みんなあつまた!

ピンポーン


「いらっしゃい!」

「チハルおひさー。」

「ちゃお!悪いね予定ずらしちゃって。」

「いいよいいよ、入って。」

「おじゃまー。」

 夕暮れ時、千春は美桜と麗奈を招き入れ異世界に移動する。


「お、きたきた。」

「やほー。」

「全員揃うの久しぶりじゃね?」

「確かに?」

 頼子は青空達と寛ぎながら美桜と麗奈に声をかける。


「ほい、おみゃーげ。」

「いっぱいあんねぇ。」

「ママが持って行けって渡された。」

「レナママいつ来んの?」

「用事終わらせたら来るらしいよ、今日来るかは知んないけど。」

 青空はお土産を開けながら言う。


「で?遺跡いつ行くん?」

「明日の朝出発、今部隊編成してるらしいよ。」

「へぇ本格的だね。」

「魔道師団数人と騎士団、竜騎士団も出るらしいよ。」

「そんな大人数でいくの?!」

「調査する人はね、私達はフリーで遊ぶよ、ただ・・・。」

「ただ・・・何?」

 千春ひ真面目な顔をして皆を見る。


「絶対に守らないと行けない事が有ります。」

「何?」

「え?何?怖っ。」

「それは!・・・遺跡を壊すな!だそうです。」

「・・・いや、壊さないでしょ。」

「どうやって壊すんよ。」

 呆れるように美桜と麗奈が呟く。


「あ!そうだ!」

 千春はおもむろに飾って有る日本人形をテーブルに座らせる。


「みてみて、おばぁちゃんに貰ったの。」

「おぉー、結構古い?」

「日本人形って独特の怖さ有るよね、この人形は可愛いけ・・・どぉぉおわぁぁぁ!!!!」

 麗奈が人形を見ていると、顔が勢いよく麗奈を向く。


「わはははは!!!」

「クッソわろwww」

「うち達もやられたんよーwww」

「いや、絶対ビビるってコレ。」

 椅子からひっくり返る美桜と麗奈は目を見開いている。


「え?なに?呪いの人形?」

「んにゃ、付喪神だってさ、イロハご挨拶して。」

「こんにちわ、イロハと申しますよろしくお願いします。」

 彩葉はペコリと頭を下げ挨拶をする。


「おぉ、喋るんだ。」

「喋れなかったんだけどね、盆の間に魔改造してさ、スピーカー内蔵にしてみた。」

「なにそれどういう技術なの?」

「さぁ?アイトネがスマホの電波の要領で翻訳魔道具の魔石と繋げたっぽい、謎技術だね。」

「凄いのか凄くないのかわかんないな。」

「いや、凄いだろ。」

 嬉しそうにする彩葉を見ながら呟く美桜と麗奈。


「その子何か出来るの?」

「うん、ゴーレム操作出来るんだよ、あ!これ見て!」

 千春はアイテムボックスから金属で出来た小さなゴーレムを取り出す、千春より小さい、ユラより大きいくらいの某ロボットアニメに出て来るようなゴーレムを見ながら言う。


「・・・なにこれ、アニメに出て来るロボットじゃん。」

「うん、お父さんに言ったらノリノリで金属魔法使って作ったゴーレム。」

「へぇ、綺麗な金属だねー。」

「コレ全部ミスリルなんだよ、モチーフはユニコーンなんちゃらって言ってたわ、知らんけど。」

「こんなにいっぱい良く有ったね。」

「盆のあいだにさ、ミスリル鉱山行ってきたんだよ。」

「へぇ、勝手に採って良かったの?」

「・・・魔物がね、めっちゃいて封鎖中だったのをね・・・討伐してきてね・・・。」

 凄く嫌な顔をしながら呟く千春。


「へぇ討伐の報酬で貰ったのか。」

「まぁそうなんだ。」

「千春詳しく教えないの?」

「イヤ!思い出したくない!見てこの腕!」

 千春は嫌な事を思い出し、腕を見せると鳥肌がたっていた。」


「ヨリ、何が有ったの?」

 不思議に思い、麗奈が頼子に問いかける。


「・・・まぁ、その、あれだ、坑道入ったらさ・・・壁から天井から一面に巨大なゲジゲジがさ。」

「いやああああ!!!思い出したくない!やめて!」

「うわぁぁ!!!うちも思い出したくなかった!!!」

 千春と日葵が喚きだした。


「うぇぇ・・・そりゃ嫌だな。」

「それで?そのミスリルロボット動かせるんだ。」

「うん、イロハ良い?」

「うん、いいよ。」

 千春はロボットの胸を観音開きで開くと彩葉を入れる。


「えっと、入れる時は、なんだっけ。」

「ぱいるだーおん。」

「そうそうソレ、ぱいるだーおん!」

 千春はそう言うと彩葉を入れ扉を閉める。


「イロハ動かしてみてー。」

「はーい、イロハ行っきまーす!」

 そう言うとロボットが動き出す。


「へぇ、凄いスムーズに動くね。」

「最初は歩くのも大変だったけどねぇ、ロイロ達のお陰で凄く動けるようになったよ。」

「え?ロイロちゃん?何したの?」

「・・・模擬戦?格闘?」

「何それ怖い。」

「それよりさ、その入れる時とか動く時の言葉って何?」

「お父さん監修だから知らなーい、合体する時はコレだ、動く時はこうだって言ってた。」

 呆れ気味に言う千春。


「まぁ何か色々凄いってのは分かったよ、で?明日の準備的な物は?」

「全部終わってるよ、後は編成された人達と一緒に移動するだけ。」

「移動はどうすんの?外寒そうだけど箒は嫌じゃん?」

「あ、なんか飛空艇出すらしい。」

「お!マジか!乗れるの!?」

 美桜が嬉しそうに言う。


「うん、稼働も問題無し、まずは主要貿易国に定期便出すってさ。」

「おー、それ出してもらえるんだ。」

「まぁ何人行くか知らないけど結構いるっぽいからね、ドラゴンじゃ全員行けないっぽい。」

「そりゃそうか、それじゃ寝るか。」

「いや、早いじゃろ。」

「そだよ、晩御飯食べてないし!」

「お、ピザ食べる?」

「えー異世界来てピザかよー。」

「ほぅ?異世界のピザ舐めてないかい?ミオどん。」

「そうだぞ?私が作った海鮮ピザ見てビビんなよ?」

「明太ピザも美味しかったよね~♪」

「何それ食べたい。」

 美桜と麗奈は手のひらを返し答える。


「それじゃ食べますかぁ。」

「チハル!コーラ!」

「私はコーラじゃない。」

「いじわる!ピザにはコーラでしょ!」

「はいはい、今持ってきますよ~。」

 サフィーナは先ほど焼いたばかりのピザを次々と並べる、ピザは大きなエビやイカが具沢山の海鮮ピザや、明太、照り焼きチキンと豊富にある、千春は冷蔵庫からコーラを持ってくる。


「それじゃ食べますかー。」

「千春、私を出して。」

「あ、イロハごめん、味覚は私につなげて良いから。」

 彩葉をゴーレムから出し横に座らせ改めて言う。


「それじゃ、いただきまーす!」

「「「「「「いただきまーす!」」」」」」






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