空飛ぶ島!①
「おはようー。」
「おはようチハル、早いですね。」
「サフィーはもう仕事してんじゃん。」
着替えを終わらせ応接間に移動した千春はサフィーナに声を掛けソファーに座る。
「6時か、早過ぎたかな。」
「良いじゃない、自然に起きたなら睡眠は足りてるって事でしょ?」
「まぁねー、マクリは?」
「モリアンと一緒よ、もうすぐ来ると思うわ。」
サフィーナは答えながらお茶を入れる、千春とサフィーナ2人はソファーに座るとマグカップでコーヒーに口をつける。
「普段からその話し方で良いのに。」
ポツリと呟く千春。
「他の侍女も居るでしょ?」
「皆んなサフィーの立場知ってるじゃん。」
「いいのっ、好きでやってるんだから。」
サフィーナはコーヒーを飲みながら言う、暫くたわいのない話しをしているとモリアンとマクリが入ってくる。
「おはよう御座いますチハルさん、早いですね。」
「おはようございますチハル様。」
「おはよーモリー、マクリ、よく眠れた?」
「はいっ!すごくふわっふわお布団でしたニャ!・・・でした!」
「あははは、まだ皆んな起きてないしお茶一緒にどう?」
「・・・コーヒーですかぁ?」
嫌そうな顔をするモリアン、コーヒーが苦手の様だ。
「うん、朝食代わりにマフィン有るよ。」
「いただきまっす!」
「良いんですか?」
モリアンはサフィーナの隣に座り、マクリは千春に手招きされ千春の横にちょこんと座る。
「おいひいれふうっ!イタァァァイ!!」
「食べながら話さない。」
しばかれたモリアンを見てマクリがビクッとする。
「おはー千春。」
「おはヨリー。」
「ふぁぁぁ、準備わぁぁ?」
「終わってるよ。」
「ふぇぇい、顔洗ってくるぁぁ。」
頼子は挨拶すると早々に部屋から消えた。
「いつ出発するんですか?」
モリアンはマフィンを飲み込み千春に問いかける。
「皆んな集まったら。」
「えー、そんなアバウトな。」
「良いじゃん、アイトネが直行便出してくれるし。」
『呼んだー?』
「呼んでない、マフィン食べる?」
『いただきまーす♪』
のんびり朝のティータイムを楽しんでいると、ユラが入ってくる。
「チハルおねえちゃんおはようございます!」
「おはよユラ、どうしたの?」
「レンちゃんと遊ぶから呼びにいくの。」
ユラの頭の上には妖精のルルが座っている。
「チハルおねえちゃんお出かけするの?」
「・・・ん、うん、ちょっとね・・・ユラ達連れてて行ったら危ないかな?(ボソッ)」
「なんとも言えませんね。(ボソッ)」
「あぶないの?」
「聞こえるんかい!ユラ耳良すぎでしょ!」
『ユラちゃんは私が見ててあげるわよ。』
マフィンを食べ終わったアイトネが千春に言う。
「いいの?」
『マフィンのお礼♪広い花畑があるから、そこで待ってるわ。』
「それじゃお願いしようかな、ユラ、レンちゃん連れてきて。」
「はーい!」
ユラはイーレンの王都邸にルルとフェアリーリングで移動して行った、待っている間にも次々と人が揃いだす。
「おはようチハル、竜騎士の方は準備出来たぞ、イー、アル、サンも来てくれるそうだ。」
「ありがとうハルト!行く人増えたから。」
ソファーでキャッキャしているユラ、レン、そして気付けばヴァンパイアのイーナも居る。
「子供達も連れて行くのか?」
「うん、アイトネが見ててくれるから、絶対大丈夫。」
「それなら問題無いな。」
エーデル、ホーキン、そして竜騎士団からは団長のフィークス達4人がそれぞれダフニー達ドラゴンに乗って待機している。
『準備出来たみたいね。』
「アイトネお待たせ。」
『構わないわよ、お菓子美味しかったし。』
ニッコニコのアイトネが答える、千春が続けて確認する。
「直接空飛ぶ島に行くんだよね?」
『別に行っても良いけど・・・最悪死んじゃうわよ?』
「へ?」
『気圧半分だし、酸素も半分だもの、結界は一応かけるけどゆっくり上がった方がいいと思うわよ?』
「・・・フェアリーリング作って直接行ったら?」
『チハルの所で言う高山病待ったなしってヤツね。』
「くそぉ、こう言う所だけファンタジーじゃ無い!」
『ロイロとルプに風魔法の結界張って貰えば大丈夫よ。』
「そっか、それならまぁ、それじゃ今日は地上から?」
『そ、ドラゴンも居るし箒でゆっくり上って行けば良いわ。』
「了解、それじゃ庭に集まれー!」
千春が言うと皆ゾロゾロと外に出る。
「寒っ。」
「雪降りそうだね。」
「雪降ったらカマクラ作ろっと。」
「ミオ、1人で作りなよ。」
「そうだよ、私達巻き込むなよー寒いんだから。」
「子供は風の子でしょ!」
「「「子供はミオだけだよ!」」」
美桜に突っ込む麗奈や青空達、千春は一緒に作る!と言おうとしたが踏み止まった。
『それじゃ準備良いわねー、行くわよー。』
アイトネはそう言うと軽く手を振る、JK軍団、侍女&部隊達、エンハルトやアリンハンド、そして護衛の者がその場から消える。
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「・・・あっつぅぅっぅぅぅぅっぅ!!!!」
「ちょっ!!!!夏服持ってきてない!!!!!」
「うわぁ・・・砂丘ってこうなってんだ。」
「ミオ、これ砂漠って言うんだよ。」
「知ってるわい!」
「ダイアぁぁ、氷魔法おねがぁぁい。」
「いや、氷魔法でどうなる物でも無くね?コレ。」
「ヤバ、マジで日差し痛いんだけど。」
千春達はアイトネが手を振り景色が変わると砂漠のド真ん中に立っていた。
「アイトネさん?ココ何?」
『何って砂漠だけど?』
「さっきまで冬だったんだけど!」
『だって北に移動したら季節も変わるわよ。』
「うへぇ、服脱ぎたい!」
『大丈夫よ。』
アイトネはそう言いながら上を指差す。
『あの島は寒いから。』
「何度くらいなの?」
『普通なら0度くらいね。』
「マ?」
『マ。』
「取り敢えず皆ドラゴンと箒に乗って!地面が熱い!」
朝早く出た千春達だが、経度も違うのか太陽はかなり上っていた。
「ペット達は各自誰かにくっついて!」
「俺は自分で行ける、ユラ、レン、イーナ俺に乗れ。」
「はーい!」
「お願いします。」
「イーナは変化するのですっ!」
それぞれがドラゴンに乗り飛び立つ、侍女達もマイ箒に跨ると地面を蹴る。
「上見ても何もなくね?」
『あそこよ。』
美桜が箒に乗り地面を蹴りながら上を見るが、青空しか見えない、アイトネは指を差すが何も見えない。
「えぇぇ、ちっちゃい?」
『小さくないわよ、少し上がればチハル達も見えるわ。」
「アレじゃん?あの黒いの。」
頼子が目を細めながら上を見て言う。
『そうそう、それじゃ行きましょう~♪』
アイトネは当たり前の様にふわりと浮き上がり空を飛ぶ。
「それじゃ行きますかー。」
「おー!ってのんびり行くんだっけ?」
「高山病怖いって言うしね。」
「大丈夫じゃん?チハルの治癒もあるし、アイトネ様も居るじゃん。」
「そだね、でものんびりいきましょ~い♪」
JK達はそう言うと、黒い点に向かって飛んで行った。
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