貴族とのお付き合い!

「ただいまー!」

「ただいまぁ~。」

 千春達はテストも終わり異世界に来ると声を掛ける。


「おかえりなさい千春。」

 微笑む春恵に千春は抱き着く。


「ただいまぁおかぁさん!」

「ほら、着替えてきなさい。」

「は~い♪」

「あれ?うちのお母さんは?」

 頼子はキョロキョロと見まわす。


「今メグさんの所に行ってるわよ?」

 春恵は頼子に答える。


「ま、いっか、千春着替える前に温泉良い?」

「良いけど?もう入るの?」

「うん、アリンさんの所に行くから、汗かいたし。」

「おっけー・・・あ、もうミオ達も来た。」

「千春、お母さんが迎えに行くから着替えてきなさい。」

 春恵はそう言うと日本に戻る、千春も一緒に入ろうかな~と、温泉に向かう。


「はぁ~やっとテスト終わったよー。」

 服を脱ぎながら頼子が呟く。


「おわったねぇ、ヨリ今日どうするの?」

「ん~アリンさんとデートしてその後アリンさんの家に行く予定。」

 2人が話をしていると美桜達が脱衣所に突撃してくる。


「何風呂はいってんのー!?」

「私も入ろ~っと。」

「うちも入るー!」

 青空達も合流し、いつものJK軍団が温泉に入る。


「チハルママ美人だねぇ!」

 青空は春恵を思い出しながら千春に言う。


「んふふぅ~♪今日皆どうするの?」

「ウチはエーデルさんの家に行くよー。」

「私もホーキンさんにお呼ばれしてる。」

「ステルさんの王都邸に行くー。」

「うちもトラディさんとこー。」

「わたくしはブルーワグに行きますわ♪」

「ヒマリお嬢様ぁ!」

「おほほほ♪」

「え?みんな出かけるの?」

 千春はまさか皆が出かけると思っておらず問いかける。


「うん、だから千春はチハルママとのんびり過ごしな~。」

「そそ、水入らずでね。」

「うちらも楽しんでくるでなー。」

 頼子達はニコニコと答える。


「うん、ありがと。」

「良いんだよ、私達も好きで行くんだからさ。」

 頼子は湯船にぷっかり浮きながら答える、暫くテストの話や今日の予定を言い合うJK達。


「私上がるねー。」

 のぼせて来た千春はそう言うと湯船から上がり浴室から出ると、サリナに連れられ着替えに向かった。


「はぁ、私も出ようかな。」

「やっぱ温泉良いよねぇ・・・上がるか。」

「私も~。」

 JK達は皆温泉から上がると着替える。


「・・・ヨリ、それって勝負下着じゃん?」

「ん?ソ、ソンナコトナイヨ?」

「いや、そんな下着普段着ないじゃん。」

「なに?今日勝負すんの?」

 頼子は隠しながら下着を着る。


「ま・・・まぁ・・・ねぇ。」

「へぇ~アリンさん喜ぶといいねぇ。」

 ニヤニヤしながら美桜が言う。


「あ、でもこっちの人ってそういう勝負下着結構引くから気を付けてね。」

 青空は頼子に助言する、すると。


「ソラ、なんでそんな事知ってんのよ。」

「・・・え?えっと、んー、何かそう言う事聞いたような?」

「待て、ソラ、詳しく聞こうか。」

 大愛と麗奈が青空に詰め寄る。


「でもエーデルさんは嬉しそうだったけどなぁ。」

 美桜は思い出しながら呟く。


「ちょ!?ミオさん!?」

「あ。」

「ミオ!?なに?もう勝負してんの!?」

 大愛、麗奈、青空が美桜を見る。


「え~っとぉ・・・ほら、こっちの常識なんだよ、うん。」

「そんなわけあるか!吐け!」

「はいはい!それぞれ色々有るんだから。」

 頼子は自分に火の粉が飛んでこない様に話を〆る。


「私多分最後だなぁ・・・。」

 日葵はポツリと呟く。


「どうしたんヒマリ。」

「いや、私んとこって王族じゃん?多分結婚してからになるんだよねぇ。」

「まぁそうだろうね、チハルもそうじゃん?ねぇモリーちゃん。」

 美桜は服を準備しながら話を聞いていたモリーに声をかける。


「はい、多分そうなると思いますよ?チハルさんも。」

「やっぱそうだよねー。」

「国によって違うと思いますけどぉ。」

「違うの?」

「しきたりとか、色々ありますからねぇ。」

「へぇ、ジブラロールだとどうなの?」

「えっとぉ、婚姻の儀が終わった夜に行いますね。」

「おー初夜だ。」

「はい、そこで私達に見守られながら行います。」

「「「「「「はぁ!?」」」」」」

「どうしました?」

 皆が大声で聞き返すと、キョトンとした顔で返すモリアン。


「え!?モリー、その、やってる所見るの!?」

「私になるか、サリナさんになるか分かりませんけど、見ますよ?ちゃんと行えているか。」

「・・・マ!?」

「はい、王族じゃなくても、上級貴族の嫡子でしたら同じ様に侍女や執事が見てますよ?」

「う・・・ヤバい、ステルさん嫡子だ。」

「トラディさん次男!セーフ!!!!!」

「ハチェット様・・・第一王子ぃぃぃぃ!!!!!!」

 大愛はほっとしたように言うと、青空と日葵が膝から崩れ落ちる。


「ほら、着替えなよー。」

 頼子は皆に着替えを促すと、スタスタと部屋を出て行く。


「千春、それじゃ行ってくるねー。」

「あーい!何か有ったらLIMEしてねー。」

「うぃっす!」

 頼子は千春に手を振り扉から出る、後ろには侍女最年長、レナエが付いて来る。


「レナエさんって伯爵家だよね?」

「はい、ヨリお嬢様、敬称はお止めください。」

「えぇぇ、レナエさんって年上だし伯爵家令嬢でしょ?」

「そう言う決まりなんですよ?」

「面倒だよねぇ侍女の仕事って。」

「そう言う物です。」

「で、レナエってお兄ちゃん居るの?」

「居ますよ?」

「その・・・あの・・・初夜の時ってやっぱり見られながら、その・・・するの?」

「えぇ、最初だけですが、ちゃんと行為が行われるか確認の為に見られますね。」

「マジかぁ、それがこっちの常識?」

「はい。」

 ひぇぇぇ、と言いながら歩く頼子、少し歩くと魔導士団の棟に辿り着く、そして知った道を歩き団長の職務室に辿り着く。


コンコン。


「はい。」

 声がするとレナエが扉を開ける。


「こんちわぁ~。」

「いらっしゃいヨリさん、今日も早かったんですね。」

「うん、テストだったからね、それも今日で終わったし!」

「お疲れ様でした、明日は休みですか?」

「うん、休みー、今日家に行くんでしょ?」

「はい、母にヨリさんを連れて来いと何度も言われておりまして、申し訳ありません。」

 申し訳なさそうに答えるアリンハンド。


「良いよ良いよ、ベアトリクス様優しいし、私好きだもん。」

「そう言ってもらえると有難いです、結構貴族令嬢は姑問題を抱えますので。」

「あ、やっぱりそう言うのこっちもあるんだ。」

「ヨリさんの国でもですか?」

「うん、良好な所もあれば、ドロドロした所もあるって聞くね~。」

 何気ない話をしながらアリンハンドは書類を纏める。


「終わり?」

「はい、急ぎの仕事は有りませんので。」

 立ち上がるアリンハンドは出かける準備をする。


「時間が有りますので街で少し遊んで行きますか?」

「うん!そのつもり♪」

 頼子はニッコニコで答える、そしてふと思い出し確認する。


「アリンさんってさ。」

「なんです?」

「兄弟いるよね?」

「はい、居ますけど。」

「アリンさんって長男じゃないよね?」

「え?長男ですよ?」

 頼子は膝から崩れ落ちる。


「長男だったぁぁぁぁぁ!!!!!」

「え!?何ですか!?どうしたんですかヨリさん!?」

 狼狽えるアリンハンド、そしてorzの姿で崩れ落ちたまま動かない頼子、レナエはそれをスンとした顔で見ていた。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る