第4話 深夜の真実。そして——

 その日の明け方。

 バイト終わりの午前六時。

 土曜日であることもあり、駅までの道は人が本当に少なかった。

 そんな光景に感心と心躍る楽しさ、そしてさっぱりした不思議な晴れた気持ちを感じながら、駅前のお姉さんと出会った場所まできた。

 ここで昨日、お姉さんと出会ったんだ。

 とそこで気がついた。

 連絡橋の階段の1番下。邪魔にならない場所に花束と開けられていないお酒が置かれていた。

 そのお酒は、お姉さんが最後に飲んでいた缶ビールと同じものだった。


 不思議な存在。

 

 なんとなく、今、この瞬間。お姉さんが言っていたその意味を理解した気がした。

 僕はそこに向かって心に中でお礼を伝えて階段を登る。

 昨晩の宴の中で、お姉さんから教えてもらった事をちゃんと心のノートに書き留めながら。

 お姉さんとの出会いがとても楽しく、貴重な経験だったのだと心のどこかで思いを馳せながら。


 僕は一歩ずつ確実に歩を進めて、その場を後にした。

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深夜の宴-ふかやのうたげ- しらせなぐ @ryusei-myk

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