第2話

 私は妻をスーツケースに詰めようとしたが、とても入りきらなかった。

無理矢理関節を曲げようとしても、彼女の腹の脂肪が邪魔で収まりきらない。

だから痩せろと言ったんだ、と、私は思わず不平を溢した。

そもそも、仮に詰められたとしても、こんな巨体を運ぶのは至難の業だ。

時計が指すのは1時38分。

大丈夫、時間はまだある。

私はかつては愛していた妻の首に鋸を当てた。

まさか彼女の工作好きがこんなところに役に立つなんて、思いもしなかった。

幸い、私は小学生の時から工作が得意であった。

今回の作業にもそうてこずらないはずだ。

30分以内に終わらせよう、そう決心し、私は勢いよく鋸を引いた。

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