025_たとえ“愛”だと呼ばれなくとも/朽葉千歳

 作品リンク:https://kakuyomu.jp/works/16817330650555697814


 ・愚弟の感想

 思ったよりも早く誘拐の理由が明かされてしまったのが勿体なく思いました。

 事件を外側から書こうとしてるのか、当人たちの実体験として書きたいのかが整理されきっていないように感じます。タイトルからすると当人たちの話のようだと思いますので、誘拐された理由は徐々に分かっていく方が良いと思います。理由が明かされた後は物語を引っ張る力が若干落ちてしまうためです。

 こうした人の狂気とも言える不思議な心の動きを書く上では、理由を明かす、というのはマジックにおける種明かしでもあります。早めに明かしてしまっては読者はそのあとの楽しみを一つ失ってしまうことでしょう。

 とはいえ、本作には奇妙なリアリティがあって、読んでいてぞわぞわさせられました。テーマを貫く姿勢も素晴らしいです。今後も楽しみにしております。


 ・小山の感想

 狂った愛に生きる人々の話。

 人称が安定していないところがあり、今この地の文は誰の視点なのだろう、と戸惑うところがいくつかありましたので、そこに留意するとよいかと思います。

 作者の頭の中ではどのキャラが喋っているか理解できているので問題ないのですが、読者側は何の事前情報もないと、一瞬戸惑ってしまい、それによって作品への没入感が下がってしまうためです。

 非常に強い感情の物語ですので、読者が冷めることのないように、丁寧に引き込んでいきましょう。

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