第8話 少女の心を動かした
重本めぐみは心の苦しさを森田信也にぶつけている。重本めぐみの言葉ひとつひとつが鋭いナイフのようなもので森田信也の心を刺している。重本めぐみの笑顔はどこにもなかった。重本めぐみは泣いている。
長い沈黙になる。セミが鳴いている。重本めぐみは泣いている。森田信也は重本めぐみのことを理解しようと思う。森田信也は重本めぐみの心が見える気がした。
「何かあったら協力する。だから、ひとりで抱え込まないで」
この言葉は重本めぐみの心に届いたのか。
森田信也はゆっくり優しく重本めぐみを抱きしめる。
不器用な言葉が少女の心を動かした。
セミが鳴いている。
二人は今、静かに泣く。
お互いの心が通った時であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます