ、内部の話は良く分からないからなぁ。」

 ニヤリと笑いながら話すルプ。


「聖女チハル様、お疲れで御座いましょう、部屋を用意させておりますのでそちらでお寛ぎください。」

 近衛兵団団長マトラは千春達に一瞥するとにっこに微笑む。


「はい、それじゃ移動しましょー。」

「はいよー。」

「そだね、聞いてても良く分かんないし。」

「んだねー。」

 JK達はそう言うと部屋を移動した。



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「ルプいいタイミングであくびしたねぇ。」

「千春が暇そうだったからな、わざとだ。」

「さんきゅー。」

「ナイス!ルプ君!正直苦痛だったわ。」

 千春がお礼を言うと頼子も苦笑いで答える。


「聖女であるチハルの前である程度の話はしたかったんだろうな、この先は反逆罪の貴族話だからなぁ。」

 エンハルトも苦笑いしながら話す。


「で?部屋移動するのは良いけど・・・どうすんの?」

「やる事ないよね。」

「そりゃアルデアちゃんが全部終わらしてんだもん、うちらの仕事も無いし?」

「街でも見に行く?」

「良いねー。」

 JK達が言うと千春はマトラを見る。


「お出かけでしたら大丈夫です、護衛をすぐに準備致します!」

「護衛は大丈夫ですよ、ほら、このメンバーですよ?」

 千春はペット達、さらに沢山の妖精達を見る、ドラゴン達は城跡地でのんびり寛いでいた。


「そ・・・そうで御座いました。」

「案内の人だけ欲しいかもです。」

「それでは私がご案内させて頂きます。」

「はーいお願いしまーす、で!街に行く人この指とーまれ!」

 千春は悪戯っぽく人差し指を出すとJK軍団が一斉に指を掴む。


「なんだ?それは。」

「ん、あっちで遊ぶときとか、参加する人集める呪文。」

「へぇ~・・・呪文じゃないだろ。」

「バレたか。」

「で?どうやって行くんだ?」

「マトラさん、街までどれくらいで着きます?」

 千春は広い庭の先を見るが、邸宅ばかりで街は見えなかった。


「馬車で20分ほど走れば到着致します。」

「あ~、ジブラロールと同じくらいだね、飛んで行きますか!」

 千春はそう言うとアイテムボックスから箒を取り出す。


「今から行くの?チハル。」

 サフィーナは呆れた様に問いかける。


「ダメ?」

「良いですよ?その聖女の恰好で行くのに問題が無ければ。」

「あ、そうだった・・・。」

「そろそろ着替えたいね。」

「別にもう聖女しなくて良いのよね?」

「いんじゃねー?」

「偉い人とはもう会わないだろうし、着替えよ~。」

「それではお部屋の方へ案内致しますので。」

 マトラはそう言うと広い応接間に案内する。


「こちらでお着換えが出来ますので。」

「有難うございまーす!」

「チハルさん!走らないで下さいぃぃ!」

「モリー早く!」

 JK達は隣の部屋に飛び込むと、侍女達はのんびり後に付いて行った。



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「エンハルト王子殿下、飛んで行くと言うのはドラゴンでお出かけでしょうか?何故か箒を出されておりましたが。」

 マトラは不思議そうにエンハルトへ問いかける。


「あぁ、まだ王国でも外に出していない魔法道具が有るんだよ。」

 エンハルトはそう言うと横に立つ執事ワークスとサフィーナの従妹であるクーネスを見る。


「こちらで御座いますわ。」

 クーネスは伸び縮みする杖を軽く振ると長くする、そして横座りで杖に乗るとフワフワと浮きあがる。


「おぉぉ!」

 驚き声を上げるマトラ。


「重力を扱う魔法で御座います。」

 ワークスは仕込み刀を手に持ちそのままフワリと浮き上がる。


「これはジブラロール王国の秘蔵の魔道具で御座いますか。」

「秘蔵では無いな、秘蔵ならこの場で使わないだろう。」

 クックックと笑いながら答えるエンハルト。


「それにだ、この魔石を作れる者が限られているんだよ。」

「重力と言われておりましたが・・・。」

「あぁ精霊魔法寄りだったか、ロイロ。」

「精霊魔法では無いが、ドラゴンも使えるからのぅ、人で使える者はレナしか知らぬがな。」

「魔属性だったか。」

「そうじゃな。」

 驚きを隠せないマトラは、はぁぁと溜息を吐く。


「マトラは俺達と一緒にドラゴンで行けば良い。」

「はっ、了解しました。」

 暫くするといつもの動き易い街娘風の千春達が飛び出してくる。


「おまたっせー!」

「はー!やっぱこの格好が楽だわ!」

「私はローブでも良かったけど、アレはアレでアリ寄りのアリ。」

「ま、ドレスよりは良いわな。」

 大愛と日葵はそう言うと杖を取り出し一振りし長くする。


「私は箒で行こー♪」

「うちは杖ー。」

「ウチも箒で行こっかな。」

 気分で変えるJK達は当たり前の様に魔道具を取り出すと箒や杖に跨る。


「もう、皆さん外で飛んでくださいね。」

「はーいサフィーママー。」

 テヘペロと皆は舌を出しあざとい笑みを返す。


「ハルトは儂に乗れ。」

「あぁ頼むロイロ。」

 ロイロはそう言うとドラゴンに変化する。


「ロイロ、何か有れば呼びなさいね。」

「母は行かぬのか?」

「無駄に驚かせる必要は無いでしょ♪この子達とのんびりしてるわ、レフト、ライトはエーデルちゃん達を運びなさい。」

「はい。」

「はい。」

 レフト、ライトもドラゴンの姿に戻ると、エーデルとホーキンはドラゴンに跨る。


「準備おっけーかなー!」

「おっけ~い。」

「大丈夫ー。」

「いつでも良いよーん。」

 それぞれが声を掛けて来るのを確認し千春は箒に跨る。


「それじゃ帰って来るまでが観光です!」

「あ、それ言うんだ。」

「チハルせんせーおやつはー?」

「銅貨3枚まででーす。」

「バナナは・・・。」

「いくよー!!!!」

「ちょー!最後まで言わせろよぉ!」

 美桜の突っ込みを無視し千春は地面を蹴ると、侍女達も蹴る、そして皆はメラディオの王都へ向かった。






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