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 目を覚ますと、傍らに白衣の男性がいた。


「貴方は今、八十六年間もの冷凍睡眠から目覚められました。貴方の病は覚醒前に治療して完治しましたよ。健康体です」

「妻、は……」


 朦朧とする意識の中、私は医者に問うた。


「残念ですが、既に老衰で亡くなられました」


 私は、何のために……。天井に答えはなかった。

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