海水浴に向かいます!

「おかぁさんただいまー。」

「お帰りなさい千春、ソラちゃん達は?」

 学校が終わり門の前で寛ぐ春恵は問いかける。


「学校にさー、ソラ達水着持ってきてたんだけど・・・ちょ~~~っとキツイらしくてね。」

「成長したのね。」

「そ!おっぱいがね!」

 千春は苦笑いで答える。


「それで?」

「水着買ってから来るって。」

「へぇ、冬でも売ってるの?」

「うん、近所のシアムラなら売ってるって教えたら突撃してったよ。」

 千春は寝室に移動し着替えると応接室に行く。


「おかえりなさいチハル。」

「おかえりなさいませー!」

「ただいまサフィー、モリー。」

「あれ?みなさんは来てないんですかぁ?」

「うん、かくかくしかじかでね。」

「・・・それわかんないです。」

「察して。」

「むーりーでーすー!」

 千春とモリアンが遊んでいるとサリナが子供達を連れて来る。


「チハルおねぇちゃん!おかえりなさい!」

「ただいまユラ~♪」

 抱き着くユラを受け止めると、後ろから女の子と男の子2人が入って来る。


「チハルお姉さまおかえりなさい!」

「チハル様こんにちは。」

「チハル様よろしくおねがいします。」

「レンちゃん、ケン君、シュウ君いらっしゃ~い、水着持ってきた?」

「・・・いえ、持っておりませんので。」

「僕も無いです。」

「俺も持ってないです。」

「え?そうなの!?」

 千春はサフィーナを見ると頷いている。


「こちらでは海に入ると言う事は殆どありませんから。」

「あー・・・言ってたねぇ。」

「えぇ、現地の子でしたら泳ぐ事もあるでしょうが。」

 サフィーナがそう言うと千春はすぐにスマホを弄る。


「・・・・・・よし、売ってるらしいから買って来てもらう。」

「水着ですか?」

「うん、シアムラって店は冬でも水着うってんのよ。」

 千春は説明しながらスマホを閉じる。


「あとはー、海鮮料理の準備は~。」

「終わってますよ。」

「さすサフィー、それじゃ皆が帰って来るまでのんびりしますか~♪」

 ソファーに座る千春は子供達を呼び、ソファーでのんびりと時間を過ごした。



--------------------



「ただいまー!」

「我が家じゃないけどね。」

「我が家みたいなもんでしょ。」

「買い出しと学校以外日本に戻る事減ったね。」

「たーしーかーにー。」

「ソラ達のパパっていつ来るの?」

「っていうかまだ教えてないんでしょ?」

 ワイワイと騒ぎながら異世界に入って来るJK軍団。


「おかえりー、良いの有ったー?」

「結構あったよ。」

「レンちゃん達のは?」

「コレ。」

 頼子が袋から取り出したのはスクール水着だ。


「ユラちゃんのって千春のおさがりでしょ?」

「うん。」

「ユラちゃんのも買って来たよ。」

「チハルネットで買えば?」

「あー、今頼めば明日届くか。」

「そうそう、夏は今からだ!」

「日本は冬だけどな。」

 美桜の言葉に美桜が突っ込む。


「さて、それじゃ野郎共呼びますかー。」

 千春が言うと侍女達が部屋を出て行く、そして暫くするとワラワラと集まり始める。


「おかえりチハル、準備出来たのか?」

「ただいまハルト、できてるよ~ん。」

「ヨリさんお帰りなさい。」

「ただいま!アリンさんも泳ぐ?」

「いえ!泳いだこと無いので!」

「えー。」

 エンハルトとアリンハンドと話をしているとエーデル、ホーキンも入って来る、そして。


「こんにちは。」

 トラディ、そしてステルも入って来ると青空、大愛が迎え入れる。


「あとはヒマリの連れですにゃ。」

 日葵は戻るとすぐに妖精クゥクゥとブルーワグに飛んでいた。


「おまたせー!」

 日葵はルペタの手を取りながら部屋に入って来る。


「ルペタちゃん!こんにちわ!」

「こんにちわユラちゃん!」

「ルペタちゃんこんにちは、ひさしぶりー!」

 ユラとイーレン、そしてルペタが手を繋ぎクルクル回る。


「揃ったかな。」

 千春はシャンデリアを見ると声を掛ける。


「イーナちゃーん。」

 千春の声を聞き蝙蝠がキィッ!とひと鳴きするとアルデアとイーナが現れる。


「来たのー!」

「イーナちゃんいらっしゃいー!」

 幼女4人は楽しそうにはしゃぐ。


「ちょっと人多いかな、転移大丈夫?」

「大丈夫ですのー!」

「まかせてー!」

「何人でも大丈夫よー♪」

「もんだいないぜー!」

「私も居ますわー。」

 リリ、クゥクゥ、ルル、ポポ、そしてシュシュの妖精5人が並んで答える。


「ヨロ!それじゃ移動するよー!」

「うぃーっす!」

「ヨリ、荷物ヨロ。」

「ほいほい。」

 フェアリーリングに次々と入る面々、ルプ達も子供達を背に乗せ移動する。


「忘れ物はないですかー。」

「ありませーん!」

「帰って来るまでが遠足でーす。」

「え?これ遠足なん?」

「のってヨ。」

「バナナはおやつに入りませーん。」

「お菓子は300円まで~♪」

「え?さっき3000円分くらい買ったよね?」

「10人以上いるからセーフ!」

 騒がしいJK達を男達は苦笑いで見守る、そして皆は海王国家フリエンツ王国へ向かった。



--------------------



「いらっしゃいませ。」

「うわっ!びっくりした。」

 フェアリーリングで移動すると目の前にはセイレーンの騎士と侍女が並んでいた。


「よろしくお願いします。」

「はい、それではお部屋の方へ。」

 ニッコリと微笑むセイレーン騎士ナラーシャが皆を案内する。


「チハル様、申し訳ありません。」

「ん?どうしたの?」

「チハル様にお客様が・・・。」

「お客?フリエンツに?」

「はい。」

「客間の方でお待ちになっております。」

「そうなんだ、誰です?」

「・・・インパイ族の方々が。」

「・・・え、ティスケリーさんだよね?インパイ族って。」

「はい、例の件だとは思われますが。」

「あ~~~~~~~。」

「どうしたん千春。」

「ん、問題無いよ、ただ夕食は天ぷら尽くしだなって事。」

「お!天ぷら良いじゃん!」

「テンドン女王が来てんのか。」

「なにそれ初めて聞いた。」

 美桜の言葉に千春は笑う。


「米あるの?」

「あるよー、炊き立て土鍋が10個くらい。」

「それだけあれば足りるか。」

「いや、足りない方にこのポッキーを賭ける!」

 頼子は影から取り出した買ったばかりのポッキーを掲げる。


「テンドン女王って天丼10杯くらい食べてたよね。」

 ディスケリーの事をテンドン女王と言うJK達はお菓子を出し合う。


「ま、足りなきゃ炊けばいいか。」

「何処で?」

「厨房じゃん?」

 千春と頼子が話しているとナラーシャが答える。


「厨房のある客間ですので・・・お料理出来ます。」

「作らせる気満々じゃん!」

「申し訳ありません!」

「いや、ナラーシャちゃんが悪いわけじゃ無いから。」

「そうそう、どうせ料理するって厨房に行くんだから千春は。」

「私達も手伝うし~♪」

「うちらも料理上手になったも~ん。」

「私も作るよー!」

 青空達も作る気満々で答える。


「千春、またかき揚げ作ってくれ。」

「わっちもアレで日本酒飲みたいばい!」

「僕もです!」

「儂はあのふっといエビ天が良いのぅ。」

「ミタマ、いっぱい食べてね。」

「イロハ・・・無理ニャ・・・吾輩の胃はそんなに入らないニャァ。」

 ペット達が話していると新参ペットのミカとゼルは首を傾げる。


「かき揚げ?」

「飯を揚げるのか?」

「2人は天ぷら初めてか。」

「美味いば~い♪」

「食べたら分かります、さくさくでウマウマです!」

「ま、食べてみたらいい、飛ぶぞ?」

 ロイロはJK達の言葉を使いニヤリと笑う、そして皆は客が待っている客室に向かった。





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