002_雪華/夜咲影哉

 作品リンク:https://kakuyomu.jp/works/16817330650498013725


 ・愚弟の感想

 ラストの主人公の感情を詩的に綴った部分が良かったと思います。

 愛するものを殺めてしまった主人公は、自分を殺めることで幕引きを図ろうとしたというのは、皮肉めいていました。

 ただ、物語の後半にかけて、衝撃的な事実の連続と感情の吐露で物語が構成されており、作品の世界にまだ馴染めていなかった私にはどこか置いてけぼりにされた感じがしてしまいました。発作のことや、母親のこと、伏せられていた主人公の名前、先生のその後など、新しい情報が次々に出てきましたが、衝撃の真相が語られたというよりも後出しのように感じてしまいました。

 もっと文字数をかけて積み重ねて物語をえがいた方が、私のような一般読者には分かりやすかったかなと思います


 ・小山の感想

 イカロスの翼という話を知っていますか?

 イカロスという空を飛ぶ力を得た男が、その傲慢さから太陽に焼かれ墜落死する話です。

 彼は自ら作り上げた翼に対する自負だけは一丁前だったということですね。

 なんなら、父から海にも太陽にも近づかないように忠告されていたにもかかわらず、それを破った。

 でも、空を目指すこと自体は間違っていなかったと思うんですよね。

 その先の傲慢さだけ我慢できれば、彼は自由に空を飛べただろうに。でも、彼は選択を間違った。

 神話は神話でしかないですが、訓話であることも数多くあります。調べてみるとよいでしょう。

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