猫耳少女は侍女になる!
「可愛い!」
「カワイイ!」
「かわいい!」
「キャワ!」
「尊い・・・。」
「猫耳は反則だ!」
JK軍団は王宮に戻るとマクリに侍女服を着せて楽しんでいた。
「サフィーよくサイズあったね侍女の制服。」
「コレはユラ用ですよ。」
「へ?ユラ侍女服着る事あんの?」
「はい、レンとルペタ様3人で侍女ごっこしてますから。」
「お遊び用?」
「それが、ちゃんと仕事するんですよ。」
少し困った様に言うサフィーナ。
「簡単な仕事?」
「えぇ掃除や王宮内の配達、色々されてますね。」
「えぇ~、なんで?仕事したいの?」
「遊びでやると怪我をする事もあると説明したら真面目に仕事する様に、それでもお遊びの一環の様です。」
「まぁ出来ないより出来た方が良いだろうけど。」
「はい、メグ様にも同じ事を言われました、社会勉強になるから自由にさせて良いと。」
困り顔だが笑みを浮かべ説明するサフィーナ。
「なんにゃ!猫娘がいるにゃ!」
「あら、新しい侍女さんですか?」
猫又の三珠と和人形の彩葉が帰ってくるなり声を掛けてくる。
「おかえり、イロハ何処に行ってたの?」
「お散歩よ。」
「ずっと吾輩に乗ってたにゃ、散歩とは言わないにゃ。」
彩葉を降ろすと、ミタマはマクリに近寄る。
「何処ぞの妖怪にゃ?」
「ミタマ、マクリはこっちの種族で妖怪じゃ無いからね。」
「そうなのにゃ?」
「えっとミタマさんよろしくですにゃ・・・です!」
思わず『にゃ』をつけてしまうマクリは慌てて言い直す。
「マクリちゃん語尾に『にゃ』付くの?」
「つ・・・つけないようにきをつけています・・・です。」
「あー、だから間が開いて、ですって言ってたんだ。」
「そう・・・です。」
「ミタマってにゃって言うよね。」
「言わなくてもしゃべれるわい。」
「うっわ、違和感すっご。」
「なんでニャ付けてんのさ。」
「昔仲の良かった人間が、猫はニャを付けるもんだって言ったにゃ、それでニャ付けてたら癖になったんにゃ。」
「吾輩は?」
「それもその人間が、猫は自分の事を吾輩と言うって教えたにゃ。」
そう言うミタマは満足そうだ。
「マクリちゃん、無理に話さなくて良いよ?ニャ付けても良いからね?」
ダイアはマクリの前にしゃがむと話す。
「有難うございます・・・です、お母さんが人と生活するならニャは卒業しなさいって言ってたん・・・です。」
「そっか、無理しなくて良いからね。」
ホッとした顔でマクリは頷く、話をしていると扉のノックが聞こえ、サフィーナが扉を開ける。
「チハルちゃんお世話になったわね。」
部屋に入って来ると声を掛けて来たのはフリエンツ王国女王のマリーナだ。
「あ、帰られます?」
「えぇ、そろそろ帰らないとナラーシャに怒られてしまうわ。」
「チハルさん、また来るわね。」
ニッコリ笑みを浮かべ手を振って挨拶したのは、インパイ族のティスケリーだ。
「ティスケリーさんまたクジラになるの?」
「もちろん、荷物を運ばないといけないもの。」
ティスケリーが言うとマルグリットも部屋に入って来る。
「マリーナ、ティスケリー、またいらっしゃいね。」
「10日後にはまた来るわ。」
「ティスケリー本気なの?」
マリーナが呆れた様に言う。
「テンドンの魅力はそれ程なのよ!」
「さっきも食べたじゃない。」
「まだ食べたいわ!」
クスクスと笑うマルグリット、呆れ顔のマリーナは溜息を吐く。
「お母様ティスケリーさんに乗って他の大陸に行ったんですか?」
「行ったわよ、他の大陸からやって来た船が難破してね、そこの貴族から頼まれごとを受けたのよ。」
「へぇ~、その貴族さんは?」
「お迎えが来て帰ったわ。」
「遠いんですか?」
「船で1大月程かしら、ティスケリーだと2日は掛かったわよね。」
「途中の島でのんびりしなかったら1日で着いたわよ。」
自分の飛ぶのが遅いと言われたように聞こえ、ティスケリーがプンプンと怒る。
「島ですかー、南の島・・・あ、こっちだと北の島なのかな?」
「北も南も無いわよ、その島は移動するもの。」
「はぃ?移動する島ですか?」
「えぇ、なんて言ったかしら。」
「バレアタスよ、大昔に滅びた国が作った空中要塞島。」
「あーそれよそれ。」
「空中要塞!?」
千春よりも頼子達が目を光らせ反応する。
「何が有ったんですか!?」
「宝とか!?」
「なんで滅びたんだろ。」
「ほら、某アニメで人は土から離れて生きられないって言ってたじゃん。」
「言ってたねー、最近見てないなアレ。」
頼子達が問いかけたり話をすると、マルグリットとティスケリーが答える。
「遺跡は有ったわ、でも私達じゃ開ける事が出来なかったのよ、エイダンが壁壊していくつか部屋を見て回ったけど、たいしたものは無かったわ。」
「滅ぼされたのは、むか~~~~し昔の話よ、伝説では神に喧嘩を売って滅ぼされたって言われてるわ。」
ティスケリーが言うと千春達は大人しくケーキを食べているアイトネを見る。
『・・・ん?』
「いやー、それはデマでしょ、神様ってあの女神様でしょ?」
「だよねぇ、アイトネ様が国を滅ぼすとか想像つかないわ。」
「うん、ニコニコしながらお菓子食べてるイメージしか無いわ。」
千春、頼子、そして麗奈がアイトネを見ながら言う。
『バレアタスなら滅ぼしたわよ、私が。』
「「「「「「・・・・ええぇぇぇぇぇ!!!!!!」」」」」」
JK軍団は揃って大声を上げる、すぐ横にいたマクリは何事かと耳を立て尻尾までがぶわっと膨らむ。
「え?アイトネが?国滅ぼしたの?」
『えぇ、結構昔の話よ。』
「なんで!?何したの?その・・・バレバレ国は。」
『簡単に言うと、邪神を召喚するために何百人もの生贄を殺して、本当に召喚したから私が邪神を出て来た瞬間に消滅させたの、そしたら・・・私を邪神と勘違いして命令して来たのよ。』
「・・・呼べるんだ邪神。」
『あの中の1人に他の異世界の転生者が居たのよ、文明を一気に成長させて、さらに魔導王国とまで言われるくらい大きくしたの、そこまではまだ許せたんだけどねぇ~、こんな可愛い女神に向かって邪神とか、滅びてもしょうがないじゃない?』
フンッと鼻息を荒くしながら説明するアイトネ。
「それって管理者ルール的にどうなの?」
千春はふと思い問いかける。
『全然セーフ、どの管理者でも同じ事をするわ。』
「神様に喧嘩売ったから?」
『そ、直ぐに謝ればちょっとくらいは許したかもしれないけれど~。』
「神様怒らせたら怖いね。」
「ホントな、アイトネ様は怒らせたらダメだ。」
「・・・怒るの?アイトネ様。」
頼子達が話を聞きアイトネを見ながら呟いていると千春がポツリと喋る。
「・・・ごめんなさい。」
『・・・それくらいじゃ怒らないわよ。』
千春がいきなり謝り、アイトネはクスクスと笑う。
「千春何で謝ったの?」
「いや、駄女神ってたまに思ってたから、謝った。」
『チハルだもの、それくらいじゃ怒らないわよ、それに本気で言って無いでしょ~♪」
「・・・ごめんなさい。」
『ひどいっ!チハルひどい!エクレアを所望するわ!』
「しれっとアイテムボックスの中身把握するのヤメてくださーい!」
千春はお詫びとしてコンビニのたっぷり生クリーム&カスタードエクレアをアイトネに渡す。
「それではアイトネ様、私達は失礼致しますね。」
マリーナが言うとディスケリーも頭を下げ部屋を出る、マルグリットも見送りをするようで一緒に出て行った。
「アイトネ、そのバレバレ国の空中要塞ってまだ飛んでるの?」
『ちょっとまってね。』
アイトネは目を数秒瞑る。
『まだ結構飛んでるわねぇ。』
「わかるの?」
『あの国の物はマークしてたから、まだ飛んでるわね。』
「そう言うのって人間に見つからないの?」
『無理ね、ドラゴン達みたいに飛べないでしょう?』
「あ、そう言えばそうだった。」
「チハル、箒で行けるんじゃん?」
「ドラゴンが行けるならドラゴンに乗って行ける?」
「一番近い空中要塞って何処かな。」
「何が有るのかなぁ、要塞って事は武器みたいな物があるのかな?」
頼子達は何故か行く気満々だ。
「えぇ~ヨリ達行くつもり?」
「行けたら行ってみたくね?」
「アイトネ、一番近い所って何処飛んでるの?」
『そうねぇ、ここからチハルの世界で言う距離だと6000㎞くらい離れた5㎞くらいの高さを飛んでいるわね。』
「5㎞の高さって?」
「標高5000mだから富士山より高いね。」
「エベレストより低いじゃん、行けそうだねぇ。」
「いや、6000㎞離れてるってそっちの方が大変じゃん。」
「6000㎞ってどれくらい離れてるかわからん。」
「え~っと・・・。」
皆がワイワイ言うと日葵はスマホで検索する。
「えっとね、東京からウズベキスタンまでの距離だって。」
「・・・ウズベキスタンって何処?」
「知らない。」
「たしか中国挟んで向こう側じゃなかった?」
麗奈は思い出しながら美桜と青空に言う。
「遠いな!」
「いや、流石に遠いわ、無理っしょ。」
「リリのフェアリーリングは行った所しか飛べないもんね。」
「チハル、ドラゴンって時速何キロくらい出るの?」
「私達が乗ったら200㎞くらいのはずだよ。」
「・・・にーしーろーので3の0つけて30時間!」
「うん、無理だ、あきらめろん。」
「・・・。」
諦めモードの所で頼子がアイトネを見る、そして影から箱を取り出す。
「アイトネ様、こちら、父のお中元で頂いた物で御座います。」
恭しく片膝を突き箱をアイトネに渡す頼子。
『え?良いの?』
「はい、中身は水ようかんと聞いております。」
アイトネは受け取ると丁寧に包装を取り箱を開ける。
『・・・美味しそう!』
「それで・・・お願いが。」
『良いわよ!送り迎えしてあげる!』
「「「「「よっしゃー!!!!!」」」」」
千春以外のJK軍団は飛び跳ね喜ぶ。
「・・・サフィー、お出かけの準備お願い。」
「・・・前も言いましたよね、いつでも行ける準備終わってますよ。」
「・・・そっか、さすがサフィー。」
千春とサフィーナは真顔になり頼子達を見ながら呟く。
「あ、アイトネ、そこって危ない?」
『どうかしら、飛んでるって事は機能しているって事だから、防衛システムくらいは動いてるかもしれないわねぇ。』
水ようかんを箱から出しながら答えるアイトネ。
「そっか、それじゃ護衛居るかな。」
「そうですね、部隊を数人連れて行きましょう、ヨリ達にも1人づつ付けた方が安心ですから。」
「そだね・・・あ、アイトネ。」
『何?』
「それ冷やして食べないと美味しくないよ。」
『・・・えい!』
アイトネは一声かけると水ようかんはキンキンに冷える。
『冷えたわ♪』
「能力の無駄使いってこういう事なんだろうね。」
千春は呆れる様にアイトネを見る、そしてまだキャッキャしている頼子達を見て溜息を吐いた。
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