第4話 BAR

次の日、葵はコーを読んでも出てこなかった為に一人で仕事に出所した。

名前は"The sunset"という高級レストランだった。

調理室に入るとそこには

酒に酔ったフライ担当のキョーコという黒髪で顔回りは頬の高さの前下がりで後ろの長さは襟足に届くぐらいのショートヘアで白衣の女性がパイプ椅子に座って眠っていた


「ま、またか·····」

と葵が言った。

そうキョーコは酒が弱いくせに毎日トラウマを忘れる為酒を飲こみまくり今に至っている。


すると後ろから背が低くPTSD持ちの黒髪ロングヘアの引っ込み思案なリオという女性がそーっとやって来た。


「おはようございます·····葵·····」


「あ、おはよおー」

と言うとキョーコは立ち上がり


「キョー、みんなで飲みに行かなぁーい?」


とフラフラしながら言った。

「ええええぇー」

と葵が言うと

「わ、私!行きたいです!ちょっと話したいことが·····」


と言い飲み会が決定した。

そうと決まれば仕事を直ぐに済ませ近くのバーに直行した。


そこで酔いが治まったキョーコがワインボトルをがぶ飲みしながら言った。


「で、リオちゃん言いたいことってなぁによ」

と顔を火照らせ言うと


「みなさん幽霊って信じますか?」


と言うと葵は顔を青ざめさせた。

「リオ·····私ィもう2体程度幽霊とは会ってるよ·····」


と呆れた顔をして言った。


「何それはははは!ひひひひひ!」


とキョーコがテーブルを叩いて大笑いした。


「ちょっと!嘘じゃないんだってぇ!」


とグラスで指を刺すように言った。


するとゾンビコスプレでチャイナドレスを着た店員が近ずいてきて

「あのぉーもう少し静粛にしてもろてぇー」

と怒られてしまった。


するとリョーコは白衣を整えリオに目を合わせた。


「リオ話してどーぞ」

と口をアヒル口にして言った。


「私の兄ってつい先月通り魔に刺されて死亡しているんですけどね·····」


「うげぇひどぉ」

とリョーコがワインを回しながら言う


「その兄が·····兄が·····戻ってきたんです」

と若干痙攣しながら言った。


それを見た2人は目を合わせて葵は言った。


「リオ今から行ってみよう·····」


と言いバーから出て歩いてリオの家に着くとそこには黒のスーツ、ネクタイをして8センチほどのハイトップフェードヘアの男性が立って待っていた。


「だぁれよ、あんた」

とフラつきながらキョーコが聞いた

「彼は私が雇った花園さんっていう退魔師です」

と説明するようにリオが言った。

「全力を尽くします·····」

と真面目そうに言った。

「ダンディーだな」

とキョーコが言った。


その後花園を先頭に部屋に入っていくと


兄の部屋に入った。


兄の部屋は大きなベットが円形の部屋の真ん中にポツンとあるだけでそのまわりは何も無くあるとするなら蜘蛛の巣が湧いてるだけだった。


花園が

「どこに彼が·····」

と聞くと


リオは震えながらベットの下を指さした。


キョーコは勢いよくペタン座りをしてベットの下を覗くとベットの下は暗黒に包まれており何も見えなかった。


「なぁーにも見えない」


「時々目が見えることがあるんですよ。」

と怯えながらリオが言う


「花園さんどうするの?」

と葵が聞くと


「みなさん離れてください·····」


3人が部屋の隅に離れると花園はベットの下に手を入れた。


「一反木綿」

花園がそう言うと手を入れたスーツの裾から一反木綿の様な白い布のようなものが勢いよく伸び中に居るものに巻き付き花園は引っ張り出した。


その後

一反木綿で包んだ幽霊は花園が所持していた御札により成仏された。


「毎日どんどん妖怪や幽霊が増えて退魔師は大変ですよ。」


と言い立ち去っていった。


葵は何かを考えたが花園の後を追って行った。


リョーコは包まれた遺体を足でつついた。

「うへぇーーー永眠ッ」

と言いリオに向けて手を振り帰って行った。


リオは遺体を撫でそのベッドに入った。


花園がそこらをふらついていると後ろから葵がやってきた。


「すいません。なんで貴方は退魔師になろうとしたんですか?」


花園は胸ポケットに入っている写真を手渡した。


「だ、だれぇこの子」


「俺の弟さ、とある幽霊に殺された·····それの恨みで退魔師になったのさ」


「実は最近私の元彼氏が戻ってきたのですがどうすれば·····」


「···············」

と黙り込みまたもポケットから髪を手渡した

『456』


「電話を掛けろ。退魔師案内に繋がる。」


と言い花園は一反木綿を使い電柱に登り電柱から電柱に素早い移動で消えていった。


すると葵のスマホに電話がかかってきた


「あ〜もしもしぃー?」


「あー葵〜とーさんだけどぉ?」


「どうしたの?」


「例の奴らからの被害はどうだ?あるか?」


「ありありよ·····」


「ふーんッ、頑張りすぎんな。あ、あと俺宝くじ当たったから国外逃亡するからー」ブチッーー


すると葵の頭に色々なものが過った。

まずは父の顔·····白髪のセンター分けで青髭が生えた汚らしいあいつ·····

それから綺麗な外国、

アメリカ

ハワイ

ロシア

メキシコ·····


と考えているうちに葵のスマホは投げ捨てられ大きなヒビが入っていた。




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