第59話 見せびらかしざまぁ攻撃

 次の日、広季は舞の自宅に誘われた。


 一緒に帰路に就き、2、3度目の舞の自宅にお邪魔する予定だ。


「あ…森本君…」


 自宅の前で、光と遭遇する。光も同じタイミングで帰宅したらしい。


「あら…。おかえりなさい」


 ご機嫌な様子で挨拶し、舞は広季の左腕に抱きつく。まるで光に仲の良さをアピールするようだった。


 光の肩が大袈裟に大きく跳ねる。


 大きい胸の弾力が広季の身体に伝わる。


 当然、興奮を抑えられない。広季のあそこも敏感に反応する。ビンビンに立ち上がる。


「うち達は自宅で楽しい時間を過ごすから。邪魔しないでね」


 1つの警告を残す舞。


「…う、うん。わかった」


 舞の目を直視できず、光は俯いがちに返答する。完全にパワーバランスが見て取れる。


「妹もそういってるから。放っといて一緒に入るの。妹を見てると不快になるでしょ」


 強引に舞は広季の腕を引く。そのまま自宅に引き寄せる魂胆だ。


(確かに間違ってないけど。本人の前でそれを口にするとはすごい勇気だな。いくら姉妹と言えどもね)


 舞に自宅に通された広季。以前とは異なり、舞は自室ではなく、リビングに広季に案内する。リビングは玄関の直近の位置だった。


 リビングには50インチ以上のテレビが存在感を発揮する。リビングで1番目立っていた。巨大なテレビの前にはソファもあった。


「さあさあ、あそこのソファに座って欲しいの。弾力があって、座り心地は極上なの! 」


 抱きついた状態で広季の腕を引きながら、舞はソファを指差す。


(弾力なら舞さんの胸も負けてないと思うけど)


 無言で流されるように舞に誘導され、広季は共にソファに座す。


(確かに舞さんの言う通りだ。座り心地は上等だ。お尻に優しい)


 お尻には弾むような感触を覚えた。何度も堪能したい感覚だった。舞の胸とは異なる種類の弾力であった。舞の胸の弾力の方が広季をダメにするタイプである。


 広季と舞の後を追うように、光がリビングに足を運んだ。


「どうしたの? 邪魔しないでって忠告したよね? 」


 突如、舞の表情が変貌する。。冷たい目線、冷たい口調に姿を変える。


「…ちょ…ちょっと手洗いうがいを済ませるだけだから。…すぐにこの場から消えるから」


「そっ。じゃあ早くしてね。お願いね。言質取ったからね」


 冷たく対応し、舞は広季に視線を向ける。上目遣いで広季を見つめる。


「う、うん。早く終わらせるから」


  光は駆け足で洗面所に向かう。ドアを閉め、その場から消えた。


「さっ。邪魔者は消えたから。一緒に楽しむの!! 」


 光が消えたことで、舞はより広季に身体をすり寄せる。より身体が密着する。


 一方、光は1人で洗面所に身を置き、手洗いうがいに着手する。


「ガラガラッ——」


 3回ほどうがいをし、光は口元をタオルで拭き取る。


「お姉ちゃんは絶対に許してくれないよね。だから、あんな風にいじわるをしてくるんだよね。そう。すべて自分のせい」


 陰鬱な空気を醸しながら、すべてを諦めたように、光はぼそっと呟いた。

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