第5話 暴走
葵が家に帰るとそこには高校生時代の自分が切り刻まれている死体が天井からぶら下げられていた。
その下にはコーがいる気配がした。
「コー·····コーくん·····どうしたの?」
「アオちゃん·····もう僕のことは嫌いかい?」
と少し震えた声で喋る。
「い、いやす、好きだけど、·····どうしたの?」
慌ててスマホを後ろで取りだし456の番号を打ち込む。
「じゃあ、俺以外を好むな·····」
「な、何よいきなり帰ってきて!!」
と言ってしまった。
すると後ろから三途がやって来た。
「おい葵また一人で何言ってんだぁ?」
と言うと葵の耳横で何かが飛ぶ音がした。
三途の方を見ると三途は冷蔵庫に背を着け口を大きく開け大量の血を吐いて動かなくなった。
多分コーが口に
「え··········三途ッ?!」
と口を押えて膝を着いた。
「おれらの邪魔するからだよなぁ·····」
「ちょっと·····コーくんどうしちゃったの!」
とコーを触ろうとするが空気しか触れない。
コーが口に刺さった刀を抜くと、三途は人形のように崩れ落ち絶命した。
するとコテツが走ってきてコーがいるはずの場所をかみ始めた
「やめて!コテツ!!」
と言うと
コーは笑いながらコテツを刀で串刺しでした。
葵は一瞬固まり発狂しながら泣き出した。
葵の首からツ〜ッと血が出てきた。
コーが刀をあてているのだ。
「なぁアオちゃん、これで2人一緒だな」
と言うと窓を蹴り破って花園
「久しぶりだな」
と花園が首を回しながらやって来た。
花園はポケットに入っている粉をコーがいるであろう所にばら撒くとコーの姿がじわじわと見えてきた。
「コーくん·····見える·····」
「な、なにぃ?!」
「よぉ元彼サン·····花園です。」
と言うと手の裾から一反木綿を出し足に巻き付けコーを転けさせた。
「ぐぉっ?!」
「葵!逃げろ!」
と花園が言うと葵は玄関から逃げていった。
外に逃げるとそこにはパナマハットを被った黒服男女2人組が居た。
1人は黒髪のエアリーヘアの男で
2人目は黒髪のミディアムロングヘアの女。
黒服の男は運転席に乗るとタクシーのように後部座席を開き葵と女を乗せ発進した。
「俺とお前2人っきりになったな·····」
と花園は一反木綿を回転させ手にぐるぐる巻きにしてボクサーのグローブまでとはいかないが巻いた。
その直後、コーは花園目掛けて刀を投げてきた。
花園はそれを左に動いて避けると刀は窓を超えて落ちていった。
「おいおい。どこ狙ってやがる·····」
と言いコーの顔を一発殴るとコーは後ろに勢いよく倒れた。
「残念だったな北村孝·····」
花園はポケットから成仏御札を取り出し成仏しようとすると、コーは素早く足を振り上げ花園の股間を破壊した。
「ウゴゥヘェッ····」
花園が膝をつく外から刀がブーメランのように戻ってきて花園の頭に突き刺さった。
花園は頭から崩れ落ちた。花園の胸からは弟の血混じった写真が10枚ほどパラパラと落ちた。
葵が乗った車は退魔師案内所へと送り届けられた。
「ありゃぁ、悪霊だなぁ·····」
黒服の男は困ったように頭を抱える。
その後3人で案内所へと入っていった。
男の黒服はオーナーに話をつけに行った。
その時女の黒服は黒髪のコートを着たおじさんを奥から連れてきた。
「彼はコーの父よ。」
と女は言う
「なぁアンタ、コーを見たのか?」
と震えた唇で言う。
「はい。みました·····」
「やった·····夢かこれは!·····やったぁぁ!!」
と言い案内所を走って抜けていった。
「よかったわね。貴方あそこまでならなくて·····」
女は貶すように言う。
するとコーの父が飛んできて案内所の窓が割れた。
コーの父は首の神経が切られており絶命していた。
女黒服がコーの父をよく見てみるとコートの中に着火した煙玉が入っていた。
プシューーーーーッ!!!
と言う音を立てて煙に一体が包まれた。
「全員位置につけ!」
と女黒服が言うと案内所にいた下級退魔師が走って駆け付けた。
煙が晴れるとコーは葵の首に刀を当てて居た。
「動くな·····僕のフィアンセ·····」
「うううぅ·····」
「動くなってのはお前の方じゃねぇのか?」
と男黒服が言うとオーナーの方からコーの方に振り返り胸ポケットから銃を取りだし脳天に銃弾を1発入れた。
コーと葵は仰向けにゆっくりと倒れた。
「おい!葵ここから逃げろ!」
と男黒服が言うと花園の顔がバックアップしてきた。
「貴方達は大丈夫なんですよね!?」
と葵は潤んだ声で言った。
「あぁまかせときな。」
と女黒服も言うと葵はそこから急いで立ち去り高級レストランへ逃げる事にした。
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