クアータスの食材漁り!

「・・・と、言う事でよろしくお願いしますね。」

 千春は経緯を説明し、クアータス王国軍騎士団長、レスク・エントスを英雄王にした事を伝える。


「「「「はっ!」」」」

 地下牢から解放された貴族達は首を垂れ返事を返す。


「んじゃレスクさんよろしくね。」

「はっ!必ず!必ずこの国を立て直して見せます!」

 姿勢を正し千春に改めてお礼を言うレクス。


「えっと、ムーサさんってレスクさんの彼女?」

「え!?・・・えー・・・そのぉ・・・。」

 チラッとレスクを見るムーサ。


「幼馴染で御座いますが、愛しております。」

 レスクは躊躇いも無く答える。


「それじゃムーサさんは王妃だね。」

「!?」

「戴冠式と結婚式は呼んでくださいね♪」

「そうそう、落ち着いたら王都で買い物したいし!」

「特産は何なのかな。」

「楽しみ出来たね~♪」

 JK達はニコニコと話を始める。


「聖女様、クアータス・・・いえ、元クアータス国の特産はお茶やカーフィーが特産で御座います。」

 貴族の1人が千春達に話す。


「カーフィー・・・コーヒー!教国で見た!」

「はい、北方ホウラーク教国にも輸出しております。」

「ココで作ってたのかー。」

「お茶って緑茶かな?」

「なんだろー。」

 頼子達も頭を傾げながら問いかける。


「緑茶、紅茶、青茶と色々な物を作っております、もしよろしければご準備させて頂きますが。」

「おー!・・・青茶って何?」

 美桜は千春を見る。


「えっとぉ・・・聞いた事あるんだけど。」

 千春はスマホで検索する。


「ウーロン茶!」

「あー!はいはいはい!」

「他にも色々なお茶を作っております。」

「へぇー、サフィーいる?」

 サフィーを見ながら問いかけると嬉しそうに頷く。


「はい!いただきます・・・けど、今からメラディオ国に行くので次来た時で大丈夫です、多分すぐ来ますんで。」

「はっ!色々と揃えさせて頂きます故。」

 貴族の男は要望に答えれる為か嬉しそうに頷き答えた。


「聖女チハル様、メラディオ国の方は如何なされるのですか?」

 レスクは心配そうに問いかける。


「フルールちゃんを女王にして立て直してもらうよ、ちゃんとした貴族さんも居るみたいだし。」

 横で聞いているアルデアはニッコリ頷くと、フルールが話始める。


「はい、全力で立て直します!そしてジブラロール王国との国交を樹立し交易を是非とも!」

「あ~、うん、えっと・・・ハルト、それってお父様案件だよね?」

「俺でも大丈夫だぞ、父上からは既に許可を貰っている。」

「マ?!」

「あぁ。」

 驚く千春に笑いかけるエンハルト。


「フルール王女殿下、ジブラロール王国との交易とは・・・その、何をされるので?」

 必死に答えていたフルールにムーサが問いかける。


「食事ですわ!」

「食事?え~・・・その、宮廷料理等でしょうか?」

「いえ!市井でも、王宮でも、ジブラロール王国で食べられる食事全てですわ!」

 何故か拳を握りながら話すフルール。


「マトラ殿、ジブラロール王国の食事はそれ程に?」

 レスクはフルールの横で護衛している近衛兵団団長、マトラにそっと問いかける。


「はい、レスク様、もう・・・それはそれは・・・ものすっっっっごく美味しいです。」

 マトラが言うと横に立つローチまでもがウンウンと頭を振る。


「それは・・・是非とも食してみたいですな。」

「えぇ、私も食べてみたいです。」

 レスクとムーサが言うと青空が声を掛ける。


「ねぇチハル、お昼はどうするん?」

「ん?」

 千春はスマホを見るともう少しで昼になろうとしていた。


「ん~・・・よし、何か作るか!」

「お手伝い致しますわ!」

 何故かフルールが手を上げる。


「フルールちゃん料理した事有るの?」

「・・・いえ、でも!お手伝いでお皿を運んだことはあります!」

「王女様だもんねー。」

 千春はアハハと笑いながら返すと横からエンハルトが突っ込む。


「チハル、お前も王女だぞ。」

「・・・そうだったね。」

「しかも聖女っていうね~♪」

「いや、ヨリも貴族子女の聖女でしょ。」

「ソラ、何か言われてるよ。」

「皆貴族子女だろうがぁ!」

「あら、ソラさん御口が悪いわぁ。」

「・・・で?漫才は良いとして何つくるん?」

 皆を放置し、次期ブルーワグ王妃であり聖女にリーチをかけている日葵が問いかける。


「何でも良いけど?材料は色々あるし。」

「こっちで作れる料理作ったらいんじゃね?」

 頼子がそう言うと千春は貴族に声を掛ける。


「こっちの料理でよく食べられる食材って何ですか?」

「鳥やオークが多いですね。」

「聖女様が料理をされるのですか!?」

「はい、料理好きなんですよ~♪」

 千春は笑いながら答えるとフルールが声を上げて言う。


「好きなんてレベルじゃありません!もう芸術です!」

「はい!それはもう!言葉じゃ表す事の出来ないほどです!」

「もう夢に出る程です!」

 メラディオ組3人が声を上げながら話す。


「そ・・・それ程に!?」

「はい!」

「いやぁ、そこまでは無いと思うけどなぁ・・・あはは。」

「それでは厨房に行かれますか?色々と御座いますので。」

「あ、それが早いですね、ヨリ達も行く?」

「行くに決まってるじゃん。」

「ウチらも作れる所みせてあげないとね!」

「手伝いくらいは出来るし、チハルの事だから沢山作るっしょ?」

 JK達はそう言うとソファーから立ち上がる。


「それではご案内致します。」

 レスクはそう言うと千春達を連れ厨房に向かう、何故か貴族達も一緒だ。


「ルプ達は待ってても良いよ?」

「いや、一応何か有ったら困るからな。」

「そうばい、さっきまで敵陣やったんやけん。」

「万が一って事もありますから!」

「うっきぃ!」

「そうにゃー、千春になにかあったら彩葉が泣くにゃー。」

「涙は出ないけど泣くわよ?」

「はいはい、美味しいご飯作ってあげるからね~♪」

 千春達はニコニコと話しながら厨房へ向かうと、広い食堂に案内された。


「ココが厨房です、こちらの部屋は兵士や侍女達の食堂になります。」

 ムーサが説明をする。


「ジブラロールと似てるね。」

「ほんとだね、お城の厨房って何処もこんな感じなのかな。」

 頼子と美桜が言うと、エーデルが頷く。


「他の国の食堂を使ったこともありますが、何処も似たような感じですね。」

「へぇ~、んじゃ食材確認しよう!」

「うぃーっす!」

 厨房には数人の料理人が直立不動で立っていた。


「すまないが厨房を借りるぞ。」

 レスクが言うと、料理長らしき男が頭を下げる。


「はっ!何か御用がありましたらお申し付けください。」

 料理長がそう言うと千春は肉や野菜の保管庫に連れて行ってもらう。


「ジブラロールとびみょ~に違うけど基本いっしょだね。」

「鳥は鶏じゃないね、コカトリスも無い?」

「オークはあるよ、ほら。」

 麗奈が大きな塊を指差す。


「チハル!ちょっと来て!」

「なに?ソラ。」

「これ!」

 青空は保冷庫の方から丸い物を見せる。


「マンゴー!」

「おー!本当だ!」

「マンゴーで料理出来ない!?」

「無茶ぶりするなぁ、作った事無いよ!」

「えぇ~。」

「デザートで良いなら作るけど。」

「おぉー!何つくれる?」

「・・・マンゴースライムゼリー。」

「アレか・・・。」

「マンゴーはそのまま食べた方が美味しいんじゃないの?」

「かもしんない。」

 青空と千春が話をしていると大愛と美桜も何かを見つけたようだ。


「ぱいなっぽー!」

「きっしょい実見つけた!」

 大愛はパイナップルを掲げながら、美桜もトゲトゲの付いた真っ赤な実を持ってくる。


「お?これドラゴンフルーツじゃん?」

「え?コレが?」

「うん、切ってみたらわかるかも。」

 千春はトゲトゲの実を半分に切る。


「うわぁ真っ白。」

「たしか赤もあるはずだけどね。」

「へぇ~美味しいの?」

「一回食べたけど・・・水分の少ないスイカ?っぽい。」

「これって何の実なの?」

「たしかサボテンだったと思うよ。」

「料理出来る?」

「いや・・・そのまま食べる物じゃない?コレ。」

 そう言われ美桜はスマホでググる。


「うん、スムージーとかサラダだね。」

「果物多いね。」

 頼子がのぞき込みながら言うとムーサが答える。


「この国は他の国と比べ暑い日が続きますので、その様な実が良く実ります。」

「へぇ~、南国フルーツな国なんだねぇ。」

「料理は?」

「チハル南国料理作れる?」

「ん~~~~~~まぁググれば?」

「よし!南国料理だ!」

「はいはい、それじゃ材料探すよー!」

「「「「「うぃーっす!」」」」」

 そう言うとJK軍団は食材をかき集め始めた。






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