冬の海鮮!

「ヨリ、ここの公式何だっけ。」

「私に聞くな、レナ。」

「ミオー。」

「しゃーらっぷ!ぜぇあのううぇいあんだすたん!」

「ちっ、ググるか。」

 頼子、麗奈、美桜の3人はテーブルを囲み勉強をしていた。


「・・・飽きた。」

「ウチなんて1時間前から飽きてるわ。」

「休憩する?」

「休憩したらもうやんないと思う。」

「「デスヨネー。」」

「終わりですかぁ〜?」

 モリアンがそう言うと、ラルカはお茶を淹れる。


「そだねー、なんかスイッチ切れたね。」

「あの子達は元気だねぇ。」

「子供は風の子だから。」

 3人は外を見ると、ユラが、イーレン、ルペタと一緒に雪だるまを作っている。


「勉強はもう終わりか?」

「ロイロちゃんおかえりー、結構やったし休憩中?」

「休憩って言うか終わり!遊びたい!」

「ふむ、遊びに行くか?」

「「「行く!」」」

「ヨリさん、せめてどこに行くか聞いてくださいよぉ〜、私たちも護衛でついて行くんですからぁ。」

 即答する頼子達にモリアンが物言いを付ける。


「で?何処に行くの?!

「フリエンツじゃな。」

「フリエンツって何処だっけ。」

「あそこだよ、海洋国家、リヴァイアサンとウンディーネの女王様が居るとこ。」

「遠くね?」

「リリ居るじゃん、フェアリーリング設置してたっしょ?」

 リリはユラ達と外で遊んでいる、それを見ながら呟く麗奈。


「フリエンツで何するの?」

「フリエンツの貿易商が到着したらしくての、今フリエンツの魚が美味いらしいんじゃ。」

「マ?」

「行くしかないね。」

「まって!何がいる?海鮮丼のタレとか醤油とワサビ?」

「海鮮天ぷらとか良いよね。」

「ヤッベ、涎垂れたわ。」

「私台所見てくるわ。」

「ウチ買い出ししてくる、必要な有ったらLIMEしてね、アイトネ様呼ぶわ。」

「おっけ、私はググって必要な物調べるわ、モリーちゃんユラちゃん達連れて行って良いか確認お願い!」

「了解でっす!」

 皆は乗り気で動き出す、ユラ達もラルカに呼ばれ喜んでいた、美桜はアイトネにLIMEをするとすぐに現れる。


「アイトネ様お買い物に行きたいのでお願いします。」

『りょうかーい、何買うの?』

「フリエンツに海鮮食べに行くので、タレとか食材ですね。」

『・・・私も行く。』

「買い物ですか?」

『フリエンツに!絶対美味しい物食べるでしょ!?』

「はい、行きましょう!」

『モート!』

「どうした?アイトネ。」

『海鮮食べに行くって、行くでしょ?』

「そうだな。」

 アイトネは美桜を連れ日本のスーパーへ、頼子達は荷物を影に収納し準備する。


「戻りましたぁ!」

「モリーちゃんおかえりー、メグ様どうだった?」

「それが・・・。」

 モリアンが言うと後ろからマルグリットが現れる。


「ヨリちゃん私も行くわ、あら、モート様ご機嫌麗しく、モート様も行かれるので?」

「あぁ、アイトネに呼ばれてな。」

「アイさんも行くの?それじゃ護衛は要らないわね。」

 マルグリットがそう言うと、マルグリットの付き人エリーナは他の侍女に声を掛け下がらせた。


「えーっと海鮮丼なら長芋と大葉っと・・・。」

「天ぷらもするの?」

「海鮮天ぷら丼?」

「なんでも丼にするなぁ、天丼のタレなら作れるから大丈夫だね。」

「ヒマリはどうする?」

「あ、シュシュちゃんこっちに居るから帰って来れないね。」

 頼子は日葵に連絡すると一緒に行くと返事が返って来る、ルペタは日葵を迎えに行く。


「やっほ~ただいま~、遊びに行くんだって?」

「どこにいくにゃぁ?」

「おかえりヒマリ、ミタマ、魚食べに行くよ!」

 日葵とミタマに頼子は答えると、ミタマが喜ぶ。


「魚にゃ!?」

「魚にゃ~、美味しいらしいよ~♪」

 日葵に抱かれたミタマは嬉しそうにしている、暫くするとアイトネと美桜も帰って来た。


「ただいまー、ヨリこれお願い。」

「ほいよ~。」

 買い物袋を影に収納するとアイトネは皆を集める。


『それじゃぁ送るわよ~♪』

「アイトネ様ノリノリだね。」

『だってー美味しい物食べたいじゃない?』

 アイトネはそう言うと手を振ると景色が変わり、城の前に到着した。


「何者だ!?」

「ジブラロール王国王妃、マルグリット・アル・ジブラロールよ、急な訪問失礼するわね、マリーナ女王はいらっしゃるかしら?」

「はっ!少々お待ちください!」

 鰭族の男はそう言うと城に入る。


「街に行っても良いけど挨拶だけしておきましょうか。」

「はーい。」

 中に案内され応接間に入る面々、そしてマリーナ女王が入ってくる。


「メグさん久しぶりね、エイダンは来てないの?」

「久しぶりね、今日は魚を食べに来ただけよ。」

「魚を?それだけの為にジブラロールから?」

「えぇ、二柱の方々に連れて来て頂いたのよ。」

 そう言うとマリーナは膝を突く。


「失礼しました女神アイトネ様、先日は有難うございました。」

『良いのよ、あれは私の仕事ですもの。』

 バグに浸食された大蛸を処理したアイトネにマリーナがお礼を言う。


「魚ですね、準備させますのでお待ち頂ければ。」

「あ、女王様、料理させてもらいたいんですけれど!」

 頼子と美桜、麗奈、そして日葵がソファーから立ち上がり声を掛ける。


「料理ですか?構いませんが・・・それでは厨房の方に準備させましょう、ご案内致しますね。」

 マリーナが言うと、何故か皆付いて来る。


「厨房の方って食べる所有りますか?」

「食堂が隣に在りますが、兵士や城の者が食べる所ですから部屋を準備させますわ。」

 頼子が言うと、マリーナはそう答え部下に指示をする。


「ココが調理場ですわ、魚は直ぐに準備させますが、どんな魚が必要かしら?」

「色々食べてみたいです、あとエビとかイカとかも有れば。」

「分かりました、色々揃えますね。」

 そして頼子達は調味料を取り出し準備をしていると、次々に魚介類が運ばれてくる。


「・・・マグロキター!!!!!」

「でっか!これは流石に捌けないでしょ!」

「いや、これ見てよ、見た目鯛なんだけどサイズヤバい。」

「お嬢様方、身に切り分けますので。」

 料理人はそう言うと、数人で魚を捌き頼子達に渡していく。


「これは・・・刺身だけじゃ食べきれないね。」

「このマグロっぽいのヅケにしよ。」

「作れんの?」

「チハルに教えてもらったから作れるよ~ん。」

 頼子はそう言うと、一口サイズに切り分け、ヅケダレを作り火にかける。


「私は天ぷら作るわ。」

「おっけ~、私はフライにしよ。」

「レナ!フライにするならタルタルで!」

「んじゃヒマリはゆで卵と玉ねぎ微塵切りよろ~♪」

「了解しました!隊長!」

 日葵はお湯の中に卵を入れ茹でる。


「あー!!!!大事なの忘れてたぁ!!!!」

 頼子が急に大きな声を出す。


「え!?何!?ビックリした!」

「何忘れたの?!」

「何!?何!?」

「ご飯!!!」

「「「あーーーーー!!!!!!」」」

『取って来るわ!』

 アイトネはそう言うと一瞬で消えた。



------------



『ルノアーちゃん!ご飯頂戴!』

「うわっぁぁぁ!!!!!ビックリしたぁ!!!!!女神様じゃないですか!どうしたんですか?!」

『ご飯ちょうだい!いっぱい!』

「え゛?何を作りましょうか!?」

『違うの!お米!ご飯!』

「あぁ・・・どれくらい必要ですか?」

『沢山欲しいわ!』

「・・・えっと、今あるのはそこの釜に入っている分だけですが、少し待っていただければ直ぐに炊きます・・・が。」

『ちょっと待ってて!』

 そう言うとアイトネが消える。



-------------



『ヨリちゃん!』

「うわぁ!!!びっくりしたぁ!早かったですね、ありました?」

『少しだけあったわ、ルノアーちゃんが今から炊いてくれるって言ってるの、どれくらい必要かしら。』

「えっとー・・・。」

 頼子は見回す、ユラ達幼女は茶碗一杯でも多い、そして頼子達も丼を食べるがメインは海鮮だ、ただ興味津々に見ている料理人、そして同じく見ているマリーナ、いつの間にか来ているリヴァイアサンのガゥアン、底なしの胃袋を持つアイトネとモートを見る。


「え~・・・この鍋いっぱい入るくらいですかねぇ。」

 寸胴鍋を指差し言うと、アイトネはヒョイっと手に取る。


『貰って来るわ!』

 そう言うとまたアイトネが消えた。


「・・・アイトネ様必死過ぎじゃん?」

「いや、それだけ楽しみにしてるって事じゃん?」

「そだねー、美味しいご飯作ろうぜ~。」

「そやね、よーし作るぞぉ!」

 頼子達は笑顔になり調理を始めた。



-------------



『ルノアーちゃん!この鍋いっぱいにご飯頂戴!』

「うあぁ!・・・了解です!お前ら!直ぐに飯を炊け!大急ぎだ!」

 調理の手を止めジブラロールの王宮食堂は一斉にご飯を炊きだした。







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