第64話――検屍結果
府中署の方から
「
検屍に立ち会った解剖医の
二つの管轄が交錯する可能性があり、解剖の必要性を確かめるためだった。
「顔見知りか」
「生前に
問いかけると、田坂は首を横に振った。
「……それなんですが、殴られたような形跡は、体のどの部分にも見当たりませんでした」
「どこにも? ……じゃあ……」
九十九が言葉に詰まると、田坂は言った。
「ええ。山下正美が殴ったとされる相手は、村上加絵ではありません」
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