第2話 ブリトー

「あぁ、そうさここにいるよ」


と暖かい冷静な声がかえってきた。


「ど、どこにいるの?」


と当たりを急いで見回し質問した。


「いや。アオちゃんには見えない·····いわゆる透明人間さ。」


と言うと葵は


「感じる·····コーくんの匂い、コーくんの雰囲気·····なんで戻ってこられたの?」


「とある誰かが霊界の扉を緩めたんだ。今テレビでやってるよ。」


と言われ葵はゆっくりテレビをつけてみると

口角を大きく上げ

歯が真っ黒で目や鼻がなく肌が白く

長髪の女が大大と取り上げられていた。


葵は驚き絶句して後退りをした。


地面がキィキィと言う。


コーくんが家に入ってきたのだろう


「さぁアオちゃん。ブリトー食べに行こうか。」


と言うと葵は急いで準備をしてブリトーを食べに行った。


2人はブリトーを移動販売車で買うと当時2人でよく遊んだ学校の裏山でピクニックのように食べた


周りから見ると一人で食べているのに過ぎないが


「コーくん透明だけど食べれるの?」


と質問すると


葵が持っているブリトーが削れるように少し無くなった。

コーくんが食べたのだ。


「ちょっと〜!!」


と怒ったように言った。


するとそこに三途(ミズ)という

金髪、刺青、ピアス、タンクトップという

チャラチャラした男が近づいてきた。


「おぉ、葵何してんだ」


「あ、みっちゃん!」


とブリトーを振りながら言った。


「だ、だれ?」

と怖がりながら言うと


「私の今の彼氏よ」


そう彼は三途(ミズ)という名前だった。

そしてコーくんは驚いて口が閉じなかった。


「え、か、か、かか、彼氏できたの?」


「できたよ。彼に慰めてもらったの」


「おい。誰と話してんだ?」


と頭を書きながら不自然そうに聞いてきた。


「いやいやなんでもないよ!」


と言いブリトーを咥える


「てか、私就職決まったけどみっちゃん仕事見つかったの?」


「ぅげっ」


と言い舌を出し背を向け遠くへ消えていった。


「もーーー!あ、コーくん·····まだいる?」


「あ、ぁあ、居るよ、怖そうな人だね」


「優しい人だよ。あぁ見えて面白いし」


すると後ろから女性の悲鳴が聞こえた。

「キャーーーーーーーーーーッ!!!」


葵は驚いたように振り向くとそこには


人面の大蜘蛛が山の中から出てきて男性を食い荒らしていた。


「ちょっと何あれ!?!」


と驚いたように葵が言うと

後ろから走る音が聞こえた。


「待っててあれは土蜘蛛。葵には指1本触れさせないから」


と聞こえると左肩に大きな風圧がかかった


コーくんが走って土蜘蛛の顔付近へ近づくと勢いよく首にアッパーカットを食らわせた


「ヴゥァアッ」

と土蜘蛛が声を荒らげると


コーくんは学ランの中から刀を取り出し土蜘蛛の足を斬り捨てていき最終的には首を切り落としこの広場一面を血祭りに仕上げた。


「こ、コーくん?なんでこんな力が·····」


「そんなのいいから早く帰ろう·····」


と言い2人は紫の血にまみれて帰っていった。


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