第12話-裏
「消えた」
千崎家に忍ばせた、私の式神の気配が。
強い子ではなかったけれど、普通の人間なら簡単に殺せる子だったはずだ。
千崎家も衰えてきているとはいえ、まだまだその力はあるということだろう。
「桜……」
愛しいその子の名前が思わず口から出る。
ニャアンと鳴いて私を慰めるように擦り寄ってきた猫の式神を膝に乗せて撫でる。
「お前は優しいね」
少し緊張が解ける。
「桜、すぐに私が助けてあげるからね。――千崎家なんかに、負けちゃ駄目だよ」
窓から見える青空には不気味なほどに白い半月がぽっかり浮かんでいて、私は少し身震いしてしまった。
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