第109話――道標
五分も経たないうちに、相手からかかってきた。
「……
『九十九刑事。状況は察しています。手早く説明します』
彼の声が向こうから聞こえてきた。
「……何が映っているんです?」
九十九は眉を
『ファイルが何種類かに分かれていて。森の中が写っていました。撮影している女性が一人、
それを聞いた九十九が呟くように言った。
「ここだ……」
『え?』
九十九は即座に悟った。
「……撮影したのは、おそらく
電話の向こうの相川刑事が怪訝そうに問いかけた。
『……なぜ、この動画が
すかさず九十九は答えた。
「奴らは、きっと仏獄へ向かっている。山々に囲まれた中央の小高い山。応援部隊に伝えてください! その動画は貴重な
『……放射線?』
相手が驚いているのがわかった。
しかし、今は細かく説明をしている暇はない。
「とにかく、急ぐようお伝えください! 何か情報があればまた」
そう言って九十九は電話を切った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます