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春、世界中を旅していた親友が病で死んだ。
「暗い墓の下は嫌だ。俺が死んだら骨は綺麗な海に撒いてくれ」
彼を見舞ったとき、掠れた声で僕にそう訴えかけた。それが彼の遺言となった。
夏、墓の下に閉じ込められた彼を救い出した。犯罪なのはわかっている。けれど、親友は太陽の下で笑っていなければ。骨とともに、彼が好きだと言っていた場所へと向かった。
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