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 彼は私の鎖骨にキスを落とす。


「好きだよ、塔子トウコ

「私もよ」


 私は彼に身を任せながら、彼の肩にある大きな傷痕を撫でる。

 塔子トウコ。私の姉の名前。彼のかつての恋人の名前。事故で死んだ姉の名前。

 一緒に事故に遭った彼は一命をとりとめたが、私のことを姉だと思い込むようになった。私は彼を受け入れた。たとえ彼に、私の名前が呼ばれることが無くても。

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