海鮮海鮮!海鮮料理!

「はい!サフィーちゃんお願いね!」

 智美は皿に料理を盛り付けサフィーナに渡すと、サフィーナはワゴンに皿を次々と乗せ運ぶ。


「モリーちゃんこっちもおねがーい。」

「はーい!」

 琴葉、梅乃も料理を渡す。


「ヤバい、ママ達無双すぎる。」

「すごいね~。」

 麗奈が呟くと千春はニコニコ笑いながら料理を作る。


「千春、こっちも出来たわよ。」

「ほーいおかぁさん、これ付け合わせ。」

 中華や和食メインのママさんズと違い、千春と春恵は洋食メニューを作る。


「カニたっぷりクリームコロッケとタコの唐揚げ!」

「持って行きますニャ!」

 マクリもカートを押しやってくる。


「はい、マクリ、後で侍女達の分も作るからね。」

「やったぁ!」

「お土産の分も作るからお母さんに持って行きな~♪」

「良いんですニャ?」

「沢山作るからね、見てよこの量。」

 千春はテーブルに並べられた海鮮魔物を見る。


「凄いですニャ~・・・。」

「心配しなくても大丈夫だからね。」

「有難うございますニャ!」

 マクリはそう言うと料理をカートに乗せ移動する。


「さて、次は~。」

「千春、こっちは?」

「あ、それアヒージョだよ。」

「このキノコは・・・。」

「あ、イエローファンガス君とレッドファンガス君、鷹の爪入れなくても済むから。」

「一石二鳥ね。」

 春恵はそう言うとタコを一口サイズに切っていく。


「お母さんマリネ出来たよー。」

「は~い、この器に入れてね。」

「ほいほい。」

 美桜と美咲はおつまみを小鉢に入れ並べて行く。


「焼きガニ出来たよー!」

「はいダイアこれに入れて頂戴。」

「ほーい。」

 ママさんズとJK軍団は次々と料理と作る、侍女達は千春の部屋に運ぶ。


「千春とサフィーちゃんが収納して持って行ったら良いんじゃね?」

「やだ、料理作る。」

「サフィーちゃん1人で運ぶのも大変だし、一度にこの量持って行くと置くところ無くなるって。」

「そりゃそうか。」

 千春の侍女13人が総出で料理を運び、千春達は海鮮料理を作り続けた。



--------------------



「凄いわね。」

 マルグリットはテーブルを見て思わず声を上げる。


「いらっしゃいませマルグリット王妃殿下。」

「畏まらなくて良いわサリナ。」

「こちらへどうぞ。」

 サリナはマルグリットをテーブルに案内する。


「もうすぐ陛下も来るから。」

「はい。」

 サリナは頭を下げる、するとマクリが料理を運んでくる。


「王妃様どうぞですニャ。」

「ありがとうマクリ、チハルはどう?忙しそう?」

「楽しそうに料理を作ってましたニャ。」

「そう。」

 ニッコリ微笑みマクリの頭を撫でる。


「待たせたか。」

 エイダンは部屋に入ると大樹達のテーブルに向かう。


「イサム殿、タイキ殿、皆も元気そうじゃな。」

「陛下、楽しく仕事させて頂いております。」

 勇は立ち上がり頭を下げる。


「イサム殿、こういう場ではそう言う事は気にせず気楽にじゃ。」

「はぁ、いやぁ仕事のクセが付いておりまして。」

「そちらの世界の営業と言う仕事は大変だと聞いておるからのぅ。」

「私は技術職ですからねぇ~。」

 大樹は楽し気に話す。


「開発の報告もあるのですが。」

「いや、それは後日で良かろう、今日は仕事の話は無しじゃ。」

 ガハハハと笑いエイダンは手を振る、そしてマルグリットのテーブルに向かう。


「遅くなったか?」

「いいえ、私も今来た所よ。」

「物凄い事になっておるのぅ、これ全部チハル達が作ったのか?」

「らしいわよ?」

 エイダンはテーブルを見回す、何種類もの料理、そして海鮮が並び色鮮やかにそして良い香りが広がる。


「あそこはエンハルトか。」

「えぇ。」

 エンハルトやアリンハンド、エーデル、ホーキンと婚約者グループで集まり話をしている。


「仲の良い事だ。」

「そうね、協力し合ってあの子達を見てもらわないといけませんからね。」

「突拍子もない事をするからのぅ。」

 エイダンは料理の海鮮を見て呟く。


「その突拍子の無い事の一つを聞いてる?」

「・・・何をじゃ?」

「これよ。」

 マルグリットは手のひらにある丸い物を見せる。


「・・・真珠か、大粒で上質じゃな。」

「これ、さっきトモミから貰ったのよ。」

「ほう?トモミはこれの価値を知らぬのか?」

「知ってるわ、あちらの世界でも高価な宝石と並ぶ物らしいわ。」

「ほぉ、で?それがどうしたのじゃ?」

「コレが箱いっぱいあるって言ったらどう思う?」

「箱?宝石箱か?」

「いえ、そこにあるカートくらいの箱よ。」

 マクリの押すカートを指差す、カートはマクリよりも大きい。


「・・・さて、食うか。」

「フフッ、しかも定期的に手に入るんですって。」

「・・・うむ、美味そうなタコじゃな。」

 エイダンはマルグリットの言葉をスルーし、千春の作ったタコの唐揚げを口に入れる。


「んまい!コレは美味いな!」

「もう、この件は私が話しを進めるわよ。」

「好きにせい、こっちはコロッケか・・・おぉ、カニがたっぷりじゃな。」

 エイダンはニコニコしながら料理を食べる。


「おとうさまー!これユラがつくりました!」

「おぉ!ユラも料理をしておるのか!?」

「はい!レンちゃんとルペタちゃん、イーナちゃんも!」

 後ろからルペタもイーレンと一緒にカートを押しながら来る。


「これ!えっと・・・かぢきまぐろの・・・か・・・か・・・。」

「かるぱっちょですわ。」

「かるぱっちょー!」

「かるぱっちょなのです!」

 幼女達は元気に言うとエイダンとマルグリットの前に並べる。


「おぉ美味そうじゃ。」

「これユラが切ったの?」

「うん!ヨリおねえちゃんがユラの手をもってたけど!」

「フフッ、美味しそう♪」

「頂こうかの。」

 2人はフォークで玉ねぎと刺身を掬い口に入れる。


「ん!美味いな!」

「美味しいわ、味付けも?」

「はい!私がまぜました!」

 イーレンは嬉しそうに答える。


「ルペタはもりつけましたっ。」

「イーナはたまねぎ切ったのです!涙出たのです!」

 嬉しそうに言う幼女達。


「ほら、ユラ、あっちでユラ達を待ってるわよ。」

 マルグリットはそう言うと向こうのテーブルでユラ達を見る男の子を指差す、ユラが見ると第二王子ライリー、三男フィンレー、そしてケンブリット、シュウラスが手を振っていた。


「ほれ、ユラ、持って行ってやれ。」

「はい!レンちゃんルペタちゃん、イーナちゃん行こう♪」

「うん!」

 カートを仲良く押す幼女達を微笑みながら見送る2人だった。



-------------------



「チハルさん、後は任せてくれ。」

「ルノアーさん覚えた?」

「全部は流石に無理だ、しかし全員に2人ずつ料理人を付けて覚えさせたからな。」

 ルノアーはそう言うと料理人達に声を掛け料理を開始する。


「しかしあの食材使っても良いのか?」

「いいよ、どうせ使い切れないもん、それにまた行けば捕れるし?」

「ありがとう、兵士達も喜ぶだろ。」

「でもコッチって魔導士団しか来ないんじゃないの?」

 千春がそう言うとルノアーは食堂の入り口を指差す。


「げ。」

「わざわざこっちに来てんだよ。」

「うわぁ、ルノアーさん宣伝した?」

「いや、多分侍女が噂広めたんだろうな。」

「そっか、まぁ足りなくなったら言って、まだ有るし。」

「いやぁ~、無くなりはしないだろう。」

 ルノアーは山積みになったタコやカニ、そして大きなカジキや貝、そしてサメまでもが並べられていた。


「チハル~、後は任せてって言われたー。」

「うん、私達は私の部屋で食べるよー。」

「うぃーっす。」

「ふ・か・ひ・れ!」

「私海鮮丼~♪」

「うちはタコ飯とタコ唐揚げ~♪」

「ウチもソレで。」

「ユラ!運ぶの終わり!部屋に戻って食べるよ!」

「はーい!」

 千春達は部屋に戻ると既に料理が並べられていた。


「お帰りチハル。」

『おかえりなさいチハル、美味しそうねー!』

「これは美味しそうだな。」

 アルデア、アイトネ、モートはいつもの席で千春達を迎える。


「今ルノアーさん達が作り始めたからおかわりもあるよーん。」

「チハル!酒じゃ酒!」

「はいはい、今日はみんなお疲れー、サフィー今日の仕事終わりね。」

 千春はそう言うと酒と銀のアレを取り出す。


「リリ達にはコレ~、海鮮関係無いけど。」

 麗奈はそう言うとバケツパフェを渡す。


「美味しそうですわー!」

「美味そう!たべていいのかー!?」

「うん、おたべー。」

 妖精達はパフェに群がり食べ始める。


「それではー!お疲れ様でしたー!」

「「「「「「おつかれー!」」」」」」

「ではイタダキマス!」

「「「「「「いただきまーす!」」」」」」

 ママさんズもテーブルにつき声を掛ける、そして皆は海鮮料理を堪能した。






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