第10話

 自警団のGギア倉庫に到着。


 途中でまたいだ防壁の余りの意味のなさに悲しくなるね。

 WGワーカーギアまたげるものを増築してどうすんだろね、自警団たち。



 まあ、それが金になる仕事になるなら、オイラ的には良いんだけど。





「おッ⁉ リィトさんとこの子ッ! 大変だッ! 何か自警団の奴らが転げまわっているんだッ!」


 いきなり、オイラのゾンドと同じ様なゾンドに乗った、工事社こうじしゃの方っぽい、オイラより少し年上っぽい男の人からの通信で、何か頓狂とんきょうな声が掛かる。



「ハッ⁉ いきなり何んスか、一体ッ⁉」

 と、そこで。


『マスター、左舷さげんから熱源。こちら側に突っ込んで来ます。』


「あんですとッ⁉」




 とにかく回避運動に己が操縦の全力を傾けてみる。ゾンドのメインスラスターを吹かして地面を蹴らせて思いっきり後ろに飛び退く。



 ギリギリで、何とかスレスレで擦れ違う。


 だけど、オイラのゾンドが飛び退いたせいで、せまってた機体が工事社こうじしゃの人のゾンドにぶつかり、蹴り上げられた感じで工事社こうじしゃの人のゾンドが吹っ飛ばされて横転する。



 アレは見た感じ、中の人は気絶しているかもだね。





 それをした相手は、微かに見えた感じでは一般的に多く普及してるFGファイターギアのジーナやゲズなどではない感じ。

 ジーナに似た赤と白の2ツゥートンだけど二足にそく歩行ほこう二腕にわんでゴーグル。



 カラーリングはジーナに凄く似ていて、見た感じの武装も、頭部にバルカンと、左右の側腰部そくようぶに、Gギア用の巨大な斧にアリーエル粒子を応用したレーザーを纏わせた斧のレーザーアックスと、レーザー銃のレーザーライフル、あとは背部に、発射すると垂直すいちょくに上昇し、そこから敵に向かって斜め下に誘導して降り注ぐ、垂直すいちょくミサイルという装備と、シールドのみという、この世界のFGファイターギアの装備としては非常に一般的な装備。





 それくらいという平凡そうな外見で、一見FGファイターギアっぽいけど、村で今まで見た事が無い機体だし、父さんが『ゴーグル付きはエース用高性能機のKGナイトギアが多い。』と言っていたってのもあるし、恐らく自警団がTHトレジャーハンターから買い取ったというKGナイトギアの模様。



 あちゃ~……。

 当たらなくて良かったけどミハエルさんの読み通りになっちゃったか……。



 そして、防壁、簡単に突破されているじゃんっていう……。

 本気で意味ないのね、この自警団Gギア倉庫周辺の防壁……。

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