第65話――新たな参考人

「名前は、岡彩乃おかあやの。二十五歳。職業は派遣アルバイト。現在は期間工として都内のスプレー缶製造工場勤務。山下正美やましたまさみのアルバイト先と同じです。山下は大学四年で就職も既に決まっていて授業もほとんどないため日勤でその工場でバイトしていて、そこでおかと知り合ったみたいです。ある日突然、人が変わったような彼女に暴行されたと、警察に被害届を出してました」


 高倉たかくらが、その詳細が書かれた書類を九十九つくもに渡した。

 彼はその内容に目を通すと、言った。


「……でも、その後すぐに自ら取り消してる。示談で済まし、事件としては取り扱われなかった。怪我でしばらく入院してたのか」


「それだけじゃありません」


 高倉はホッチキスで止められた別の書類を見せた。


「これは半田義就はんだよしなり氏から借りた前回のイワクラツアーの名簿です」

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