デミオーガさん達の行く末!
「ロイロ様・・・あの方は?」
「チハルか?この国の王女で聖女で次期王妃じゃ。」
「バンカは何処へ?」
「あの世じゃ。」
「!?」
「大丈夫じゃ、明日には帰って来る。」
「大丈夫じゃねぇだろ。」
「まぁ帰ってきたら分かるじゃろ。」
カッカッカと笑うロイロに男達は冷や汗を垂らす。
「他の方は・・・1人は神と言われておりましたが。」
大将のセルロが申し訳なさそうに問いかける。
「アイトネはこの世界の神、その横に居た女性がチハルの母で新しい女神じゃ、ヨリはチハルの友達じゃが、お前らくらいなら一瞬で闇に落とされるぞ。」
「・・・ロイロ様はドラゴンでしたよね?」
「うむ、ドラゴンの長もこの国に滞在しておる、他にも30頭ほどドラゴンがおるのぅ。」
「ルプ様は聖獣で御座いますか?」
「俺か?あぁ、一応な。」
「一応?」
「ルプは女神の眷属になる聖獣じゃ、他の世界で土地神、まぁ神の使いをしておった。」
「それを言うならビェリーもだろ。」
ルプがビェリーを見ると、ビェリーは日本酒をクピクピ呑みながらニッコリ笑う。
「失礼ですが、他にもいらっしゃるので?」
今聞いた事だけでも驚きだが、当たり前の様に話すロイロにクラータは再度問いかける。
「そうじゃなぁ、今はおらぬが、コンという御使いがおるな。」
「あとは妖精と精霊、軍隊蜂か?」
「猫もおるやん。」
「猫又だろ?」
ロイロ達の言葉を聞き、デミオーガ達は顔を青くする。
「俺達なんて可愛いもんじゃねぇか。」
「母上の言い付け守ってよかったぁぁぁ。」
「バンカはしゃーねぇな、あいつはいつもアレで失敗してるからな。」
カネン、テルモ、ルフアの3人が言う。
「さて、呑み直すか、姫さん次は呑みすぎるなよ?」
ルプは笑いながら杯を渡すと、クラータはコクリと頭を下げ日本酒を受ける。
「さ、乾杯じゃ!」
ロイロは楽し気にグラスを掲げた。
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「ん~気持ちいいわね、千春の宿なのよねぇ。」
「そだよー、気に入った?おかぁさん。」
「うん、最高♪」
『ほんと、気持ち良いわよね、ご飯も美味しいのよ?』
風呂よりも食事が楽しみなアイトネはニコニコだ。
「デザートもシャリーちゃんがお届けしてくれるから楽しみにしててね。」
自分が褒められたようで嬉しい千春はニコニコで答える。
「千春~、ロイロちゃんなんでデミオーガにお酒ふるまってんのぉ?」
頼子が風呂の淵に顎を乗せ問いかける。
「しらな~い、アイトネわかる~?」
同じ様にぷっかり湯船に浮いてお尻丸出しの千春は、春恵にぺちんとお尻を叩かれながら言う。
『ん?ロイロのギルドに取り込むッぽいわよ?』
「へ?犯罪ギルド?」
『えぇ、結構荒事が有るみたいだし使えるんじゃないかなぁ~って考えてたわ。』
「ふーん・・・へ?って事はデミオーガさん達ジブラロールに住むの?」
『さぁ?でもここの食事と酒を知ったら帰らないんじゃないかしら~♪』
今から食べる食事を思い出しアイトネは微笑む。
「・・・ま、いっか。」
「いいんかーい。」
「だってロイロならあの人達くらい余裕で押さえれるじゃん?」
「千春もじゃん。」
「ヨリだって影に落とせるじゃん。」
「ハルママも出来るじゃん?」
「あら、アイトネ様も出来るわよ?」
『皆やろうと思えばデミオーガくらい対応出来るって事よねぇ、でも絶対に逆らわないでしょうけど。』
「なんで?怒ったらヤバいんじゃないの?」
『チハル、モート呼んだでしょ?』
「呼んだね、お礼なににしよっかな~。」
『アレ見てチハルに逆らうと思う?』
「・・・どだろ。」
「絶対に逆らわないよ、って言うか逆らえないっしょ。」
アハハハと笑いながら言う頼子。
「大人しいなら良いじゃん、お母様も安心するっしょ。」
「そうだねー、メグ様も不安そうだったし?」
「不安と言うか殺意と言うか・・・。」
千春を心配しつつも怒りをあらわにするマルグリットを思い出す2人。
「ま、大丈夫っしょ!ご飯たべよー!」
「そうね、上がりましょうか。」
「ごはんごはん!」
『ごっは~ん♪』
4人はウキウキで風呂から上がると、いつも泊る桜の間へ移動した。
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「・・・報告は以上です。」
エーデルとホーキンは、エイダン国王に事の顛末を報告する。
「ふむ、ご苦労、問題は無さそうじゃな。」
「はっ。」
エーデルは返事を返す。
「しかし、バカなのが1人居たか。」
「まさかチハル王女殿下がモート様を呼ぶとは思いませんでした。」
その場に居たホーキンが答える。
「アイトネ様も呼ぶのを分かって何もしなかったのだろうな。」
「はい、そうだと思われます。」
「あの世・・・冥界に一泊、考えたくもないのぅ。」
「無事に帰って来れば良いのですが。」
「それで?ロイロ殿は何と言っておった?」
「はい、デミオーガの身は儂が受け持つと。」
「ふむ、しかし姫と呼ばれた者も居たのだろう?」
「クラータ嬢ですね。」
エーデルはデミオーガの女性を思い出す。
「何をさせるつもりなんじゃ。」
「今から考えるのではないでしょうか、お聞きしましたが笑って誤魔化されました。」
ホーキンはロイロにこっそり確認したが、答えは帰って来なかった。
「分った、ご苦労だったな。」
「「はっ!」」
エーデルとホーキンは返事を返すと、国王の職務室から退出した。
「ルーカス、問題は?」
「今の所は有りません、有るとすればマルグリット王妃殿下だけで御座います。」
「・・・どうしたら良いと思う?」
「さぁ?」
「さぁって事は無いじゃろ。」
「陛下の奥方です、陛下がお考え下さい。」
「宰相じゃろ?国王の補佐じゃろ?」
「はい、これは業務外と言うヤツですね。」
「っかぁぁあ!!!融通きかせろやぁ!」
「キレないで下さい、さぁ、マルグリット王妃殿下にご報告するのでしょう?行かれては?」
「・・・はぁ、行ってくるかのぅ~。」
エイダン国王は立ち上がる、そして恨めしくルーカスを見るが、ルーカスは目を逸らす。
「はぁ・・・。」
溜息を吐きエイダンは機嫌の悪い嫁の所へ向かった。
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