第3話 夜

家に帰ると三途と柴犬のコテツが家でゆったりとテレビを見ていた。


2人に見られないように血まみれの服のままお風呂に直行した。


「覗かないでね!」

とコーくんに向けて空気に言った。


風呂に入り服の上からシャワーをかけて紫の血を流していると

そのコーくんが立ってまっている洗面台に三途がフラフラとやってきた


「おぉ、葵帰ってたのか!」


と言い三途がシャワー室のドアノブを握ると

三途の鼻が潰れて大量の血液が飛び出た。


「ぐぅえっエエエエッ!?」

と言い仰向けで飛び倒れ気絶した。


コーが肘で鼻を潰していたのだ。


「ど、どーかしたのー?」

とシャワー越しに聞くと


「滑って洗面台に鼻をぶつけたんだ。」

とコーが言った。


シャワーを浴び終わりパジャマに着替えコーと一緒に気絶した三途をベットに運んだ後

暗い部屋でテレビしかついていない部屋でコーがペットのコテツに餌を上げていると今日の土蜘蛛がニュースに大々的に取り上げられていた。


すると葵が部屋から映画のDVDを持ってきた。


「なぁアオちゃん。あの男の何処がいいんだ」


ととても失礼な事を言った。でも知りたかった。


「え、別に、優しいし、かっこいいし、」


とどんどんと出てくる褒め言葉

それをコーは1発1発弾丸の様にくらっていた。


するとテレビがニュースからコメディドラマへと変わった。


そこには他繋(タツナギ)という俳優が出ており葵の推しとやららしい。


それを見てまたもコーはまたも傷ついてしまった


前は俺にだけ·····こんな感じだったのに·····


今では

「はぁ〜〜いつ見てもかっこいいなぁ·····」

とテレビに向かって愛を叫んでいる。


コーはここで初めて嫉妬心というものを知った。


すると窓からドンォン、ドンォンと音がした


「な、何この音·····」

とこの愛しの時間を邪魔するなと言わんばかりの声で言った。


「俺が見てくるよ·····」

と気だるそうにコテツを一撫でして窓辺に出て見てみるとそこには幼き高校生の葵の姿があった。


「な、」

と驚いた口調で言うと

学ランを手で叩き、学生帽を深深と被ると静かに近づきそのままベランダで押し倒した。


幽霊でも生命の奇跡を感じることは出来た。


葵はそのドラマが終わるとテレビを消し気絶している三途の元へ行き一緒に眠りに落ちた。



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