マクリの歓迎会!
「チハル用事か?」
モリアンに呼ばれ部屋に入って来たエンハルトが千春に話しかける。
「うん、明日朝からお出かけするから護衛お願いしたいなーって思ってね?」
「明日も出かけるのか?」
「うん。」
「護衛を付けるのは偉いが、何処に行くかで連れて行く者も変わるぞ?」
腕を組んだまま千春にエンハルトは言う。
「んっとねー、空飛ぶ島に行くの。」
「・・・そう言えば母上がそう言う話をしていたな、空飛ぶクジラが居たんだ、その話も本当だったんだな。」
「うん、お母様にも聞いたし、アイトネに場所も聞いたよ。」
水ようかんをおいしそうに食べるアイトネを2人は見る。
「護衛って事は危険な事も有るのか。」
「それはちょっと分かんない、アイトネが言うにはまだ動いてるから防衛システムが動くかもしれないって。」
「・・・相当危なそうに聞こえるんだが?」
「多分大丈夫だよ、アイトネがどこかで見てくれてるはずだから。」
そう言うとアイトネは無言でウンウンと頷いている。
「そう言う事なら・・・空か、竜騎士数人、あとはチハルの部隊の箒持ちの方が良いな。」
「そだねぇ、竜騎士の方はお願いしていい?」
「わかった、エーデル達も連れて行く、レフトとライトにも付いて来てもらおう。」
ドラゴニュートに変化出来るドラゴン2人の名前を言いながらエンハルトは部屋を出て行く。
「おっけ、それじゃサフィー部隊の子数人見積もってもらっていい?」
「了解、サリナ2人ほど連れて来て。」
「そうなるとオクナとフアナですね。」
「そうなるわね、あとはモリアンとラルカが居るからチハル達の護衛は大丈夫でしょう。」
侍女軍団の編成もサクッと決まると大愛が声を掛ける。
「サフィーちゃん、マクリは?」
「危険かもしれませんから留守番させたいですね。」
「そっかぁ。」
残念そうに大愛が言うとミタマが大愛に言う。
「マクリくらいなら吾輩が護衛できるにゃ。」
「私も居ます。」
ミタマが言うと彩葉も同じ様に言う。
「大丈夫?」
「大きくなれるにゃ、乗れば良いにゃ。」
そう言うと大型犬ほどの大きさになるミタマ。
「おー、サイズは自在なんだ。」
「好きな大きさになれるにゃ、これならマクリもイロハも乗れるにゃ?」
「そだね、サフィーちゃん良い?」
「はい、ルプさんやロイロさんも行くでしょうから問題無いと思いますね。」
「勿論儂も行くぞ。」
「俺が行かない理由は無いだろ。」
「わっちも行くけんねぇ。」
「僕もです!」
「・・・私も行くけどぉ。」
ペット達は行く気満々で言う、リリだけは面倒そうに呟く。
「リリは島にフェアリーリング設置してほしいんだけどなぁ。」
麗奈は頭の上に乗ったリリに話しかける。
「勿論良いわよ~♪」
期待されていると嬉しそうに返事をするリリ。
「それじゃ後は・・・。」
千春はサフィーナを見ながら考えていると扉からノックの音がする、少し強めに叩いているようだ。
「だれ!?」
「・・・アリンですね。」
サフィーナが言うとモリアンが扉を勢いよく開ける。
「もっと静かに叩いてください!」
「す!すみません!チハルさん!チハルさんは!?」
「はーい、どしたの?」
「空飛ぶ島に行くと聞きました!私も同行して良いですか!?」
「・・・ダメって言ったら?」
「・・・えぇぇ。」
悲しそうに答えるアリンハンド。
「千春~アリンさんいじめないで~。」
「嘘だよ、ごめんて。」
頼子がソファーに寄り掛かったまま千春に言うと、千春はケラケラと笑いながら謝る。
「それじゃ!」
「はいはい、それじゃ1人追加で、まぁアリンさんは護衛ポジでも優秀だし魔導士居た方が良いもんね。」
「はい!有難うございます!」
「そっちの編成はハルトに任せたからすり合わせしといてね。」
「了解しました!ヨリさん有り難うございます!」
そう言うと扉を閉め足音が遠のいて行く。
「・・・何故私にお礼を言わないんだあの人は。」
千春は不満げに呟く。
「まぁまぁ、チハルどん、ヨリの旦那なんだから。」
「そうそう、どうせあっちでもイチャコラすんだから。」
「せんわ!!!!あんたらもエーデルさんとかホーキンさん来るんだから一緒じゃん!」
「イチャコラしませーん。」
「ウチもしませ~ん♪」
「ほぉ~?イチャコラ判定すっからな!」
「かかってこいや!」
「イチャコラしたら罰ゲームな。」
「誰が判定するのよ。」
頼子が言うと、美桜と麗奈が青空達を見る。
「え?私ら?」
「あんたらの喧嘩に巻き込むな!」
「そうだそうだー!私達の相手は来ないんだから!」
青空、大愛、日葵が文句を言っていると千春がアイテムボックスから何かを取り出す。
「・・・んーっと、あった。」
「何探してんの?」
「ん、コレ。」
千春はそう言うと〇✕が掛かれた棒付きの札を取り出す。
「はい、青空達これ。」
「・・・何これ。」
「なんでこんなもの持ってんのよ。」
「うわぁ100均くせぇ!」
「うん、100均で買った、ゲームで使えると思ってさ。」
「で?コレで判定すると?」
「・・・まぁいいや、罰ゲームはアイツ等だし。」
「よし、ガッツリ判定して罰ゲームさせよう。」
文句を言いつつも3人は札を受け取った。
「それじゃご飯食べよう!マクリの歓迎会だ!」
「何食べる?」
「今日は!・・・マクリ何食べたい?」
「・・・パン?」
「チハルぅ、料理知らないんだから聞いても答えられないって。」
「そりゃそうか、それじゃ代表で・・・。」
千春はキョロキョロと見て1人にターゲットを決める。
「アイトネ!何食べたい!」
『お菓子!』
「ダメだ!やっぱり駄女神だ!晩御飯って言ってんのに!」
『ひどいわ!ダッツのアイスクリームを所望するわ!!!!』
「・・・食後にね。」
「はーい!肉が良いでーす。」
頼子が手を上げる。
「魚の方が良くない?マクリの歓迎会なら。」
青空が言うと大愛がマクリに聞く。
「マクリ魚好き?」
「・・・あんまり好きじゃない・・・です。」
「えー猫って魚好きじゃん?」
「吾輩も好きじゃないにゃ。」
「えー!うっそぉ!何が好きなの?!」
「えっとぉ、最近お店に並んでる柔らかいパンが好き・・・です。」
「ミタマは?」
「肉にゃ。」
「ダイア、魚好きな猫って日本だけらしいよ。」
「うっそぉぉん!」
「魚より肉とかチーズらしい。」
スマホでググりながら話す日葵はスマホを見せる。
「おっけ、それじゃ肉とチーズとパンね、ハンバーガー作ろうか。」
「ダブチ作ろ。」
「ウチは3段重ねにしよ。」
「私は5段だ!」
「んじゃうちは肉分厚くしよ~っと。」
「私は・・・えっと・・・目玉焼き挟む!」
「チハル!ベーコンあったよね!」
「はいはい、材料いっぱいあるから皆で作るよ!」
千春が声を掛けると皆は「おー!」と手を上げる、そして厨房に行くと皆で豪華なハンバーガーを大量生産した。
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