第11話――詐欺の手口


「全く……薄気味悪い野郎だな」


 九十九つくもは本当に気持ち悪がるように取調室のドアを閉めた。

 

「奴の言ってたこと本当なんですか?」


 松村まつむらは少し揶揄からかいの意図を含め笑みを浮かべながら聞いた。

 

「は? 全然心当たりねぇよ。というかそんな経験誰だってありそうだろ? 小学校の友達の記憶なんて。どうせ口からデマカセ言ってんだろ。適当なこと並べて当たってたら、そこで一気に畳み掛ける詐欺師の手口だよ」


 九十九は鼻であしらうように呆れたように答えた。

 

 するとノックの音が聞こえて、ドアが開いた。

 同じ部署の若手女性刑事が顔を出して言った。

 

 「九十九刑事。山下正美やましたまさみの意識が戻ったようです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る